ラベンダーの育て方
ラベンダーの育て方とは
ラベンダーは日当たりの良い場所で育てるのが良いです。これは日照不足になってしまうと花の付きが悪くなってしまうためです。鉢植えで育てている場合は梅雨時から夏にかけては高温多湿になりがちなので風通しの良い場所へ移動して置いておくといいでしょう。
暑さにはあまり強くないのですが、冬は0度ほどあれば越冬させることが可能です。イングリッシュ系の品種であれば耐寒性により優れていますので、マイナス15度ほどの寒さがあっても越冬することができます。水は土が乾いた頃にたっぷりと与えるようにするのが良いです。
肥料を植え付けをする時に混ぜ込んでおくことで、あとは年に1度9月に追肥を行なうだけですみます。肥料は全く与えないと花が咲きそろわないことがありますので、最初にしっかりと与えておくといいです。地植えの場合は植え替えなくてもいいですが、植え付けをする時には水はけの良さを求めて山高に土を盛り上げて植えつけるのが良いでしょう。
鉢植えの場合は育つにつれて鉢が窮屈になってきますので年に1度くらい一回り大きな鉢植えに植え替えてあげると良いでしょう。植え替えは3月から4月頃にかけて行なうのが良いです。
またラベンダーを初めて育てる方は品種選びにも一工夫しておくのがいいです。冬はともかく夏には弱い面もありますので、ラベンダーを育てるのに慣れるまでは暑さにも比較的強いラバンディン系などを選択するのが良いです。
栽培する上でのポイントとは?
葉が茂ってくると風通しが悪くなってしまうのですかし剪定を行います。梅雨に入る前に込み合っている場所の枝をある程度カットしたり、枯れているものなどはマメに片付けるなどするといいです。あとは花穂の切り落としもしておくといいでしょう。
花が満開になる前にしてしまうのがコツで、満開になってしまうと株を消耗させてしまいますのであまり良くありません。開花によってエネルギーを使った後は夏に衰弱してしまう恐れもあるので、夏にむけて株の体力を温存させるためにも花を早めに切り落とします。
切り落としする場所は花穂から2節ほど下の部分です。葉の上ぎりぎりの位置でカットします。これはワキ芽を出させるためです。ワキ芽はすぐ下にある葉の付け根から伸びてきます。この他にすることは刈り込み剪定です。
株元から3分の2辺りの位置で全体を丸く刈り込んでおくことで開花時期になると花がたくさん咲きそろいます。行なう時期は品種によって多少違い、イングリッシュ系とラバンディン系は冬から早春にかけて、フレンチ系は晩秋、デンタータ系は初秋から中秋あたりが目安です。
病気はウドンコ病、害虫はアブラムシがつきやすいので注意しましょう。ウドンコ病は葉や茎が小麦粉のような白い粉で覆われてしまう病気で、風通しの悪さが原因でなります。アブラムシは葉や茎、つぼみなどにくっついて汁を吸う虫です。
見つけたらすぐに退治しましょう。薬剤などもありますが、アブラムシは手でスッとなぞるだけでも取れますから下に落とさないようにして始末してしまうと良いです。アブラムシは1匹が何百という幼虫を生みますのであっという間に増えてしまうので、早めの対処が重要です。
種付けをして育てることはできるのか?
ラベンダーは挿し木で増やすことができます。5月から6月もしくは9月から10月頃が適している季節で、元気そうな芽を10cmほどにカットし、挿し木にします。この時、土の中に埋まる分の茎についている葉は全部とってしまいます。
そしてもちろん種まきをして増やすことも可能です。ただ種は発芽しにくいので少し育てるのが難しいです。発芽するまでは2週間ほど必要ですので、それまでは乾燥しないように気をつけてあげましょう。ただし発芽させるためには一度一定の低い温度にあてる必要があります。
また種まきから育てるのが難しいといわれる理由に種から育てた品種は品質にばらつきがあり、香りも想像していた通りのものにはならない可能性が高いということは承知しておく必要があります。
ラベンダーは種類によっていくつかのグループに分けることができます。精油に最も適しているグループはラヴァンドゥラ・グループで、このグループはスパイスラベンダーと呼ばれることもあります。カナリア諸島、アフリカ北部、スペインからトルコ、中東などに自生しているのがストエカス・グループです。
このグループは花穂のてっぺんに紫や白の苞葉を数枚出すのが特徴です。カナリア諸島、アフリカ北部、スペインに自生しているのがデンタータ・グループで、葉のフチに細かいギザギザが入るのが特徴です。
四季咲き性の性質を持つものが多いのがプテロストエカス・グループで、葉は細かく切れ込みがあります。耐寒性はあまり強くありません。ラベンダーの花言葉はけっこうあり、あなたを待っています、繊細、清潔、優美、許しあう愛、期待、幸せが来る、沈黙などがあります。
ラベンダーの歴史を知ろう
ラベンダーはシソ科の植物で、精油などにもよく使われています。実はこのラベンダーの精油はなんと古代ローマ時代から使われていることがわかっています。古代ローマ人は洗濯物に香りをつけるためやお風呂の香り付けに使っていました。
ラベンダーという名前が使われるようになったのは中世に入ってからで、イタリア語の洗うという意味がある言葉laverが語源だといわれています。古代ローマ時代の医師の著書には煎じ汁を肺疾患や解毒作用のあるものとして利用していたと書かれています。
14世紀始め頃になるとローマ兵士からイギリスへ持ち込まれたラベンダーは修道院の薬草園によく植えられるようになりました。またチャールズ1世の王妃はラベンダーの花を刻んで粉砂糖と混ぜ、ローズウォーターでペースト状に練ったお菓子をよく食べていたといわれています。
原産地や生息地は地中海沿岸とされていて、フランスのプロヴァンスが特に有名です。第二次世界大戦の折にもラベンダーの優れた殺菌消毒や鎮痛作用はおおいに利用され、軍医が負傷兵の治療のために使っていました。そして、やがてラベンダーは家庭の庭でも植えられるようになったのでした。
日本にラベンダーが渡来したのは江戸時代末期のことでしたが、当時はほとんど普及することがありませんでした。国内で栽培が始まったのは昭和12年のことで、フランスから輸入した種子を使い、日本各地で栽培し始めたのがはじまりだといわれています。
ラベンダーの特徴
草丈は30cmから1mほどで、5月から7月にかけて花を咲かせます。カナリア諸島から地中海沿岸、インドにかけて20数種が原種として存在しています。花は花茎を伸ばしてその先に小さな花を穂のようにして咲かせます。花の色は淡い紫から濃い紫までありますし、他には白色もあります。
花や茎、葉には香りがありますのでハーブとしてもよく使われています。精油は香水や香料の原料にもなっています。いくつかの品種がありますが、精油の中でも特に高品質といわれているのがイングリッシュラベンダーというものです。鉢植えや露地植えなどに向いています。
土は水はけが良いものが適していますので、腐葉土などを混ぜて使うとより丈夫に育ってくれるでしょう。鉢植えであれば小粒の赤玉土を5、腐葉土は3、川砂を2ほどの割合で混ぜ合わせたものを使うのがオススメです。地植えをしている場合は植え替えはしなくても大丈夫です。
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