オオガハスの育て方

オオガハスの育て方

オオガハスは2000年以上も昔の種から発芽した古代のハスです。「世界最古の花」として知られ、世界各国に友好の証として贈られています。また千葉県の天然記念物、千葉市の花にも指定され、千葉公園のハス池では毎年美しく咲き誇る姿が見られます。

育てる環境について

ハスの育て方で最も大切なことは、十分な日光に当てることだと言えます。ハスは日当たりを好むので、できることなら一日中直射日光が当たる環境が適しています。少なくとも半日以上は太陽の光を浴びないと、花が咲かないことがよくあります。池に植える場合は立地条件が大切です。

大きな鉢などで育てる場合も、常に日の当たる場所に置くよう注意する必要があります。また鉢植えにするなら、なるべく大きな容器を使うことがポイントです。鉢が小さいことが理由で花が咲かないこともあるからです。とりわけ夏場には、土の上に大量の水を張らなければならないので、なおさら大きな鉢が必要です。

さらに秋以降は、地下茎が肥大して土が盛り上がることも計算に入れなければなりません。ハスは秋から冬の休眠期にかけても、日光と水を絶やさないようにすることが大切です。基本的に耐寒性が高い植物なので、日光と水さえあれば屋外で冬越しさせることも可能です。しかし地下茎が凍ってしまうと枯れる可能性があるので、寒冷地では配慮が必要です。

また水が不足すると病原菌が繁殖し、地下茎が侵食されることもあります。くれぐれも水の補給を忘れないでください。種を秋に蒔いた場合は、芽が寒さに弱いので、冬越しさせるときは屋内のほうが望ましいでしょう。ただし温室で育てると、冬の間も成長を続けます。普通は種から開花するまで3年以上かかりますが、温室なら2年で咲くことも考えられます。

種付けや水やり、肥料について

ハスは主に株分けで増やしますが、種から育てることもできます。オオガハスの種は2000年も耐えるほど硬い皮に包まれていて、そのままでは発芽しにくいので、ヤスリやコンクリートで表皮を削ってやる必要があります。その際には胚芽を傷つけないよう注意して、白い薄皮が見える程度まで削ります。削った種は発芽するまでコップなどの水に沈めておきます。

根が5cmほどまで伸びてきたら、鉢の土に植えて日当たりの良い場所に置きましょう。ハスを植えた土は、常に水中に隠れている状態にします。水深は10cm~30cmが適当です。鉢植えの場合、水が少ないと温度が上がりやすいかわりに、冬場には凍結しやすくなります。反対に水が多いと温度が上がりにくくなります。

一長一短なので、場合に応じて深さを決めてください。古くなった水は入れ替えても構いませんが、いきなり冷たい水を与えるのは良くありません。一日ほど汲み置きしておいて、ある程度温まった水を使うようにしましょう。また早朝に上からジョウロなどで水をかけると、酸素の補給にもなって好都合です。

肥料は植え付けの際に、緩効性の化成肥料を与えます。また葉が出はじめてから枯れはじめるまでは、毎月1回ほど追肥を行ないます。窒素・リン酸・カリをバランスよく含んだ配合肥料が適当です。肥料過多になると根腐れを起こすこともあるため、肥料の分量はやや控えめにし、回数を分けて与えることがコツになります。

増やし方や害虫について

オオガハスの植え付けや株分けは、成長期が始まる2月下旬から3月上旬までが適しています。根茎や新芽を傷つけないように掘り出し、3~4節ごとに切り分けて、新しい用土に植えつけます。このとき根が乾かないよう注意してください。時間がかかりそうなときは、濡れた布で包んでおくなどの配慮が必要です。

芽を上向きにして3cmほど土に埋め、根に直接触れないよう元肥を与えて、10cmほど水を張ります。その後は日当たりの良い場所に置いて、水温が下がらないように気をつけましょう。容器で栽培する場合、毎年花を咲かせたければ、毎年株分けと植え替えをすることが肝心です。また容器が小さいと花も小さくなりがちです。

植え付ける用土に最も適しているのは田んぼの土です。一般には肥沃な粘土質の土が適当とされています。田んぼの土が手に入らないときは、やや粘土質の土に腐葉土を2割ほど加え、土壌の酸性化を防ぐため、苦土石灰か草木灰を少量混ぜたものを使用します。それぞれの土を十分に混ぜてから植え付けましょう。水はけの良すぎる土は適当ではありません。

ハスは病気には強い植物ですが、根が乾燥すると腐敗病に冒され、地下茎や葉が腐ってしまうことがあります。これを防ぐためにも、水を切らさないようにすることが大切です。また葉が褐色になる褐斑病が出ることもあります。症状が出た葉はすぐに取り除きましょう。このほかアブラムシが発生やすいので、被害が拡大しそうなら殺虫剤を散布します。

オオガハスの歴史

オオガハスは2000年以上も昔の種から発芽した古代のハスです。「世界最古の花」として知られ、世界各国に友好の証として贈られています。また千葉県の天然記念物、千葉市の花にも指定され、千葉公園のハス池では毎年美しく咲き誇る姿が見られます。ハスの仲間は熱帯から温帯地方の湿地を原産とします。

生息地はアジアの広い範囲とオーストラリア北部、それに北アメリカです。ハスの仲間に限らず、植物は多くの場合、自然のままの環境で育つと自然交配が進み、次々に新しい品種が生まれてきます。そのような中で、2000年のあいだ交配がなかった種類というのは珍しく、オオガハスが貴重なものとされる所以になっています。

オオガハスは千葉県花見川下流の落合遺跡で発掘されました。この遺跡は1940年代後半から発掘調査が始められ、1951年には、遺跡から3粒のハスの種が掘り出されます。植物学者の大賀一郎博士が種を育てようと試み、3粒のうち1粒だけが花を咲かせました。花はオオガハスと命名され、海外にも報道されて有名になりました。

その後、放射性炭素年代測定によって、ハスの種が2000年以上前のものであることが確認されています。古代のロマンを現在に伝えるオオガハスは、今では各地に種や株が分けられ、公園や寺院の池を彩っています。販売している園芸店もありますが、自然交配しやすいという特徴があるため、2000年前の遺伝子を保っているかどうかは不透明です。

オオガハスの特徴

ハスは花を咲かせるとき、大きな花托をつくるのが特徴です。花が散った後、花托は果托となり、黒くて硬い皮を持つたくさんの種子を生じます。この様子が蜂の巣に似ていることから、ハチスがハスになったという説があります。古代ハスの果托はドライフラワーなどとしても楽しまれています。

ハスは地下茎を伸ばして横へ成長し、茎や葉を水面から出して光合成します。秋になると成長が止まり、地下茎に養分を蓄えて塊茎となります。これがいわゆるレンコンです。ただしハスの仲間は、もっぱら食用にされる種類と花を楽しむ種類に分かれます。食用種は蓮田で栽培され、収穫されて食卓に上りますが、鑑賞種は塊茎があまり大きくならず、蓮池や鉢植えなどにされるのが普通です。

ハス属の植物には、ヌシフェラ種とルテア種の2種類しかありません。一般にハスといえばヌシフェラ種のことで、アジアやオーストラリアを原産とし、ピンクや白の花を咲かせます。ルテア種はキバナバスと呼ばれ、文字どおり黄色い花をつけます。原産地は北アメリカです。学説によってはハスをスイレンの仲間に分類することもありますが、

スイレンはハスとは異なる特徴を持ちます。ハスは主として地下茎で増えますが、スイレンは種で増えます。ハスの花は早朝に開き、昼には閉じます。スイレンは昼間あるいは夜に咲きます。スイレンの葉は水に浮かびますが、ハスの葉には水をはじく性質があって、必ずしも浮かぶとは限りません。

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