アンゲロニアの育て方

アンゲロニアの育て方

アンゲロニアはオオバコ科の植物でその生息地はメキシコからブラジルといった中米から南米、そして西インド諸島に広がります。原産が中南米ということもあって暑さに強いこの植物はさまざまな品種改良がなされて現在はサリカリフォリア種とアングスティフォリアという園芸種が流通しています。

アンゲロニアの栽培方法

アンゲロニアの育て方を考えるときに注目したいのがこの植物の原産地の環境です。メキシコやブラジル、西インド諸島など日差しが強いエリアで生まれた品種ですから、日当たりの良い場所に植えることが大事です。夏の暑さに負けないブルーや紫の涼しげな花を次々と咲かせてくれるのが特徴です。

高温多湿の方が育て方が楽です。基本的に栽培時には日当たりがよく、風通しが良いところが適しているのですが、耐陰性もあるので、一日中日向でなくとも、数時間日射がある場所なら育てることが出来るのが特徴です。

ただし多湿を好むので土が乾きすぎる西日ばかりが当たる箇所は向いていません。夏の日差しで乾燥が続くときにはしっかりと水揚げをしましょう。朝と夕に二回水あげをするなどの工夫をすれば夏の乾燥もしっかりと乗り切ることが出来るでしょう。

育て方の注意点

このアンゲロニアは寒さが苦手なので冬越しにも10度程度の温度は必要です。10度以下になる地域で栽培する場合の育て方は基本的に堀上げて鉢植えにして軒下などで管理して保温してあげれば冬越しをすることができます。

または秋に挿し木をして苗を作り室内で管理して、冬が終わった頃に庭に植え付けることで変わらぬ可愛い花を見ることができます。花が咲き終わったあとには切り戻しをすることで茎の老化を防いで元気な株を作ることができます。

花が咲き終わったら全体の1/3程切り戻しておくと、株元から芽が出て再び花を咲かせることができます。また背丈が高いため雨や風で、茎が倒れてしまうこともあります。そうした場合は風通しが悪くなって枯れてしまうことも考えられますので、同じように切り戻して置くと良いでしょう。

水やりと種付け

アンゲロニアの栽培の際の水やりは高温多湿の故郷での原産ですから、やや湿り気を好みます。土の表面が乾いたらたっぷりと水やりをして株の根までしっかりと水が行き届くようにしましょう。背丈が高くなる植物ですから成長期にはぐんぐんと茎を伸ばしていきます。

肥料切れを起こしてしまうと成長がうまくいきませんので、肥料切れを起こさないようにします。庭に植えつける際には、ゆっくりと効果を及ぼしてくれる遅効性のつぶ状肥料をすき込んでおくと管理が楽です。その後は液体肥料を月に二回のペースで与えることで肥料切れを起こさずに元気に咲き続けるでしょう。

植え付けの用土は水はけが良いもの、水持ちがよいものの両方の性質が必要です。すぐに乾燥してしまう用土では水切れを起こして枯れてしまうこともありますので、赤玉土に腐葉土を混ぜるなどして水持ちの良い土を作りましょう。植え付けは霜が降りる心配のない3月下旬から4月中旬に行うようにしましょう。

霜が降りるシーズンではよく育たず枯れてしまうケースもあります。アンゲロニアは種付けを行わず一般的に挿し木で手軽に増やすことができます。種付けを行わないので、挿し木が種付けの代わりになります。茎が丈夫で強健なので比較的初心者でも挿し木しやすい性質があります。

成長期の茎をカットして、パーライトなどにさし、屋内で管理することで根が出てきますので、それを小さなビニールポットなどに植え付けることで比較的手軽に増やすことができます。こうして出来た株は最初は小さくても、徐々に成長し、草丈1メートルにもなることがあります。

さらに横に這う性質もあるため、植え付けの際にはしっかりと間隔をあけて植え付けるようにしましょう。間隔を詰めすぎると風通しが悪くなって虫がつきやすくなったり病気になってしまうことがありますので注意しましょう。アンゲロニアは庭植えだけでなく鉢植えもできる植物です。

日当たりを好みますので庭がなくても鉢を日当たりの良い場所に置くことで育てることができます。ある程度の耐陰性もあるので日陰のベランダや北向きのベランダなどでも鉢植えで育てることも可能です。ただし日陰で栽培するとやや花つきが悪くなってしまい、花の色も薄くなってしまうので注意が必要です。

西向きのベランダの場合短時間で強烈な日差しが当たるためダメージを受けて葉焼けを起こしてしまうこともありますので注意が必要です。またこうして鉢栽培することでアンゲロにアを長く楽しむことが出来るケースもあります。このアンゲロニアは耐寒性がないため霜に弱く、しもが当たると枯れてしまうケースがあります。

そのため地植えをしていると冬を越せないことがあるのですが、鉢栽培なら軒下などに移動させて霜を避けることができ、アンゲロニアを長生きさせることができるのです。5度以下の気温が続く地方では鉢栽培をするメリットが多くあります。

また花が咲き終わったあとの花がらをこまめに取り去ると株が消耗するのを防ぐことができるので、できるだけ花がらをこまめに摘み取りましょう。このような管理をすれば夏のあいだ中涼しげな紫の花を咲かせ続けることができます。

アンゲロニアの歴史

アンゲロニアはオオバコ科の植物でその生息地はメキシコからブラジルといった中米から南米、そして西インド諸島に広がります。原産が中南米ということもあって暑さに強いこの植物はさまざまな品種改良がなされて現在はサリカリフォリア種とアングスティフォリアという園芸種が流通しています。

夏の日差しにも強く長期間咲き続けるこの花は、夏のあいだの花壇の花として高い人気があります。紫色の小花を咲かせることから別名エンジェルラベンダーとも呼ばれますがシソ科のラベンダーとは全く違う種類の植物になり、誤解を招くこともあります。アメリカなどでは金魚草に花のイメージが似ていることから、夏の金魚草とも呼ばれますが、キンギョソウともまた違った種類の植物です。

アンゲロニアの特徴

この植物は夏の暑い日差しに耐える中南米から西インド諸島原産の植物で、毎年花を咲かせる多年草です。冬場でも葉を落とさない常緑の草花ですが、残念ながら耐寒性はないので霜が降りるような寒冷地では元気をなくして枯れてしまうことがありますので注意が必要です。

茎の性質はまっすぐ縦に伸びる直立性と同時に横に這うように広がっていく這性もあり、時には1メートルもの丈に達することがある大型の植物です。ただし多くのものは50センチメートル程度の背丈に収まり、株元からは多くの茎を伸ばしてこんもりと茂っていくのが特徴です。

開花時期は夏ですが品種によっても開花時期はずれていきます。初夏から秋にかけて長い期間咲き続けるものもあり、茎の上部や葉の付け根に可愛い蕾を次々とたくさん付ける性質があります。花の色はラベンダーのような薄い紫、ホワイト、ピンク、紫のようなブルーなどが一般的ですが、中には紫とピンク、紫とホワイトなどのツートンカラーになるものもあり、華やかに咲き誇ります。

花の色が紫になることが多いため、エンジェルラベンダーという名前で流通しているケースもありますが、このアンゲロニアはラベンダーとは全く異なる系列の花で、ラベンダーのような香りがありません。

夏の日差しでしおれてしまう花が多い中、このアンゲロニアは夏の日差しにも負けずに咲き続けるので、夏の花壇に大変重宝される植物です。切り戻しなどを取り入れることで初夏から秋まで咲かせ続けることができ、ボーダーガーデンの背景の主役にもなる貴重な花となっているのです。日本でも人気が急上昇している植物です。

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