ムラサキシキブの育て方
育てる環境について
栽培の時の環境としては、特に意識する必要があるかどうかです。日本においては北海道から沖縄まで幅広く自生したり栽培されていたりしています。よほど植物が育っていないようなところだと難しいでしょうが、何らかの植物を育てている環境であれば問題なく育てることが出来ると言ってもいいかもしれません。
一応は日のよく当たる場所からやや日陰の場所に置くとされています。あまり日陰の強いところになると花つきに問題が出てくることがあります。木としてはなんとか成長してくれても、花や実としてついてくれないと目的を達しない人もいるでしょう。葉っぱや木だけでなく花や実についても楽しむのであれば日当たりはある程度気にする必要があります。
暑さや寒さに関しては特に問題はなさそうです。北海道において少し寒さが気になるくらいで、それでも防寒対策などをとらなくても対応できるとされています。日当たりがいいならどこでも良いかですが、ある方向の日当たりについてはあまり好まないとされています。それは西日です。少し西日が当たるくらいなら良いですが、
強烈に強い西日が来るようだとその暑さ、光の強さを嫌うことがあります。できれば東から南の日差しが当たるようなところが環境としては適しているといえるかもしれません。土の状態としても特に条件はありませんが、腐植質であれば育ちは良くなるとされます。乾燥気味のところよりも湿り気がある土のほうが良いとされています。
種付けや水やり、肥料について
育て方においては用土の準備があります。腐葉土などの有機質が入った土が良いとされています。鉢植えをするときにおいては、赤玉土6割、腐葉土4割ぐらいに配合した土が良い例とされます。その他の配合としては黒土に腐葉土を混ぜたタイプがあります。腐植質と、通気性、保湿性を考えた土で育てるようにすると順調に育てることが出来るようになります。
水やりのやり方としては湿り気のある土壌を意識します。あまり乾いた状態を作らないようにしなければいけません。乾いてから水をやるよりも乾きそうになってきたら水をやるくらいがよいでしょう。夏に関しては乾燥しやすくなるのでたっぷり目にあげるほうが良いことがあります。
土に関しては比較的保湿を意識したタイプになっているでしょうからそれなりに与えておけば問題はありませんが、旅行などで全く水を与えない日があるようなときはその前に十分与えていないと弱ってしまうことがあります。肥料としては寒肥、開花後に油かすなどを少量与えると良いとされてます。
通常は冬は成長が止まるためにあまり肥料は与えないとされていますが、この植物に関しては与えるようにするとされます。これは冬のためよりも、春からの準備といったほうがいいかもしれません。冬と言っても冬眠するわけではなく、春の準備を徐々に行っています。冬に肥料を与えることで、それ以降の成長がしやすくなるとされます。その他に実がつく頃にも与えると良いとされます。
増やし方や害虫について
増やし方としてはさし木を行います。6月ころに行うのが良く、その年に出た新しい枝を使います。春に行う、さし木もあります。この時は少し方法が異なります。太い前年枝を利用します。これを挿し穂として使います。さし木を行うときはさし床としては赤玉土、鹿沼土などを用意します。さし木以外の方法としては種をまくこともできます。
花が咲いてみがなればその果実に種が入っています。この種に関しては乾燥して次の年にまくわけではなく、とってすぐにまくのが一般的になります。株分けをすることもでき、3月下旬から4月にかけて植え替えなどをするときに行ってもよいでしょう。とり木においても増やすことができます。行っておく作業としては整枝があります。
剪定に近い作業になります。どんどん伸びてくると枝の様子もあまりきれいではなくなります。せっかく鑑賞するための植物がバラバラに伸びるのはよくありません。伸びすぎた枝に関しては冬の間に切り詰めるようにします。形を整えるようにしなければいけません。病気としてはうどんこ病になることがあります。
原因は日照不足があります。風通しが悪いところに植えた時にも発生することがあります。梅雨時などに出ることがあります。対処方法としては通風と採光をすることです。剪定を適度に行うようにして対応します。環境が悪い状態にしているとカイガラムシが付くことがあります。冬に薬剤を散布してつかないようにすることがあります。
ムラサキシキブの歴史
昔の偉人、有名人の中には女性なのか男性なのかわからない様な名前の人がいます。最後に子の字がつくと女性のように感じますが必ずしもそうではありません。昔と今ではかなり名前の付け方が異なりますから、簡単にはわからないかもしれません。その他作家などになるとペンネームを使うことがあります。
政治家などにおいても使うことがあるようですが、これは昔からあったようです。女流作家として知られる紫式部に関してもペンネームで実際の本名があるとされています。また自分自身でそのように名乗っていたわけではなく、後世の人がつけた名前とされています。それでも今も名前を残すくらいですから大変な人だったのでしょう。
この人と同じ名前を持っている植物があります。そのままムラサキシキブとなっていて、漢字で表記するときも紫式部の漢字を使います。原産地としては日本とされています。北海道から九州、沖縄まで広く生息地として知られているので、栽培するにあたっては特に困ることはなさそうです。
属名になっているカリカルパに関してはギリシア語から来ています。美しい果実との意味になります。和名についてはどうなっているかですが、やはり紫の花を咲かせるからと考えることが多そうです。それ以外に訛ったためにそうなったとされることがありました。江戸時代の初期においてはまだ今の名前ではなく、みのむらさき、たまむらさきと呼ばれていたとされています。呼ばれ方がいつからか変わったようです。
ムラサキシキブの特徴
この植物の特徴では、シソ目、シソ科、ムラサキシキブ属となっています。英語の名前はジャパニーズビューティーベリーです。日本との言葉が入っていますから日本固有の植物であることがわかります。分類上としてはクマツヅラ科に属するようにすることもあります。園芸分類として庭木、花木としての利用が多いです。
木の高さとしては2メートルから3メートルぐらいなのでそれ程大きく育つわけではありません。花の色としては名前からも紫色の花が多いですが、ピンク色の花を咲かせることもあります。花が咲くのは6月頃になります。日本で古くから自生していることから、耐寒性、耐暑性ともにあるとされています。
日本の環境で育てられないところは少ないと言ってもいいかもしれません。枝に関しては上にどんどん伸びていくよりも水平から斜めに伸びていく形で大きくなります。葉っぱのつきかたは対生です。葉っぱに関しては一般的に見られる植物の葉っぱと言えるでしょう。長い楕円形で、先端が少し尖っている様なタイプです。
一般的な葉っぱに比べて尖り具合が少し強めになっているかもしれません。長さはいろいろありますが12センチぐらいになるでしょう。遠目に見るとわかりにくいですがギザギザ状になっています。葉っぱの色は黄緑で薄いタイプです。表面には艶はなく、細かい毛が生えています。花は紫色の小花が散房花序を作りながら咲ききます。秋になると果実が熟し、それも紫色になります。果実は3ミリ程度です。
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