オギの育て方
育てる環境について
ガーデニングの一環として荻を育てる場合は、台湾荻のように、生命力が強く育てやすい品種が向いています。台湾荻は園芸店で苗が購入できて、観賞用にも適しています。名前の通り、原産地は台湾です。通常は湿地で育つ植物ですが、台湾荻の場合、それほど場所を選びません。水辺ではなくても成長します。園芸初心者でも比較的育てやすい品種です。
育つ場所をあまり選ばないせいか、盆栽や鉢植えにすることも可能です。実際に多くの人が、鉢植えなどの小さな場所で栽培し、その風情を楽しんでいます。盆栽では、下草の一つとして栽培する人も多いです。育てるのに最適な環境として、基本的には風通しの良い日向が向いています。しかし半日陰や室内でも栽培できます。
初めて育てる時は、一番適しているとされる、日当たりの良い場所を選ぶのがおすすめです。その後慣れてきたら半日陰や室内で試すというのも、失敗しないための一つの手段です。育てるための気候も、特には選びません。全国どこでも、大抵の場所で育ちます。夏や冬の対策だとかを細かく気にしなくても良いので、気候対策の手間が省けます。
きちんと育てると、秋には河原の風景と同じように、白い穂を付けた姿を見ることが可能になります。成長すると河原で自生している物と同じように、丈がグングン伸びます。鉢植えなどで育てる場合は、あまり大きくなり過ぎないよう、手入れをすることが重要です。しかし時にはわざと丈を伸ばし、枝垂れた状態を楽しむこともあります。
種付けや水やり、肥料について
台湾荻は、園芸店で苗を購入して鉢植えで栽培するのが、一番容易な育て方です。全体に山野草は種からも育てられますが、初心者は苗から育てるのがおすすめです。植木鉢なら移動も楽なので、日陰に入れたり屋内で観賞したり、様々な場所で楽しむことが出来ます。荻はもともと湿地を好む植物です。
そのため、できるだけ水やりはしっかり行い、適度に土が湿っている状態を保つことが望ましいです。実際に鉢植えで育てている人は、土には常に水気がある状態にしています。水気がいつもある状態だと、すくすくと元気に育ちます。どんな植物でも、一番適した環境を用意することが重要です。
特に山野草は、本来自生している場所に近い環境を整えることが成否のカギを握ると言っても過言ではありません。荻を育てる時は、自生している湿地らしい環境を作るのが一番です。そのため、水は多めにしっかり行うことが肝要です。山野草の中には、高温や直射日光が苦手な物もあります。
しかし台湾荻の場合、原産地が台湾ということもあり、日光や高温に比較的強い植物です。むしろ水が枯れることによる乾燥に注意した方が良いです。一日二回以上の水やりをするか、鉢植えの場合は下に水を入れたトレーなどを置き、一日中湿らないようにするという手もあります。育てている場所によっても水やりの量や頻度は違うので、
見極めが大切です。園芸店では、山野草向けの培養土も市販されています。どんな土や肥料を使えばよいか悩んだら、とりあえず市販の山野草培養土を使ってみるのも良いでしょう。水はけが良いうえ保水性にも優れた赤玉土や鹿沼土、ゼオライトなどが配合されていて、すぐに使用できます。
増やし方や害虫について
荻は丈夫で、比較的病害虫には強い植物です。山野草の中には、ちょっとした気温の変化でも病気になってしまう繊細な植物が沢山あります。しかしその点、荻はあまり心配しなくても良いでしょう。ただ、湿地を好むという性質から、乾燥させ過ぎると弱ってしまい、枯れたりしてしまう可能性があります。
荻は根茎から生えてくることもあり、増やす時はあらかじめ取っておいた根茎を土に撒き、その上から軽く土をかぶせておくという方法があります。春先に作業を行い、根が上手く張ればその年の夏には成長し、秋には群れて風にそよぐ姿が見られます。実際に河原では、用意した一画に沢山の根茎をまく方法で、荻を増やす試みも行われています。
開発が進んでしまった場所に、かつてのような荻が広がる姿を取り戻そうという計画の一環です。実際に荻は、人の手があまり入ってない所に自生しています。荻を復活させるということは、開発前の姿を取り戻すことでもあります。しかしこの方法は、河原など規模の広い場所で行うやり方です。
台湾荻などを家で観賞用として育てる場合は、河原のように増やさなくても風情を感じることが出来ます。鉢植えの場合は穂が枯れた後、切り戻しと言う方法で翌年に備えることがおすすめです。一旦茎を切ってしまうことで、また新たに成長が始まります。枯れた葉もこまめに取り除き、育ちやすいようにしておきます。枯れた後の処理をきちんと行うことで、再び元気に成長して、風情ある姿を見せてくれます。
オギの歴史
イネ科ススキ属のオギは、古くから日本と関わりのある植物です。原産は東アジアで、主な生息地の一つが日本です。ススキとよく似ているのですが、生息地や穂の状態が異なる別の植物です。しかしススキと同じように、もともと日本に自生していた植物だということもあり、文献にも早い時期から登場しています。
漢字では荻となり、古い文献には漢字で記載されています。最古の歌集である「万葉集」にも、すでにその名は登場しています。いずれも川辺や浜辺に荻がそよぐ情景を詠んでおり、古代の歌を見れば、荻の自生地がどんな場所か、おおよそ分かります。実際の所、河原などの水辺によく見られ、湿った場所を好む植物です。
おそらくは古代人も、水辺で荻の穂がそよぐ風景を、当たり前のものとして見ていたのではないでしょうか。実用面でも、荻は日本人と深く関わってきました。昔の住居形態の一つとして知られている、茅葺屋根の材料でもあったからです。茅葺屋根の材料はススキ、チガヤ、カリヤスなどいくつもありますが、
基本的にはイネ科に属する、茎が硬い植物を使用してきました。より湿地を好む葦もその一つです。茅葺屋根に使われる材料は住居の屋根なので、雨や雪に耐えられる物が好まれます。その点荻は、水をはじき、長持ちするという性質を持っているので、
茅葺に適した植物でした。しかし茎がかなり固いこともあり、単独で茅葺の材料として使われることはあまりないようです。また、入手が難しい地域では、使われない場合もありました。ただし入手可能な地方では、他の材料と織り交ぜることで、荻の持つ長所を生かした屋根が伝統的に作られてきました。
オギの特徴
ススキとよく似た荻ですが、ススキとははっきりと違う特徴がいくつかあります。まず挙げられるのが、ススキよりも湿気のある場所を生息地としているという点です。ススキは乾燥している場所でも湿地でも、多くの場所で見ることが出来る植物です。水辺から遠い場所でもよく自生しています。
しかし荻は、ススキのように乾燥した土地に生えることはありません。必ず水気を帯びた湿地にあります。葦はさらに、川べりでも水に浸かったような場所に生えます。荻の場合、葦ほどは水に浸からないけれど、水気のある湿地に自生しています。よく観察してみると、穂の状態もススキとは違います。
荻の穂はススキよりも白っぽく、毛が多いので全体にフサフサしています。触った感触も、ススキよりは柔らかく心地良い感じがします。ススキは束になって生え、株を作ります。荻の場合、株はつくりません。その代わり、根が横に広がって成長します。横に広がった根から茎が伸びていくので、大規模な群れをつくることがよくあります。
秋ごろに河原などの水辺で、ススキに似た植物が広範囲で群生している風景を見たことがある人も多いのではないでしょうか。その風景を生み出しているのが荻です。近くで茎を見てみると、より違いが分かります。茅葺屋根でも丈夫で長持ちする材料として使われてきた荻の茎は、
見た目上もしっかりと丈夫で、実際に触ってみても固いです。茎の部分は、細い竹のような雰囲気を持っています。花の時期には葉が落ちるという特徴もあります。一見ススキと同じように見えますが、いくつかの違う点があり、それぞれが別の植物だということが分かります。
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