コンギクの育て方
育てる環境について
コンギクを育てる環境については、太陽光が良く当たる場所が適しています。その為植木鉢などで育てる場合では、可能な限り日当りの良い場所に置いて育てることが理想的です。ただし激しい暑さとなる夏季の時期に関しましては、明るめの陰地に置くことが望ましくなります。
しかしながら花壇や地植えをしている場合では、移動が不可能である為、その際は園芸用の遮光ネットか日よけのカーテンなどを用いることが得策です。このように夏季の間だけ日陰にすることが、この品種を育てる上での一つのポイントになります。他の季節でありましても、極端に日陰でない場合では育つ場合もあります。
しかし花の咲きに影響が出ることがある為、夏季以外を日陰で育てることは極力避けた方が良いことになります。この為、地植えをする場合では、夏季を考慮して日陰に植えるのではなく、植える場所は日当たりの良い所を選び、夏季の間だけ遮光したい方が適した環境で育てることができます。コンギクは日当たりの良い地植えでありますと、大抵の場合良好な成長を見せてくれます。
また、植木鉢などでの育て方でありますが、用土は園芸用品店で売られている草花向けの培養土を用いることができます。その他、赤玉土や砂を混ぜて腐葉土を加えた物でも育てることができます。その他、粒の小さな赤玉土を七割に対して三割の腐葉土を混ぜても、栽培に適した用土になります。植木鉢などでの栽培ではこのような用土を準備して、後は日当たりの良い場所に置くと良いでしょう。
種付けや水やり、肥料について
種付けや水やり、肥料についてでありますが、まずは種付けの場合、既に枯れたコンギクの花や果実がある場合では、それを軽くすり潰して種をまくことができます。一般的に一つの果実で数十に及ぶ数の種がありますが、サイズ自体が小さいこともあり、感覚で種をまきます。種付けをする季節は、発芽の気温が十五度から二十度前後が適していますから、場所により適した月が異なる場合もあります。
種をまく場合は、市販品の種付け用の用土などを用いることも良い方法です。そして種まき用のポットなどを用意して、その用土にたっぷりと水を与えてから種をまきます。気温が適切な場合、その後七日程で発芽が始まります。更に十日程たちましたら根が絡む前に、別途苗用の容器一つに一輪の割合で移動させます。そしてある程度育ちましたら、その土と一緒に本植え致します。
また、水やりでありますが、発芽までの間は絶えず湿っている状態を維持するように気を付けます。成長して本植えをした後は、土の表面が乾燥致しましたらたっぷりと水やりを行います。地植えで栽培している場合でありますと、晴れ続きでかなり乾いている場合を除き、殆ど水やりは必要ありません。
その他、肥料についてでありますが、植木鉢などで育てている場合では、四月から九月頃までが与える期間になります。その期間は二週間に一度程度の間隔で、液体の肥料を千五百から二千倍程度に希釈して与えます。基本的に肥料の与え過ぎは良くありませんから、与える場合では控え目にすることが肝心です。一方、地植えで育てている場合では、肥料も水やりと同様に殆ど考慮する必要はありません。
増やし方や害虫について
コンギクの増やし方でありますが、この品種では種まきと株分け、そして挿し木などで増やしていくことができます。まず種まきでありますが、用いる種はしっかりと太陽光を受けて健康に成熟した果実で、なお且つ正常な経緯を経て枯れた果実の種を使用することが大切です。
例えば咲いている状態の花を剪定して人為的に枯れさせた物や、日陰で栽培された果実の種では、発芽に至らないケースが見受けられます。そのような場合では、店舗や通信販売などで健全な種を購入するという方法があります。株分けで増やす場合では、新しい芽が出てくる前に行います。
地域にもよりますが二月から三月頃が良く、地中で横に伸びている地下茎をカットして株分けをします。この際、最初の株である親株は、勢いのある芽が出ることはあまり期待できませんので、不要な場合では処分しても構いません。また、植木鉢などで育てている場合では、根詰まりをさせない為にも、毎年二月から三月頃に植え替えることが理想的です。
地植えではその作業は不要ですが、増え過ぎて困る場合では株ごとカットするなど、何らかの対策が必要な場合もあります。挿し木で増やす場合では五月や六月頃、勢いのある新芽を選んでカットして、それを土に挿し込んで育てます。一方、害虫についてでありますが、このコンギクではアブラムシやハダニ、そしてアワダチソウグンバイなどが発生する場合があります。主に三ミリ前後のアワダチソウグンバイが見受けられ、葉裏などで生息して被害をもたらします。
コンギクの歴史
コンギクの原産地は日本であり、日本の固有植物でもあります。元々この品種は山や野原などを生息地として、本州や九州に広く自生していたノコンギクです。そしてその中から色付きの良い物だけを選んで、観賞目的の為に品種改良によって誕生したという歴史があります。
その際の選ぶ基準は、花の筒状花の周りにある舌状花が、濃い青紫色を帯びている物だけを厳選したという経緯があります。その後、改良した品種を株分けなどで増やしてきたとされています。一方、花の開花の時期が秋季でもあることから、俳句で読まれる場合は秋の季語として用いられることもあります。
このようにコンギクは上品で美しい花の姿の観賞を始め、昔の時代から日本人に愛でられてきた品種でもあります。現在でも鉢植えや地植えの他、切り花としても観賞されるなど様々なスタイルで楽しまれており、園芸用の品種として取り扱われています。中には野生化して自然界を生息地としている場合もありますが、その場合でありましても元のノコンギクになることはありません。
本来の野生種である白系統の花の色とは違い、花は濃い青紫色をした改良種のコンギクとして、繁殖を続けていきます。また、この品種の分類はキク科のシオン属であり、学名では「アスター」の名を冠しております。これはギリシア語の「星」という意味でありますが、コンギクの花の形状が放射状の見た目を持っている為、その名称が与えられた由縁になっています。
コンギクの特徴
コンギクの特徴は、美しい青紫色をした花の色にあります。この青紫色の部分は花全体ではなく、放射状に開いた舌状花の花びらの部分です。また、この品種には銘柄によりまして、青紫色以外にも紅紫色を帯びているタイプもあります。そして中心部分の筒状花は黄色であり、舌状花の青紫色共々とても綺麗な色合いを見せています。
花のサイズは概ね二、三センチ前後となることが一般的で、その花は茎の先端部で開花します。そして花が咲き終わった後にできる実は、成熟後も裂けて開くことはありません。また、全体の草丈は六十センチほどであり、場合によりましては一メートルに達することもあります。葉の形状は披針で、長い楕円の形状をした葉が交互に生える互生形式で生えています。
更に葉の縁はノコギリ状になっており、緑色の葉の表面と葉裏には短い毛も生えています。その為、指で触った場合ザラザラとした感触があり、この品種の葉の特徴でもあります。その他、茎の特徴はあまり曲りくねることはなく、比較的真っ直ぐに伸びて、分岐も多く見られることが特徴です。植物としての性質は多年草であり、耐寒性にも優れた能力を備えています。
寒い冬の季節はロゼットの形態を見せて越冬することもあり、葉を広げて耐寒性を増し、太陽の陽射しもより多く受けられるようにして冬を越します。更にこの品種は耐暑性にも優れていますので、園芸の初心者でありましても、比較的栽培し易い存在になります。更に開花の期間も比較的長めである為、園芸や盆栽などでも重宝するという大きな特徴があります。
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