ロベリアの育て方
ロベリアの栽培環境
ロベリアを栽培するときには置き場に気を付けなければいけません。種付け期、育苗中はしっかり日に当てて栽培します。この時期に日陰で育てると花つきが悪くなります。
つぼみがついて咲き始めたら明るい日陰でもよく咲き続けます。暑さに弱く高温多湿を嫌うため、風通しのよい場所が適しています。
寒さに弱くはないですが、霜と寒風が苦手で変色してしまうので、冬は室内の窓際などで栽培します。用土は水はけの良いもので、赤玉土(小粒)7:腐葉土3の割合で混ぜた土や市販の「花と野菜の土」などが適しています。肥料は元肥として緩効性化成肥料を用土に混ぜておき、薄めの液体肥料を週に1回程度与えます。
肥料切れを起こさないよう定期的に肥料を与える必要がありますが、根が細いため与えすぎると肥料焼けを起こしてしまうことがあるので注意が必要です。また、夏越しさせる場合は真夏に肥料を与えるのは避けます。
ロベリアの育て方
ロベリアの育て方は比較的簡単です。種付け期は9月~10月頃で、発芽適温は15℃~20℃、発芽までに10日前後かかります。種は非常に細かいので重ならないように、連結ポットに3~5粒ずつ蒔くか、育苗箱に薄くばらまいて種付けをします。光を好むため、土をかけず軽く押さえます。
日なたに置き、土の表面が乾いたら水遣りをします。水切れをすると株全体が傷んでしまうため、水切れがしないように注意します。種付け直後は水はジョウロで上からかけず、底面給水にします。発芽後は込み合った箇所を間引いていきます。2週間ほどで発芽がそろい、本場が2~3枚のころ、ポットに一株ずつ鉢上げをします。
ある程度の丈に育ったら、目先を摘んでわき芽を出させるようにします。植え付け期は本場が5~6枚になったころで、苗が小さいうちにプランターや鉢への植え付けを行います。日当たりと水はけのよい場所に株間20cm程で植え付けるか、鉢に1株ずつ植えます。そうすると十分に根が張って立派な株に育ちます。
苗を購入して植え付けする場合は、3月頃にコンパクトで花やつぼみのついたものを購入します。ただし、花つきがよい苗には矮化剤を使っているものがあるので注意が必要です。矮化剤を使った苗は、初夏になっても大きく生育しないことがあります。
花つき株や大株は茎を広げて深めに植えると、土が触れている株元の節から芽が出てきてボリュームが出ます。花が咲き夏を迎えたら、西日に注意します。真夏の強い西日は苦手であるため、鉢植えであれば夏は風通しのよい半日陰で管理します。
花が花茎の先端まで咲き進んだら、茎の付け根のところで切ります。一通り花が咲き終わったら、草丈の1/3程度までばっさりと刈り込み風通しを良くし、涼しい場所で管理します。夏を越すことができると秋に再び花をつけます。切り詰めた株はしばらく直射日光を避け、明るい日陰において管理します。
株が生き生きしてきたら再びよく日に当てます。切り詰める時期は、梅雨の後半になった頃が最も適しています。ロベリアは挿し芽を上手に行うとどんどん増やすことができます。挿し芽を行う時に枝を切りますが、茎の内部にある粘液が付着するとかぶれる可能性が高いので、手袋をしてから作業をすることをおすすめします。
挿し芽をするタイミングで最も適しているのは6月もしくは10月です。十分に成長している枝を切った後、30分ほど水に浸けてその後水あげをします。その後ある程度乾燥するまでは日陰干しをし、土に植えます。このとき、しっかり乾燥させてから植えないと腐ってしまうことがあるので注意が必要です。
挿し芽で増やす場合には土に挿してから二週間程で根が伸び始め、その後に成長が始まります。ロベリアの育て方のポイントは、矮化剤を使った苗は避ける、水はけの良い用土で育てる、用土の表面が乾いたら早めに水遣りをする、密植すると生育にむらが出て草姿が乱れ美しく半球状に茂らないという点です。これらのポイントを押さえておくと、夏を越えやすい立派なロベリアを育成しやすくなります。
ロベリアの害虫・病気
栽培環境や育て方以外で注意するのは害虫や病気です。ロベリアはコナジラミやアブラムシがつくことがあります。葉裏や新芽、つぼみについて汁を吸い、そのままにしておくと群れで生息するようになります。殺虫殺菌剤「ベニカグリーンVスプレー」、「ベニカXスプレー」を散布して退治します。
予防するためには、殺虫剤「オルトランDX粒剤」を株元に散布しておくと、植物全体を害虫から守る効果が持続します。また、茂った状態になると風通しが悪くなり病気になりやすいので、ベンレートなどの殺菌剤を散布して予防します。寒暖差が大きい時期にはうどんこ病が発生する可能性もあるので、殺虫殺菌剤「ベニカグリーンVスプレー」、「ベニカXスプレー」、殺菌剤「モレスタン水和剤」で予防します。
ロベリアの歴史
ロベリアは熱帯から温帯を生息地とし、300種以上が分布する草花です。園芸では南アフリカ原産のロベリア・エリヌスとその園芸品種を「ロベリア」と呼ぶのが一般的な名称です。下垂性の「レガッタ」、矮性の「アクア」、花の大きな「リビエラ」などが流通しています。
ベルギーの植物学者マティアス・ド・ローベルの名前に由来します。花の色や形が小さな蝶々に見えることから、瑠璃蝶々という和名があります。日本で分布しているミゾカクシの近縁です。暑さや寒さに弱く、日本の気候でも育てやすい品種改良がされていて、「宿根ロベリア」や「サマー・ロベリア」、「アズーロ」などがあります。
宿根は草丈が40cm~1mで茎を長く直立させて花を咲かせる大型から中型が多く、夏咲きで水の豊富な場所を好みます。サマーは夏咲きで暑さに強く、ほふく性が強いため横に伸びます。アズーロはドーム状に咲き、夏を容易に越えることができます。
「謙遜」「貞淑」「強い個性と指導力」「いつもかわいらしい」という花言葉があります。たくさんの花を咲かせるのでとても豪華に見えますが、一つ一つの花を見ると謙遜さや貞淑さを感じられる植物なので心が和やかになります。
ロベリアの特徴
ロベリア・エリヌスは、ガーデニングが初めての方でも育てやすい花です。亜熱帯では多年草ですが、温帯では秋まきの1年草で、春から初夏に花を咲かせます。茎は這うタイプとこんもり茂るタイプの2タイプがありますが、改良された品種では直立する宿根草などもあります。
草丈は10~25cm程になります。花の大きさは1~2センチ程で、色は白、紫、青、赤、ピンクなどの1色咲きや2色咲きするものがあります。上唇弁2枚、下唇弁3枚に分かれ、基部は筒状となっています。満開になると株を覆う程たくさんの花が咲きます。株が横に広がり枝が垂れるため、プランター、コンテナ寄せ植え、ハンキングバスケットや背の高い鉢などがよく用いられます。
高温多湿や霜に弱く、夏には枯れやすい品種ですが、花が咲き終わった後は短く剪定して風通しをよくし日当たりの良い所で育てると、手入れ次第では夏や冬を越えることができます。夏を越すことができると、秋にも花を咲かせてくれます。
また、ロベリンと呼ばれる、痰を切り鼻づまりを解消するアルカロイドを含んでいて、副腎がエピネプリンというホルモンを分泌するのを促し気道がリラックスし呼吸が容易になる効果があります。そのため、とても価値のある薬草だと言われています。
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