カカオの育て方
育てる環境について
そんなカカオを育て方はどのようなものなのでしょうか。食物として利用価値が高いので、大規模な栽培が行われているのは言うまでもありませんが、日本に住みながらにして自分で栽培することも可能です。既にビジネスとして確立されている感があるので、自分で育ててもお得とは言えませんが、やはり最初から育ててその経過を楽しむことはできるわけです。
ただ、どこでも育てることができるというわけではなく、アフリカが盛んな生息地であることからもわかるように、暖かく湿度の高い場所で育ちやすいという特徴を持っています。起源から始まり、長い年月で多くの国に栽培が広がっているわけですが、いずれも赤道ベルト地帯で、温かい気候が育てやすい環境にあるようです。
ただ、日本でもカカオの栽培をしている人はいるようで、インターネットで探すとすぐに見つけることができます。やはりチョコレートに使うために育てている人が多いようで、それほど熱くない日本では、他の花と違い、どこでも簡単に育てるというわけにはいかないようです。国内で言うならば、やはり栽培に適しているのは沖縄で、
その他では温泉の熱を利用したりとユニークな方法で育てている方もいらっしゃるようです。住んでいる地域の気候は変えられないので、育てるのは難しい場合もありますが、大規模に栽培をしようとしなければ、何かしらの工夫をすることで不可能ではないものと言えます。世界的には栽培が盛んですが、それでも供給がなかなか間に合っていないということも聞きますので、自分で育ててみるのも興味深い経験になるのではないでしょうか。
種付けや水やり、肥料について
ただ、カカオの種付けから始まり、水やりや肥料のことまで全てを自分でやるには色々な問題があるのも事実です。技術的なことよりも、前途のように気候の問題が一番大きいのではないでしょうか。食材として活用する場合でも、種から育てるというケースはあまりないようで、国内であればより良い種を輸入することに力を注いだ方が効率的です。
もちろん、栽培が不可能であるわけではありません。具体的な数字を上げると、カカオを育てる為に必要な環境は、赤道に近い年間の平均気温が27度程度の高温多湿な場所と言われています。この環境を日本で作るには、ビニールハウスによって温度や湿度を管理する必要があります。また、直射日光に弱いということも把握しておくべきです。
暑い所で育つので、強い太陽の日差しが必要であるかのように錯覚してしまいますが、日陰でないと実がつかないというやっかいな条件を持っています。このように、カカオを育てる場合には、日常の生活で日々やることを実践するというよりは、育ちやすい環境そのものを作ってあげることが基本となります。
どちらが面倒と感じるかは人によって違うでしょうが、環境は作り出すこと自体が難しく努力ではどうにもできないことが多いので、この点が乗り越えるべき一番の壁と言えるのかもしれません。水やりは幹・葉を濡らすことなく鉢にたっぷりと与え、肥料は年2回ほど市販のもので充分ですから、特別な技術が必要というわけではありません。
増やし方や害虫について
植物を育てる時にやっかいなのが、害虫から守ることです。これについてカカオはどうなのでしょうか。前途のようにカカオの実は、硬い外壁に覆われているので虫が入り込む隙などないと思うかもしれません。しかし、実際には害虫の被害があり、生産量が激減したという事例もあります。
これは、実が若い段階から幼虫が入り込んでしまうことが原因で、殺虫剤をまくだけでは効果が得られないというケースもあります。対策としては、品種改良を行ったり、実に袋を被せるなどの対策がありますが、一朝一夕でできるものではありません。また、害虫の被害以外にもカカオを増やす邪魔者となるものがあります。それが日光です。
実際に大規模に栽培する場合には、数年がかりの作業になることもあります。つまり、最初にバナナや他の農作物の植え付けを行い、翌年にカカオを植えるわけです。これによって前の年に植えた他の農作物によって日陰を作る環境が出来上がります。このように、カカオを増やし害虫からの被害を受けない為には、様々な工夫が必要になります。
古くから親しまれている植物ではありますが、過去に生産量が大幅に減ったという事例もありますし、それによって生産地を変えてきたという歴史もあります。技術が発達した現代でも、前年は実がなったのに、次の年は実がならないというような問題に直面している農家もあるようで、その増やし方を徹底するには、品種改良や栽培法の確率など様々な課題があると言えます。しかし、人々の需要があるのは確かで、今後の発達がますます期待される植物と言えます。
カカオの歴史
カカオと言えばチョコレートの原料というイメージが強いですが、その歴史はどのようになっているのでしょうか。調べてみると、原産地は熱帯アメリカでその歴史はとても古いことがわかります。ただ、現代のようにチョコレートなどの食物の原料として使われていたわけではないようです。
利用はじめたのは紀元前1900年頃と言われていますが、その存在は貴重だった為、通貨として使われていました。その後、コロンブスがスペインへ持ち帰り、砂糖を加えてチョコレートとして利用する方法が広まるようになります。この頃も、チョコレート自体が貴重なものだった為、上流階級の人を中心に楽しむことができる食材でした。
その後、チョコレートだけではなく、ココアという飲み物としての楽しみ方も広がり、その栽培地も広がっていくことになります。今考えると、カカオはアフリカでの栽培が盛んというイメージがありますが、これは1800年代に病害により生産が激減し、アフリカへ生産拠点が移ったことが影響しています。
世界各地に栽培地が広がっていくに従い、一般の人にも楽しむことができるようになり、今に至っています。今では、コンビニでチョコレートを見たところで、その貴重性を感じることなんてありませんが、歴史的には人間との結びつきが強く、
特に嗜好品として楽しむために活躍する材料と言えます。ただ、健康志向が強い今でもチョコレートは人気ですし、最近ではカカオの濃度が表示されたものも販売されています。楽しむものとあるのと同時に健康にもプラスになる原料と言えます。
カカオの特徴
そんなカカオの特徴はどのようなものなのでしょうか。前途のように、チョコレートの原料として使われるので樹そのものよりも、果実の方が注目されることが多いです。果実は楕円形のラグビーボールのような形をしており、横に溝が入っていること似ています。一般的には赤っぽい色をしていますが、品種によっては黄色くなるものもあり一概には言えない部分もあります。
特徴としては、殻が硬く1センチ以上もあり、全体の大きさが20センチ弱であることを考えると、かなり丈夫な外壁に守られていると言っていいでしょう。中は5つに分けられていて、卵のような形をした種子が入っているのですが、それが白い果肉に包まれています。食物の原料として栽培されていることが殆どなので、あまり注目はされませんが、花も咲かせます。
確かに花もきれいなのですが、やはり周囲にある実のほうが気になってしまいますし、他の花に比べて、それほど色が濃くなく目立たない印象は否めません。鑑賞を目的とする花畑やフラワーフェスティバルのイベントは日本各地で行われていますが、カカオの話を聞かないのは、やはり観賞用としては、魅力を感じる人が少ないのかもしれません。
もしも、観賞用としても人気が高ければ、実を食材に活用し、花は観賞用にイベントを行うなどの活用法もあったのかもしれませんが、そう都合よくいかないのは世の常と言えるのかもしれません。ただ、種類はひとつではなく色々な種類があるので、一概に言えない部分はあります。
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