キクイモの育て方

キクイモの育て方

キクイモは一年中育てることができる多年草の為、一度植えますと基本的に毎年開花する植物です。また、この名前は日本での名称であり、原産地は北米大陸とされています。例えば海外では「エルサレム・アーティーチョーク」と呼ばれている場合もあります。

育てる環境について

育てる環境についてでありますが、この植物は非常に強い生命力から、あまり場所を選ばない傾向もあります。ただし繁殖力の強さから広範囲に広がる可能性がありますので、地植えをする場合では、その場所の確保や管理が重要になります。仮に地植えを行い、後に他の植物を植える予定がある場合では、ある程度広く掘り起こして全て収穫する必要があります。

もしも一つでも未回収がありますと、そこから再び育ち始め、野生化する可能性が大きくある為、その点の考慮が重要になります。一方、成長しますと茎も伸びてかなり大きくなりますので、その点も栽培では考慮する必要があります。また、この品種は地植えの他にも、比較的大きめのプランターなどでも栽培することが可能でありますので、ベランダなどでも育てることができます。

プランターでの育て方でありますと、それなりの支柱を準備することも大切になります。成長して草丈が伸びますと、同時に葉も生えてきますから、風の影響も大きく受けることになります。強い風に吹かれますと茎が折れたり倒れたりする場合もありますので、支柱で囲いを設けて倒れないように対策を行うことが大切になります。

その為、可能でありましたら育てる環境は、上方への空間に余裕がある場所で、尚且つ強風が吹かない場所で育てた方が得策になります。その他、土の状態が粘土質の傾向が強い場合では収穫量も減る傾向にある為、収穫量を考慮する場合では土質も重要なポイントになります。

種付けや水やり、肥料について

育て方と致しまして種付けや水やり、肥料につきましては、キクイモは比較的手間が掛からない品種でもあります。まず種芋を準備して植え付ける場合でありますと、三月や四月に行うことが適した時期になります。また複数植える場合では、ある程度間隔を空けることも大切で、あまり近い間隔でありますと絡んでしまう場合があります。

そして種芋は土の表面から、五センチから十五センチ程の深さに植えます。プランターを用いる場合では、日当たりの良い場所に設置します。植え付ける際、種芋は丸ごと一個を用いても良いですし、分割した状態からでも発芽させることができます。

また、地植えの場合でありますと、五十センチから一メートル程の間を空けて植え付けることが良策になります。その間隔でありましても、草丈が数メートルに伸びて葉も茂った状態では、鬱蒼とした群生状態になることも一般的です。その為プランター栽培の場合では、ある程度間引いておくことも必要になります。そして高さが出て困る場合では、

これもある程度剪定致します。この植物はどうしても大きく育ちますので、その点での配慮が肝心です。一方、水やりについてですが、プランターの場合では草丈の成長に伴って水分を多く吸収する為、夏の時期では朝や夕方などにそれぞれ水やりをすることも大切になります。その他、肥料でありますが、プランターで育てる場合では、市販の液体肥料などを薄めて適量与えることも効果的です。

増やし方や害虫について

増やし方や害虫につきましては、特に繊細な部分がないことも、このキクイモの特徴であります。特に増やし方という観点では、地植えの場合、例え栽培をやめた場合でありましても、収穫残しがあった場合では野生化して、勝手に増えていくという強い増殖力があります。また、種芋は丸ごと一つである必要もなく、

かけらの状態からでも栽培することができる為、一つの種芋を幾つかに切り分けて、それぞれを植え付けることで増やすことができます。これによりまして、キクイモは容易に増やすことができます。そして来年の植え付けに向けて種芋を保存する場合では、土の中に埋めて保存しておくことが理想的になります。

一方、プランターで増やす場合でも同様でありますので、簡単に増やすことができます。ただし大きく育ちますから、あまり増やし過ぎますと収集がつなかくなる可能性もありますので、その点注意が必要です。その他、害虫に関してでありますが、これは葉にハダニなどがつく場合もあります。基本的に病気にも殆どかかることがない丈夫な植物でありますので、

それ程デリケートに向き合わずとも育ってくれる点も、この品種の優れた一面です。しかし仮にハダニを発見した場合では、この品種にも使用できる薬剤を散布することも一考に値します。また、ハダニは水に弱い性質がありますので、水をかけて落とすという対応策もあります。その際はスプレーボトルなどで、しっかり狙いを定めて水を吹きかけることが大切です。

キクイモの歴史

キクイモは一年中育てることができる多年草の為、一度植えますと基本的に毎年開花する植物です。また、この名前は日本での名称であり、原産地は北米大陸とされています。例えば海外では「エルサレム・アーティーチョーク」と呼ばれている場合もあります。この呼び名の由来には、キクイモの歴史にも関わりがある部分です。

ことの始まりはフランスの探検家が1600年代初頭、アメリカ大陸に訪れた際のことです。そこの原住民が育てていたキクイモを食し、アーティーチョークに似た食味ということで、母国のフランスに携えて帰国しました。その後、イタリアにおきましてもキクイモの栽培が始まり、

ヒマワリを示す「ジラソーレ」の名称が加えられて「ジラソーレ・アーティーチョーク」と呼ばれるようになります。その後、他の地域に広がる際「ジラソーレ」を「エルサレム」と誤認した為に「エルサレム・アーティーチョーク」という名称で広がりを見せたとも伝えられています。一方その他の歴史と致しまして、1770年代の初頭の欧州では、

繁殖力の強いキクイモが注目され、食料難の時代に広く栽培されるようになったとされています。また、日本におきましては、この品種がやって来たのは江戸時代の終わりから、明治時代の初頭と伝えられております。しかし一般的に広がった時期は先の太平洋戦争の頃で、食糧を確保する解決手段の一つとしてキクイモが着目され、広く栽培されるようになりました。

キクイモの特徴

キクイモの特徴はその強い繁殖力であり、一つの芋を植えるだけで次々と増え続け、雑草にも通じる生命力があります。その為気候さえ適合致しますと、生息地を選ばずに野生化する傾向も強いことが特徴であります。更に成長した場合では背丈も3メートル以上になる場合があり、大きく成長することも特徴です。

また、花の色は黄色で、菊に似た形状があり、それが和名の由来にもなっています。食べられる部分は地中にできた茎の塊の部分でありますが、その他の芋類とは異なり、生の状態での保存が非常に難しいという特徴もあります。この為、消費する都度に収穫することが理想的で、冬場などで保存する際は、土に埋めて保存するといった特徴もあります。

一方、その可食部の形状はサトイモやジャガイモのような形状がありますが、「イヌリン」という成分が多く含まれていることが、栄養面から見た大きな特徴になります。この「イヌリン」は腸においてビフィズス菌を始め、善玉菌に活力を与える存在にもなり、腸内環境を良好にしてくれるという優れた特徴があります。

善玉菌が活発になりますと悪玉菌の勢力が衰えて、消化や吸収なども効果的に行えるようになります。更に摂取した糖などの吸収を抑え、血糖値が上がることを防ぐ能力があり、糖尿病の予防策としても注目されています。キクイモにはこのような健康面でも優れた特徴があり、現在では健康食やダイエットの方面からも着目される存在になっています。

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