レウイシア(岩花火)の育て方
育てる環境について
岩花火という和名通り、岩場や乾燥した環境下で生育する多年草となる植物であり、増やす目的となるタネを採集しない場合には、花が咲き終わった後は花茎の切り通しを行う手入れが必要となるため、プランターや鉢植えで育てるのが適しています。育てる環境によっては、葉っぱが黄色く枯れてしまうケースもあるため、
風通しの良い環境は特に必要とします。ロゼット状に葉っぱを広げるために葉っぱや茎が重なりやすく、過湿から根腐れや葉枯れを引き起こしやすく、さらに露地植え栽培においては水はけが悪い場所ではカビなどの病気を招きやすいため、風通しの良い環境は必須です。レウイシアは原産地同様に日当たりのよい環境を好むものの、
日本の高温多湿となる環境には比較的弱く、基本的には風通しのよい室内で管理するのが適しています。耐寒性は持ち合わせているものの、耐暑性に弱いために夏の期間は約30%から50%程度の遮光環境下で育て、冬の時期は積雪にも耐えることができる植物ですが、寒風が吹きこむ環境においては芽が乾きやすくなったり、
葉っぱが枯れるために室内またはビニールハウスなど、18度から25度の適温で管理するのが育てる環境として最適です。高温多湿を苦手とするために梅雨時期から秋にかけては、半日陰また風通しを重点におき、暖地の冬時期は霜が当たらないように越冬しさせることによって夏と冬を上手く越すことができ、来シーズンに花付きが良くなります。
種付けや水やり、肥料について
レウイシアの上手な育て方としては、タネから育てる方法が適しています。多年草であり、その種子を採取した後は涼しい場所または冷蔵庫に保管しておき、タネ蒔き時期にあわせて栽培を始めるのが簡易栽培法です。タネ蒔きは9月また10月の秋口をはじめ、2月から3月の春先も適しています。タネ蒔きには浅鉢または浅めのバットを用意し、
スベリヒユ科でもあるために鹿沼土などの用土を利用するのが適しており、市販されている培養土を用いる際には多肉植物や山野草となる専用の土が最適です。タネを蒔き、薄く浅く覆土した後に霧吹きを使い土を湿らせ涼しい場所で管理します。発根や発芽した後、本葉が3枚程度生えてきた頃合いでポットに仮植えを行いますが、用土は柔らかく入れ、
茎がぐらつかないように根元を抑えて仮植えを行うことで、柔らかい土の中で根回りが早くなり、植え付け時期を早めることが可能です。多湿を苦手とし、乾燥した環境を好むために水やりは表面の土が乾いてから与えますが、葉っぱに水滴がつくことによって株が腐ることや花が傷むことに繋がるため、
葉っぱを持ち上げて根元に与える水やりが適しています。鉢では鉢底に水を入れて与えるのが最適ですが、葉が落ちる品種の場合には休眠期となる時期の水やりの回数は極力控えます。粒状肥料を植え付ける前に混ぜ込みますが、生育の状態にあわせて2週間に1回液体肥料を与えます。この時、液体肥料は水の代用として利用するのも重要です。
増やし方や害虫について
打ち上げ花火のような花を咲かせるレウイシアは多年草であり、手軽に増やすことが可能な植物でもあり、増やし方には株分けとタネ蒔きから手軽に増やすことができます。鉢植えで花を楽しんだ後、鉢のサイズを大きくしたくない場合には株分けが最適で、10月頃の秋口が適期です。寒冷地においてはタネから増やすのが良く、
結実する植物でもあるために採り蒔きしますが、温暖地においてタネから増やしたい場合においては、冷凍庫などで軽く凍結させてから植えることで発芽を促すことが可能です。タネから増やす場合には常緑性では初夏、落葉性では初秋が適期で、凍結させたタネは湿らせたバーミキュライトに置き、タネは土を被せる必要はなく、発芽して植え付けます。
レウイシアは病害虫に弱いデリケートな植物でもあり、株分けで増やす場合には軟腐病や根腐れなどの状態をはじめ、タネから増やす場合には根腐れや葉焼けなどに気を付ける必要があります。スベリヒユ科であるため、害虫にはアブラムシをはじめ、ナメクジやヨトウムシなどが発生しやすいのが特徴であり、
開花する時期にはアブラムシが大量発生しやすいため、予防となる薬剤を散布することや殺虫剤による対策が必要となります。レウイシアの新芽はナメクジなどに食べられてしまいやすく、割り箸などを使い取り除くことが手段の1つです。特に梅雨時期にはナメクジが発生しやすく、過湿の要因を作る粘液によって葉枯れが起きやすいため、対策は必要です。
レウイシア(岩花火)の歴史
スベリヒユ科であるレウイシアと呼ばれる植物は、原産が北アメリカであり学名はLewisiacotyledonで、この学名はSmallcupの意味合いがあり、広がった葉っぱの形状がスープボウルに見えることが由来しています。さらに和名も存在しており、岩花火という名が付けられており、その花の姿が打ち上げ花火に見えることから由来しています。
生息地は高山から亜高山にかけての砂礫地であり、原産の北アメリカには16種もの品種が分布している多年草です。岩花火とも呼ばれるレウイシアには常緑性をはじめ、夏眠性などの品種も存在しており、歴史の中で園芸化の変遷があり、現在ではバリエーション豊富な配色の花色や岩花火に相応しい重弁のものなどの品種改良が進められています。
レウイシアの主な品種には広く栽培が進められているコティレドンタイプである常緑性の岩場に生えたタイプがあり、岩花火もこのタイプに属しています。レウイシアの名前は発見した冒険家であるルイスが由来しており、その他、ピグマエアタイプは夏に自生する落葉タイプであり、レディビバタイプは多肉質の葉を持つ品種で、これらは改良型です。
古来から原産地においては、観賞用として市場に出回る植物でもあり、さらに品種によっては太い根を薬用として、また食用として利用してきた歴史も残されています。その花の香りは芳醇であるため、摘み取った後に乾燥させて匂い袋としてや芳香目的で利用されるなど、古来から特徴を生かした活用が盛んに行われている植物です。
レウイシア(岩花火)の特徴
レウイシア別名を岩花火と呼ぶ常緑性の植物の特徴の1つが、堅くて肉厚の多肉植物を思わせる葉っぱにもあり、その肉厚の葉っぱはヘラ状で円座形のロゼット状に広がり、株を張り約5cmから10cmにそうせいします。3月からの春時期に葉っぱの付け根部分に花芽をつけ、次第に伸びた花芽は桃色や薄紫色の花を咲かせるのが特徴です。
花径は約2cmから3cmで濃い桃色の花はもちろん、園芸種は改良されているために赤やオレンジなどの鮮やかな花色も品種によってあり、その花弁は4個から16個でガクは2個から6個であるのが特徴です。さらに栽培の過程において、地下茎は生育により太く立ち上がり木質化し、打ち上げ花火のような花の後には実が付き、
熟すると種子が散布されるなどの特徴を持ちあわせる植物でもあります。生息地で自生するレウイシアの特徴は、高山植物であるために山地の岩場などで自生しており、流通する品種は寒冷地または山地で栽培されているものが流通また普及しているのも特徴の1つです。岩花火という和名通り、砂礫地や岩場などを生息地としており、
葉っぱは肉厚であるものの、茎は頭上に伸びずに放射状に広がります。岩花火は生態や環境から上記で挙げたようにタイプが3つに分けられる植物でもあるのも特徴の1つです。原産や生息地の環境となる高山地に特化した環境下で栽培するのが適しており、原産地ではいまだに山野草として扱われる栽培法が進められています。
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