コマツナギの育て方
育てる環境について
コマツナギの育て方としては、同じ系統のハギやニワフジといった有名な植物の育て方と全く同じです。用土を気にする人もいますが、用土はどのようなものでも問題ありません。たとえば、ホームセンターで販売している草花用の用土でかまいません。石灰を混ぜたり、バーク入りの腐葉土を混ぜたりする必要はありません。
園芸点で販売されているもので十分です。むしろ、いろいろと工夫をしようとして、肥料を与えすぎないことが肝要です。特に、窒素系の肥料を多く与えすぎると、葉が茂るのですが、花は咲きにくくなります。また、日当たりの良いところにおいてあげることが、育成上、大切なのですが、乾燥には注意が必要です。土の乾燥には弱い性質なのです。
その点は注意した方が良いです。栽培用でなく野生で自生している場合でも、真夏の時期に日当たりの良いところにいるものは、葉がしおれています。これはよく見られる傾向ですので、葉がしおれたりしないように、水をたっぷりとあげたり、日あたりのよすぎるところを避ける工夫が必要です。これは鉢植えの場合も例外ではありません。
夏場は特に水の管理に気をつけて、土の表面が少しでも乾いたと思ったら、たっぷりと水を与えましょう。このとき水を与える量の目安は、鉢底から水が出るまでです。夏場にたっぷりと水をあたえると、その分だけすくすくと成長してくれるのがコマツナギです。あとは、周りの害虫などを取り除くくらいです。
種付けや水やり、肥料について
栽培方法としては、日当たりが良くて風通しの良い場所に安置することが大切です。場所を決定すると、次は肥料です。肥料については、窒素系の肥料は使うべきではありません。窒素系の肥料を使うと、コマツナギはどんどん生長するのですが、葉っぱが多くなるだけで、花が咲かないわけです。
そのため、肥料は特別なものでなく、ホームセンターなどで売っている用土を使って問題ありません。用土にも工夫をしたい人は有機質の肥料を使うと良いでしょう。そうすると花がつきやすくなります。ただし、花がらをこまめに除去することが大切です。それを継続していくと、新しい花がつきやすくなります。これは病気対策にもなります。
適度に日光が当たると、人間もそうなのですが、病気にかかりにくくなります。水やりについては、たっぷりと与えることが重要です。乾燥に非常に弱い植物なので、水をたっぷりと与えることが肝要です。種付けについては、蝶やハチを代表とする昆虫が受粉活動に役立ってくれるので、密生させて育成しておけば種付けが問題なく行われます。
蝶の代表例で言うと、ミヤマシジミが挙げられます。この蝶は幼虫時代にコマツナギの葉を食べて育ちますので、関東地方や中部地方であれば、この蝶は生息しているので、自然に受粉が行われます。それでも、自然に任せることが心配な場合は、挿し木を行うことが効果的です。挿し木を行うと、しっかりと増えていって栽培することができます。
増やし方や害虫について
増やし方については、挿し木が効果的な方法です。挿し木は、植物を増やす方法として最も有効な方法のひとつです。挿し木のやり方は、そこまで難しいものではありませんが、この植物は非常に根が弱いです。根に損傷を与えてしまって枯死することも、珍しくありません。そのため、いかに増やすかということも大事ですが、いかに減らさないかという視点も、非常に大切です。
具体的に言いますと、鉢植えの場合も地植えの場合も、いずれの場合も植え付けにはくれぐれも慎重を期して行ってください。前述したように、根が非常に弱いので、できれば植え付けの際は根土ごと採取する方が無難です。なお、植え付けの時期については春先の3月や4月頃を目安に行うことが一般的です。
増やし方については以上ですが、次は害虫について書いていきます。日当たりがよくて風通しの良いところに安置していると、害虫はあまり寄り付きません。それでも、アブラムシなどが寄り付いてきたら、牛乳や薬剤を散布することで除去しましょう。特にアブラムシは産卵活動も積極的に行うので、あっというまに大量発生してしまいます。
点滴としてテントウムシを何匹か飼っておくと、アブラムシを食べてくれますので、害虫対策のひとつになります。害虫の中には、茎葉を食べて植物に悪影響を与えてしまうものがあります。その一方で、根の部分を食べてしまうものもあります。それぞれのやり方で食害するので、早急な対策が必要です。
コマツナギの歴史
コマツナギはその名前からして、日本原産の植物であるとわかります。コマツナギという名前の由来ですが、その姿が馬の手綱をつなぐのに良いからというのが有力な説です。また、この植物はマメ科であり、馬をはじめとする家畜が非常に好む飼料であり、馬がこの植物の近くにいくともう離れられなくなるということから、
この名前が付けられたとも言われています。カタカナで書くと、わかりにくいですが、漢字では「駒繋」と書きます。駒というのは馬のことですから、「馬が繋がれる」という意味です。いま現在では、前者の説が最も有力になっています。この植物は背丈が高く40センチから80センチまであり、マメ科コマツナギ属の落葉小低木に分類されています。
「木」に分類されているので非常に頑丈です。また、非常に背丈があることからも、馬の手綱をつなぐのに非常に有効でした。そのため、古くから人々の生活に密着した形で使われていたことがわかります。ちなみに、このコマツナギとよく似た種類のものがあります。同じマメ科に属するハギと呼ばれる植物です。
ミヤギノハギやマルバハギなどいろいろ種類があるのですが、花の色や葉の形が非常に酷似していて、昔から区別することが難しかった植物です。昔の人は、葉のつき方が微妙に異なるので、その違いから判断することができました。その違いは簡単に言うと、葉の数です。コマツナギは3枚複葉なのに対して、ハギ系の植物は10枚前後あります。
コマツナギの特徴
コマツナギの特徴を書いていきますと、まずはその生育地は、北海道を除く日本全国になります。すなわち、本州、四国、九州が分布地域です。そうした地域の中でも、原っぱや土手などの場所がお勧めです。要するに、日当たりのよいところに自生しています。逆に、湿った場所はあまり好まず、乾燥気味の土地を好みます。
姿かたちについては、茎は細くて色は緑色です。茎から数多く分枝しているのも特徴的です。背丈については、低いものであれば40センチ程度ですが、高いものであれば1メートルにまで達するものがあります。葉のつきかたについては、基本的には3枚で1セットになっています。丈夫さについては、非常に頑丈です。
これは名前の由来が「駒繋」という漢字で書かれていることからも明らかです。つまり、馬を繋げるくらい頑丈だということ丈夫だということで、コマツナギという名称が与えられています。他の生き物との関係性については、ミヤマシジミという蝶との関係が非常に独特です。それというのも、ミヤマシジミという蝶は、
コマツナギのあるところだけにしか生きることができない稀有な蝶だからです。つまり、ミヤマシジミの幼虫はコマツナギの葉を食べるのですが、この幼虫はほかの植物の葉を食べません。このミヤマシジミの生息地は、コマツナギの生息地といっても過言ではありません。したがって、ミヤマシジミの生息地は、関東から中部地方と、生息地が重なっています。
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