ヘレボルス・ニゲルの育て方
育てる環境について
ヘレボルス・ニゲルは屋外でも屋内でも育てられます。耐寒性に優れていますので、育て方は容易と言えます。鉢植えの場合は、室内での観賞用にも最適です。室内で育てれば霜の心配がありません。土の量が豊富で、しっかりと広く深く根を張れる地植えの場合ならば、耐寒性の強さを発揮してくれますので霜にも負けずに生育しますが、
鉢植えやプランターの場合は霜に負けてしまうこともありますので、注意すると容易でしょう。鉢植えとして購入した場合には、ヘレボルス・ニゲルに最適になるようなバランスで、土の栄養分が調整されています。植え替えをする場合は、クリスマスローズ用として販売されている用土を利用すると安心です。耐寒性に優れている植物は、
観葉植物のなかでも決して多いほうではありませんので、排水性と保水性のバランスが良くなるように調整されている用土が作られています。ヘレボルス・ニゲルは半日陰の環境でも良く育ちます。室内で栽培している場合、昼間の外出時にカーテンやブラインドを閉めて室内が暗くなってしまう環境になることが多くても、
比較的に健康に生育し続けられます。土の状態も、湿度が高いよりも、乾燥気味のほうが良いので、湿度が低くなりやすい日本でも育ちやすいです。人間が住みやすい環境であれば、問題なく栽培できます。ただし風通しは良くするように心がけましょう。風通しが良いと、葉が健康な状態が長続きするからです。風通しが悪くなってしまうと、葉が病気になってしまうことがあります。エアコンの風が当たる場所でも元気に生育できます。
種付けや水やり、肥料について
ヘレボルス・ニゲルは耐寒性の強い植物ですから、乾燥気味に栽培しても安心です。日本のように湿度が低くなりがちな冬には最適な環境です。水やりを行うときのポイントは、まずは土の表面が乾燥しているかどうかをチェックすることです。土の表面が乾燥してきたと感じたら、水やりを行いましょう。
水を与えすぎてしまうと、根にダメージとなります。根にダメージが与えられてしまうと、病気が発生しやすくなりますので要注意です。水の与えすぎで、常に土の表面が濡れたままの状態にしていると、水分を求めて虫が寄ってきてしまうことがあります。室内で栽培している場合は、キッチンなどから小バエが寄ってきて、
濡れた状態の土を栄養分にして繁殖してしまうこともあります。乾燥気味に維持することで、虫や病気の予防になり、衛生的に育てられます。肥料を与える場合は、液体肥料が良いでしょう。液体肥料は土に浸透し、根から吸収されます。土の表面に栄養分が残りにくいので、虫が寄ってきて繁殖する心配も少なく済みます。
粒状の化成肥料を使用する場合は、土に混ぜておくと良いでしょう。粒状の化成肥料は、水によって栄養分が少しずつ溶け出して、土へと浸透していきます。土の表面に直接置いて露出しておいても良いのですが、土の中に入れておくほうが安心です。割り箸などを利用して土の表面に溝を掘ったり穴を開けてから、中に粒状の化成肥料を入れておきます。上から土を被せておけば、防虫対策にもなります。
増やし方や害虫について
ヘレボルス・ニゲルを室内で栽培している場合は、土の表面に小バエがわいてしまうことがあります。小バエが水分を求めて寄ってきて、そのまま繁殖してしまうのが原因です。土の表面が乾いてから水やりを行うように心がけていると、土の表面に水分が過剰にならずに済みますので、小バエが繁殖しにくい環境を維持しやすくなります。
屋外で栽培している場合は、幼虫が葉を食べてしまうことに注意しましょう。春になるとモンシロチョウの幼虫が付いてしまうことがあります。幼虫が排出する糞は、土に落ちてしまえば栄養分として土壌を豊かにすることもあるのですが、葉に付着した状態のまま放置してしまうと病気に原因になります。
害虫対策で注意したいのは、害虫そのものの被害というよりも、虫が生息したり繁殖してしまったことによる環境の変化によるダメージです。ヘレボルス・ニゲルは耐寒性に強く、冬の寒冷な気候の下では虫の活動も低下しますので衛生的に生育させやすいのですが、春になり気温が暖かくなってくると、さまざまな虫の活動が活発化してきます。
葉が黒くなってしまうと病気です。カビが原因です。灰色カビ病と呼ばれる症状が発生しやすいので注意が必要です。カビの菌が伝染し、他の葉も病気になっていきますので、黒くなってしまったら迅速に除去しましょう。立ち枯れ病も見られやすい症状のひとつです。葉に白い糸のようなものが細かく付着しているのを見つけたり、何かベタベタするように感じたならば、綿棒やティッシュペーパーなどで拭き取ると良いでしょう。
ヘレボルス・ニゲルの歴史
ヘレボルス・ニゲルはキンポウゲ科クリスマスローズ属の植物です。クリスマスの季節に開花することからクリスマスローズという名前で呼ばれ親しまれています。ヘレボルス・ニゲルの原産は東ヨーロッパから西アジアの地域です。主な生息地として知られているのが、バルカン半島からトルコとシリアにまたがる一帯です。
中国にも自生地が存在しています。中国では四川省や雲南省に自生しています。観賞用として広く知られるようになったきっかけは、20世紀後半の品種改良の影響が大きいです。特に有名なのが、イギリスにおける品種改良です。イギリスのヘレン・バラードやエリザベス・ストラングマンによって進められた品種改良は、
家庭での観賞用植物としての地位を確立することに大きく貢献しています。名前の有らいであるクリスマスの季節に開花することも、イギリスのクリスマスという意味がこめられており、イギリスのクリスマスの季節に開花するヘレボルス・ニゲルが、クリスマスローズという名前の由来になっています。
日本ではクリスマスが近づくと観賞用として販売されることが多くなり、花屋以外の店舗でもプレゼント用に取り扱われたり、店頭に並べられるようになりました。プレゼント用として人気が出たこともあり、クリスマスの季節限定の植物と誤解されることもありますが、実際にはクリスマスが始まる前からクリスマスが過ぎてからも長期間にわたって観賞用として楽しめます。
ヘレボルス・ニゲルの特徴
ヘレボルス・ニゲルの特徴として挙げられるのが、花と葉です。一般的に花と思われているのが花ではなく、萼片と呼ばれている部分です。正確に言うと、花弁ではなく萼片という分類に相当するという意味です。一般的な花における花弁と異なりますので、それが長期間にわたって鑑賞できる要因になっています。開花は冬の初め頃からで、
うつむき加減に見える花であり、かわいらしい雰囲気を放ち、ヤマユリにも似ている印象があります。開花の時期がクリスマスの季節であることからクリスマスローズと呼ばれることも多いのですが、冬の時期に元気に咲く花としても重宝されています。開花が長期間に及びますので、クリスマスの前後にわたり、観賞用として楽しめます。
寒さだけでなく霜にも強い植物です。ただし鉢植えの場合は、なるべくならば霜にあたらないように配慮したほうが長持ちします。地面に植えてある場合は、根が広範囲に広がって、しっかりと生育するのですが、観賞用の鉢植えで栽培されている場合には、鉢のサイズに合わせて根張りが限定されてしまいます。
しっかりと広く深く根が張っていれば張っているほど、寒さにも霜にも強さを発揮します。耐寒性に優れている一方で、耐暑性は弱いのも特徴です。気温が高くなったら風通しの良い日陰に移動すると良いでしょう。鉢植えやプランターで栽培していれば、根張りが限定されるものの季節に応じて適切な環境に移動できるというメリットがあります。
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