バーバスカムの育て方

バーバスカムの育て方

バーバスカムはヨーロッパ南部からアジアを原産とする、ゴマノハグサ科バーバスカム属の多年草です。別名をモウズイカといいます。モウズイカは和名で、漢字で「毛蕊花」と書きます。「蕊」は雄しべや雌しべのことをさし、雄しべに毛が生えていることから、この和名が付いた由来があります。

バーバスカムの植えつけ

苗での植えつけでも良いですし、種付けで育てることもできます。苗で植えつける場合、春になると苗が出回りますので、これを植えつけます。苗の根鉢がすっぽり入る大きさ・深さの穴を掘って、根鉢を崩さずに植えつけます。種付けの場合、9月後半~10月前半に種をまきます。

ピートバンにまいて底から吸水させると、2~4週間くらいで発芽します。葉が3、4枚になったらポットに植えかえましょう。その後、根が回ってきたら、庭や鉢に定植させます。バーバスカムは庭植えでも鉢植えでも楽しむことができます。種類によって大きさが異なってきますので、植えつけや種付けの際には、大きさを考えて行うようにしましょう。

また、種付けから小さい苗に育てて植えかえる分には問題ありませんが、直根性のため、大きく育ってしまってから植えかえすると、良く育ちません。植えかえをするなら、小さい苗のうちに行いましょう。

用土は、二年草の場合は、水はけが良ければ特に神経質になる必要はありません。一般の草花向けの培養土などで良く育ちます。多年草の場合、山野草向けの培養土を使うと良く育ちます。肥料は控えめに施した方が良く育ちます。

植えつけの際の元肥は普通の植物の約半分、追肥も同じように控えめにします。種をまいて苗を育てる際には、月に1、2回液体肥料を施します。ここで苗がしっかりできないと、庭や鉢に植えかえた後、良い花が咲かないので気をつけるようにしましょう。

バーバスカムの育て方と管理

バーバスカムは湿気は嫌いますが、比較的丈夫な植物ですので、適切な場所に植えてやれば、育て方にそれほど神経質になる必要はありません。バーバスカムの育て方の第一としては、日当たりを好み蒸し暑さを嫌う性質を考慮して、西日が当たらず風通しの良いところに植えてやることです。

株元の湿気を避けるために、盛り土をしてレンガなどで囲んだレイズドベッドに植えてやるのも良い育て方です。半日陰でも育ちます。この場合、花が少なくなる代わりに、夏を越させるのが楽になります。バーバスカムは葉も楽しめる植物ですので、思い切って半日陰で育てる育て方を選択しても良いでしょう。

ただ、日向でも水はけと風通しに気をつけてやれば、夏を越しますので、美しい花をたくさん楽しむためにも日向に植えてあげて、しっかり管理するのがベストでしょう。夏を越すのには少し気をつかいますが、寒さには強いため、冬は楽に越させることができます。

冬場に葉がロゼット状になったら、枯れた下葉を取り除いて、見映えを良くしてやりましょう。そのほか、花が次々と咲いていくので、種を取る分を残し、花がらは摘み取ります。最後の花が終わったら、花茎を切り取りましょう。こうしてやると株が弱らず、苦手な夏を越しやすくなります。

多湿を嫌いますので、水のやり過ぎには気をつけましょう。つぼみが出てから花が咲いている間は極端に乾燥しないようにしますが、土が乾燥し始めたら水をやるくらいで十分です。最近出回っているバーバスカムは小型とはいえ、90センチくらいまでにはなりますので、倒れそうになることがあります。その場合は支柱で支えてやるようにします。

花色も多く、ひとつの花の咲いている期間は短いのですが、次々と花が咲くので長い間楽しむことができます。また、カラーリーフとしても人気で、花だけでなく、冬場に葉も楽しむことができるので、少し手をかけて世話してやりましょう。

バーバスカムの種付け、栽培

バーバスカムの栽培は、種でも苗でもできます。春になると苗が出回るので、初めてバーバスカムを植える場合には、苗で行い、花後に種を採取して、翌年からは種で栽培するのも良いでしょう。苗を植えつける場合は、春に、根鉢がすっぽり入る穴を掘って、根鉢を崩さずに植えつけます。

種をまく場合は、種を採取するために、枯れた花を全て摘み取らずに、いくつか残しておきます。多年草でも二年草扱いにすることが多いので、2年に1回は種を採取し、苗を栽培して新しい株を作るようにします。種をまくのは、9月後半~10月前半、暑さが去り夜の温度が下がり始めた秋にまきましょう。

細かい種ですので、風などで飛ばされないように管理します。バーバスカムは寒さに強いのですが、小さな苗のうちは霜が降りた際に枯れてしまうことがあります。このため、霜が当たらない場所で苗を育て、しっかりした株に育ったら、春先に庭や鉢に植え付けましょう。苗をしっかり育てないと、花が綺麗に咲きません。バーバスカムは種類によって、大きさが異なりますので、種類に合わせて植えつけてやります。

病気は立枯病、カビ類に気をつけましょう。特に苗を育てている時には注意します。日当たりと風通しを良くして、群れないように管理してあげれば、避けることができます。 地面と接しているところに、メイガ類の幼虫が入ることがあります。春に茎が伸び始めたら注意してやり、見つけたら防除します。

バーバスカムの歴史

バーバスカムはヨーロッパ南部からアジアを原産とする、ゴマノハグサ科バーバスカム属の多年草です。別名をモウズイカといいます。モウズイカは和名で、漢字で「毛蕊花」と書きます。「蕊」は雄しべや雌しべのことをさし、雄しべに毛が生えていることから、この和名が付いた由来があります。

日本にはもともと自生していないのですが、色々な種類がある中でも、ビロードモウズイカやアレチモウズイカは帰化植物として、日本を生息地とするようになっています。バーバスカムには色々な種類があり、地中海地方では最も高度に分化しています。ただ日本では、バーバスカムというと、以前は単にビロードモウズイカのことをさしていました。

ビロードモウズイカは観賞用として日本に持ち込まれた歴史があります。しかし、最近はビロードモウズイカはあまり園芸では見かけなくなり、その代わりにビロードモウズイカより小型の、改良種が良く出回るようになってきています。

バーバスカムの特徴

ヨーロッパ南部からアジアを原産とし、地中海地方では特にたくさんの種類を見ることができる植物で、種類は300種類ほどあります。姿も色々で、大型のものや小型のもの、多年草や二年草など様々な特徴を持ちます。ボリューム感がある花穂が魅力です。ひとつの長い花穂の中に小さな花穂があるので、花穂全体に散らばるように花が咲き続けます。

本来出回っていたビロードモウズイカは1.5メートルほどにもなる、背の高い品種ですが、最近良く出回っているバーバスカム・フォエニセウムは背の低い品種です。それでも60センチ~90センチくらいにはなります。花色が豊富なのも特徴で、5月~6月頃に、白、紫、ピンクなどの花がたくさん咲きます。花の大きさは2~3センチほどです。

花だけでなく葉も美しいのが特徴です。形は楕円形で、ビロードモウズイカは白い毛が生えたシルバーリーフがとても綺麗です。厚みのあるフェルトのような質感の葉を持つ品種もあります。冬の間はロゼット状(地面に葉が広がっていて立ち上がっていない状態)に葉を広げています。

バーバスカムは葉も美しいので、この状態だと、大きなバラの花のようにも見え、楽しむことができます。4月頃から花茎が伸び始め、5月頃から開花します。比較的丈夫な植物ですが、湿気は嫌います。日当たりの良いところとやや乾燥した環境を好みます。このため、日本の真夏の暑さと湿気があまりにも強いと、枯れてしまうこともありますが、大抵の場合、夏越しをさせることができます。

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