ヒナソウの育て方
ヒナソウの種付け
ヒナソウの種付けは、取りまきと言って、採取後はすぐにまくようにします。使用する用土は赤土玉・鹿沼土・軽石や細かくした水こけなどを混ぜ合わせた培養土が適しています。水こけを合わせる事で夏の保水対策になります。種付けに適した時期は休眠期から成長期に入る2月~3月。または生育期から休眠期に入る11月頃が最適です。
ヒナソウの育て方
ヒナソウの育て方は、日当たりのいい場所を好みますので、鉢植えの場合は風通しが良く、日当たりの良い場所で栽培します。真夏の間の育て方は、明るい日影のほうが良いでしょう。高温には耐えられますが、葉が密集している為蒸れやすくなっているので、温度がたまらないような場所を確保しましょう。
日当たりの良い場所は好みますが、半日程度日が当たれば十分に成長してくれます。盆栽のように小さく栽培したい場合は、とにかく日の当たる日なたで管理をします。水切れさえ起こさなければ思ったよりも直射日光にも耐えられます。庭植えにしたい場合には、真夏でも地面が乾ききらないような場所を選んで鉢植え用の土を客土して植えます。
種付け後の水の与え方に関しては、ヒナソウは乾燥が苦手な植物なので、湿っている土壌を好みます。乾燥に弱い原因として根を浅く張る事が挙げられます。根が浅いために土の表面が乾燥するだけで水切れを起こしてしまいます。このため鉢植えの場合は表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。
特に夏の間は土の上面の水分が蒸発しやすくなってしまっているので、こまめに水を与えないとカラカラになって、枯れてしまいます。ヒナソウを枯らしてしまう方の多くが夏に枯らせてしまっています。鉢植えの場合は、冬の間も水切れを起こさないように注意しましょう。
ただし水をあげすぎるのも良くないので、回数を控えめにして、表面が乾いてから与えるようにします。ヒナソウは根を比較的浅いところに張る性質があるので、鉢植えの場合は、根が張れる範囲に制限が出てきてしまうので、どうしても下の方まで根が回っていきますので、夏の間の水やりに関しては、鉢植えで栽培すると、こまめに与える事が必要になってきます。
庭植えの場合は、晴天が続いた場合2日~3日に1回程度水を与えれば十分です。肥料に関しては鉢植えの場合、春の花が咲き終わった際に、液体肥料を月に2回程度気温が上がる前の夏前まで与えます。
肥料を多く与えるとよく茂って株も大きく成長しますが、その分、夏に腐りやすくなってしまいます。夏越しの失敗を防ぐには肥料は最小限に抑えた方が良いでしょう。ヒナソウに関しては肥料不足が原因となって枯れてしまう事はありません。庭植えの場合は肥料は必要ありません。
ヒナソウの育て方のポイント
花の時期が終わったら刈り込むようにして、花がらを切り取りましょう。ほふく性のある植物ですが元々小さいので広がりすぎて困る事はほとんどないですが、広がりすぎたと感じた場合は、株分けをするか、根の部分を切る事で広がりを抑える事ができます。
鉢植えの場合は、毎年植え替えを行います。時期は開花後の5月頃を基準として、秋の9月頃にも行えます。根鉢は半分程度に削って植えつけます。もし、水を与えた後に株が動くようであれば、針金かつまようじをピンの代わりにして固定すると良いでしょう。
開花前の時期の、2月~3月の間にもできますが、その際には1回り~2回り程度大きな鉢を用意して、根鉢を崩さないようにして植え替えを行います。ヒナソウを増やしたい場合には株分け、または種まきで増やす事ができます。株分けの際には、花が終わった後か、秋の植え替えの時期に、株を2つか3つに分割しましょう。
種の場合は採取してすぐまく事で比較的発芽率を良くする事ができます。また、湿り気のある土で栽培した場合はこぼれ落ちた種で自然に増える事もあります。種から増やした場合は、苗がある程度育ったら鉢上げをして育てます。ヒナソウの場合、かかりやすい病害虫はありませんが、梅雨時期から夏にかけては葉が枯れてしまい、傷む事があります。
この場合は、殺菌剤の使用する事である程度抑える事ができます。アブラムシが発生した場合には、薬剤を散布して駆除しましょう。ヒナソウをアレンジとして使用したいと思ったら、寄せ植えの場合は、前景に利用する事ができます。ヒナソウの特徴でもある花付きのよさや、こんもり茂る姿がよく目立ちます。
庭植えをする場合にも、花壇の前景や背の低いほかの植物と合わせて植えると良いでしょう。また、芝庭にこぼれ種で増えたかのように見せて、植えつけるのも人気です。小さい植物なので、グランドカバーに使用する場合は狭い面積限定になります。
花付きのよさや、病害虫に強い事、栽培する上で手間がかからない事から、初心者の方でも簡単に栽培できる植物になっています。水やりと肥料さえ気をつけて上手に育てれば多年草なので、毎年楽しむ事ができます。
ヒナソウの歴史
ヒナソウは、北アメリカ東部が原産の草花で毎年花を咲かせる小型の多年草です。日本に入ってきたのは昭和時代の後期に園芸植物として入ってきましたが、現在では各地で野生化しています。生息地は北米大陸東部の砂質の土地にある森林の土地の開けている場所や、草原、岩の傾斜地に生息しています。
春になると、たくさんの可愛らしい花を咲かせる小さな常緑です。開花期間は主に春から初夏にかけてとされていますが、秋や冬に花を咲かせる事もあります。ヒナソウは主に学名ではフーストニア・セルセアと呼ばれる種の事を言います。フーストニアとは、スコットランドの植物採集家フーストンの名前にちなんでいます。
ヒナソウの名前の由来は、鳥のヒナがエサを求めているように見える事が由来しています。山草作りのスタイルの一つとして、皿鉢や浅鉢に矮性の植物を植える事で花でいっぱいにする、というものがありますが、現実には技術的に難しいものが多いとされていますが、ヒナソウはそれを実現できる植物と言われています。
ヒナソウの特徴
ヒナソウの特徴は、小型の小さい花が印象的ですが、草丈は成長しても15センチ程度で、葉は1センチ程度のヘラ状の形をしています。そのほとんどが根元から生える葉で葉は冬でも緑色をしているので、トキワナズナという別名も付けられています。地下茎のように地面を横に伸びていき、それが広がりクッション状に茂ります。
遠目に見ると細い茎が密集していて全体が小さな塊のように見えます。小さい葉は茎から1本ずつ出ていて、花は茎の先端に咲きますが、その形は花冠が4つに裂けていて、花の色は、白・青とされていて、中央は黄色十字の形をしています。繊細な姿をしていますが、その印象とは違い、とても丈夫な花でもあります。
株はこんもりとまとまった形になっていますが、地下茎を張って旺盛に広がっていく性質も持ち合わせています。花期が終わり、夏になるとヒナソウは高温加湿の環境に弱いために枯れてしまう事もありますが、夏になる前に前もって風通しがよくなるように刈り込みを施しておくことで夏を越す事ができる場合もあります。
また、花付きがよく、丈夫な事から初心者にもよくススメられる植物で、寄せ植えに使用する場合も使いやすく庭先などで栽培されている事が多い草花でもあります。とても優れた花ですが、普通の園芸店では見かける機会がなく、山野草店よく見かけることができます。
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