アリストロキアの育て方
育てる環境について
アリストロキアに属する植物を育てる場合では、原産地や生息地方が熱帯地域や温帯地域である為、育てる環境についてもその点を考慮すると良いでしょう。この為夏の暑い時期には強く、夏季の暑さはこの植物がとても育つ時期でもあります。始めの頃は鉢植えという環境でも育ちますので、日当りの良い場所に置いて育てるという方法もありますが、
真夏での強烈な直射日光は避けた方が良い場合もあります。また、この植物の種類にはつる性を備えた品種が多々ありますので、この種類を栽培する場合では、つるを絡ませる支柱などを準備して環境を整えてあげる必要があります。特にフェンスなどに絡まれては困る場合では、キチンと支柱などをセッティングして育てる環境を用意しておくことが大切です。
一方、夏場の暑さにはデリケートな植物もありますが、このアリストロキアは熱帯地域が原産地でありますので、夏季でも安心して育てることができます。ただしそれ故に冬季では寒さに弱くなりますので、屋外に出したままで冬を越えさせることは困難になります。その為冬の期間の育て方は、屋内での栽培に変えた方が賢明になります。
また、冬を越す気温は八度以上が望ましくありますので、例え屋内で育てる場合でありましても、底冷えのする真冬や、寒い地方では温度管理に留意する必要があります。これによりまして、きちんと栽培する場合では温室を用いるなど、真冬の場合では何らかの対策を行うことが理想的な育て方になります。
種付けや水やり、肥料について
アリストロキアを種から育てる場合では、始めは鉢植えで行った方が管理が容易で有効な方法になります。まず用意する土でありますが、これは水はけに優れた土が理想的になります。場合によりましては、バーミキュライトを全体の二割ほど土に混ぜて使用するということも得策です。
バーミキュライトは栽培におきましても根による呼吸を効率的にしたり、養分を保つ点でも貢献してくれますので、アリストロキアの栽培でありましても役立てることができます。また、水はけという点におきましては、川砂なども用意して、これも全体量の二割ほど混ぜることも効果的です。ベースの土は一般的な赤玉土で良いでしょう。
そして混ぜ合わせた土を鉢に入れ、鉢の大きさにもよりますが、二、三粒から三、四粒の種を植えます。その際、種は事前に一日程水に浸しておくことも良く、ガーデニング用の植物活力剤を適量混ぜておくという方法もあります。一方、種付けの時期は寒さの心配をする必要がない四月中頃から五月が適した時期になります。
水やりに関しましては、表面の土が乾燥しておりましたら、十分に水やりを行います。そして冬の季節では水やりの頻度を減らすことも有効であり、表面の土が乾きましても直ぐには水やりを行わないことも必要な対策になります。土は乾かす方向で管理し、数日おいてから水やりを行います。それは肥料についても同様で、春季から秋季の間は一定間隔で肥料を与えますが、冬は肥料を与えることを控えます。
増やし方や害虫について
夏季の花が咲き終えましたら、次の開花の為に、つるを剪定しておくことも大切です。そのようにしておきますと次の年には新たなつるが伸びますので、開花する花を増やす対策になります。また、増やし方の一環と致しまして、鉢植えで成長が進んだ場合、根が沢山伸びましたら栽培にも影響が出ますので、
増やす為にも、種付け同様に四月中頃から五月にかけまして植え替えることが大切です。この時期でありますと霜の影響は殆ど考慮する必要がありませんから、適切した時期になります。その他、挿し木によりましてもアリストロキアは増やせます。時期的には暖かい季節が適していますので、五月や六月頃が良いでしょう。
この時期は梅雨の時期でもあり、湿度的な観点でも適した時期になります。そして挿し木の場合では、二十分程度水に入れて水分を吸収させると良く、その際は植物用の活力剤を薄めて混ぜておくことも有効な方法です。また、切り口から根が良く出るようにしたい場合でありますと、土に対して挿し入れる前に、市販の発根用の促進剤などを塗ることも良策になります。
一方、アリストロキアに発生する害虫には「ハダニ」も挙げることができます。これは乾燥を好む性質がありますので、水をかけて落とすという手法も有効になります。その際は、葉の裏面にもスプレーなどで水をかけることも効果的です。ただし夏季の強烈な直射日光の下では、水滴がレンズ効果を引き起こす場合もありますので、その点には留意が必要です。
アリストロキアの歴史
数ある植物の中にはアリストロキアという種類が存在致します。この植物の世界的な生息地域と致しましては、温帯地域や熱帯地域が主な生息地域になっています。その種類は数百種類以上もあり、非常に多くのバリエーションがある植物でもあります。また、この名称は学名であり、その学名の命名に関わるアリストロキアの歴史は、
「アリストス」と「ロキス」という二つのギリシア語が由来であるとされています。その意味は「アリストス」が「最良」という意味で、「ロキス」が「出産」ということを示しています。それは、この植物の膨らみを帯びた形状が子宮をイメージできることから、安産につながる効力が備わる植物とされた歴史があり、それが命名の由来とされています。
またその他にも命名にまつわる説もあり、花の筒部分の形状が「胎児」を連想できることから、「最良」と「出産」の二つのギリシア語が用いられて、その名称が与えられたという一説も挙げられております。何れの場合でありましても、アリストロキアの歴史は分布的にも様々な地域で、数多くのバリエーションを見ることができます。
一例と致しまして「エレガンス」という種類はブラジルが原産で、日本国内には明治時代に渡来したという歴史があります。また「トリカウダタ」という種類はメキシコが原産地になります。そして「フィムブリアータ」という種類はブラジルを始め、パラグアイやアルゼンチンも生息地となっています。
アリストロキアの特徴
アリストロキアの特徴と致しましては、花の独特な形状があります。数百種類にもなるそれぞれの形状は個々で異なりますが、そのどれもが一般的な植物の花とは違う独特の色や形を持っています。その点がアリストロキアの大きな特徴として挙げることができます。まず花の色の特徴でありますが、
この種類の植物では重めの色など、濃い色や地味な色であることが共通項目としてあります。それは一般的に多々存在する鮮やかな明るい色をした花とは、まるで趣きが異なる見た目を持っています。しかし色が地味であるから目立たない存在ということでもなく、その独特の形状から、ある意味存在感を携えている花でもあります。
例えば花の形状が筒状となっていることに加え、花の開口部がトランペットのように開いている種類もあります。また、「ベルビアナ」という種類では、花の開口部の内側は明るめのイエローですが、サックスホーンのように開口部が上向きに咲いています。その他「ギガンテア」という種類は、比較的大型の花を開花させますが、
その花は重く下に垂れ下った形状を持っています。色は紫系統の濃い色でありますが、全体的に牛肉の「サシ」が入ったような霜降り状の白い模様が花全体についています。一方、花自体に光沢があるタイプから光沢が無いタイプなど、幾多ものバリエーションがあります。しかし何れのアリストロキアでありましても、その花の特徴は総じて奇抜な形状を携えていることが、一番の特徴になります。
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