ハギの育て方
ハギの育て方
ハギはマメ科とされているので、その特徴でもある根に根粒菌が共生するため、やせ地でもよく育つ性質を持っています。水はけの良い日なたの土壌であれば、問題なく成長し、たくさんの花を開花させます。庭などの地植えには、厳冬期を避けた落葉期の11月から12月、2月下旬から3月中旬が適期とされています。
植えつけ方は、まず株を地際から15cmほどの高さで切り戻します。植え穴を掘り上げた土の3分の1量程度の腐葉土や完熟堆肥などを、元肥として混合させます。十分に水を与えて、根株と土を密着させるのがポイントです。ハギは株が大きくなる性質ですので、隣に木や植物がある場合は1m以上の間隔を取るようにしてください。
また、鉢植えに育てることもでき、夏に乾きすぎない程度の水はけのよい用土が適しています。おすすめは、赤玉土細粒と中粒を同量で混合したもの、または鹿沼土細粒、腐葉土を5対2対3で混合した用土です。鉢植えも地植え同様に適期を守って植えて下さい。
ハギの置き場所や管理
ハギは、日当たりと水はけのよい場所に植えるのがよく、とくに重要視したのが日当たりです。日当たりが悪いと極端に花付きが悪くなることがあり、土壌は多少痩せていても日当りのよい場所で育てるのがよいです。鉢植えも日当たりのよい場所に置き、水切れを起こさないように注意してください。
また、鉢植えは大きめのものを選んで植えつけるほうが水切れの心配がなくよいです。夏の高温の水切れで枯れこむことも考えられるので、土の表面が乾いたら水をたっぷりとあげて管理してください。夏の日照りなどでは地植えなども、水を適度にあげたほうがよいですが、通常は降ってくる雨水だけ十分なので不要です。
また肥料は、根粒菌がつくのでなくても良いのですが、落葉期の2月頃に鶏糞や油かすを根元に少量施すと、春から枝葉の伸びが良くなります。鉢植えでは根につく根粒菌だけで十分ですので必要ありません。ハギには害虫がほとんど見られませんが、新芽などにアブラムシがたまにつくことがあります。
ほかにも、さび病という葉の表面に褐色の斑点ができ、オレンジ色や赤さび色の粉を吹いて葉を枯らすという病気にかかることがあります。風通しが悪く多湿になると起こる病気ですので、剪定の管理は毎年しっかりとしてください。風通しをよくすればほとんど発生しませんが、もし病気にかかってしまったら薬剤などを使って対策するようにします。
ハギの増やし方と剪定
ハギは土壌も選ばず栽培しやすいものです。重要となるポイントというのは剪定です。一番大切な作業といえ、ここを押さえておけば、毎年たくさん花を咲かせることができます。剪定時期は、落葉してから芽が出る前の2月頃が作業の適期としています。植えるとき同様に、株元から10cmから30cmの位置ですべての枝をばっさりと切り戻すのが基本の剪定です。
こんなにばっさり刈り込んで大丈夫かと心配になりますが、ハギは春に新しく伸びた枝の上半分に花を付け、古い枝には花が咲きません。毎年ばっさりと刈り込んで春に新しい枝を出させることが大事となり、これをすることで花付きというのが違ってきます。落葉した枝は切らずに放っておくと寒さに当たって地際まで枯れてしまうので、結局は切ることになります。
そういった意味でも剪定は難しいことではなく、初心者でもとても簡単にできます。株を小さく仕立てたい場合や伸びすぎた枝を短くしたい場合などは6月頃までなら剪定が可能です。それ以降というのは、枝に花芽が付き、花芽ごと枝を切り落とすことになってしまうのでやらないほうが無難です。
花芽が少なくなることで花付きが悪くなるからです。ハギの場合は、あまり刈り込むとハギの魅力である弓なりのしだれなどの樹形を失うことがあります。そういった美しさも大事にしながら剪定してみてください。ハギを増やすなら株分けやさし木がよいです。種付けに成功すれば、たくさん増やして育てることができます。
さし木では、春ざしと夏ざしの2つの方法があります。春ざしは前年の枝を使用します。2月頃に鉛筆より太めの枯れていない枝を20cmに切り、枝の下3分の2ほどが土の中に埋まるよう深めにさします。夏ざしは春に新しく伸びた枝を使います。6月頃に枝を10cmから15cmの長さに切り、水揚げして吸水させた後、枝の下半分が土に埋まるようにさします。
さし木でも良いですが、おすすめは株分けです。ハギの木は、短期間に株が大きくなるなどの理由から株分けしたほうが簡単で確実に増やせるからです。株分けは落葉期にするようにします。
枝をばっさり刈り込んだあとに、根を掘り上げて株を縦に割るような感覚で真上からスコップを付き入れて分けます。ハギの根は浅く広くはる性質があるので深めにスコップを入れると根のダメージが少なく掘り上げられます。それを土に植えて水をやり管理します。
ハギの歴史
ハギの花は、日本人には古くから愛されており、万葉集に最もたくさん読まれている落葉性の低木です。生息地は、温帯、亜熱帯など暖帯に広く分布しており、日本を含む朝鮮、中国などの東アジアなどが原産といわれています。東アジア以外にも北米東部、オーストラリアなどに多くの種がいるとされています。
日本では、万葉の時代から栽培されているものとして、とても親しみのある花です。ハギの名前の由来は、諸説あり、毎年古い株から芽をだすことから「ハエキ」(生芽)という意味から成り立った名前とされ、万葉集では「芽」「芽子」をハギと読ませるなど、この説が有力だといわれています。
ほかにも、枝がホウキに使用されることがあるので、「掃き」(はき)と呼ばれたことに由来しているなどおもしろいです。現在は漢字で「萩」というのが日本では一般的です。そのほかに、学名は(レスペデザ)別名を庭見草(ニワミグサ)初見草(ハツミグサ)鹿鳴草(シカナキグサ)鹿妻草(シカツマグサ)などとたくさんの名前があります。
マメ科のハギの仲間は、アジアとオーストラリアに約40種が分布しますが、日本ではヤハズソウなどの一年草、ネコハギなどの多年草、ヤマハギなどの種が存在します。どの姿もよく似ているものとして知られ、どのハギも花は豆の花に似ています。また、日本の山野に普通に見られるのはヤマハギですが、最も広く栽培されるのが、ミヤギノハギとされています。
ハギの特徴
品種は数種ありますが、どの花も見ために似た特徴を持っています。秋の七草としても知られるハギは、艶やかとはいかないまでも慎ましい素朴な美しさがある花です。マメ科の落葉低木なのでだいたい2メートルくらいの背丈になり、木質化して堅く、上部は分枝して垂れ下がります。その先に花を咲かせる特徴を持っています。
ミヤギノハギは地際から刈り込んでも、翌年には枝を1m以上伸ばすほど生育旺盛で、枝垂れて晩夏から秋にかけて多数の紅紫色の花を咲かせます。先端がしだれてたくさんの花が付くと、秋の風情といったものを感じるなど、日本では古くから愛されている花木といえます。また、各地の山野などに普通に生えていることもあり、荒れ地に生えるパイオニア植物ともいわれ、放牧地や山火事跡などに一面に生えることもあるそうです。
そのためか、どのハギも栽培が容易とされています。秋の花として有名ですが、秋だけではなく、通常は初夏から花が咲くのだそうです。ずっとではなく、間隔をあけて咲くといった感じです。いち早く秋を感じる花として庭木にするのも風情があっておすすめです。
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