プレクトランサス(観葉植物)の育て方
育てる環境について
プレクトランサスの育て方は簡単といえます。やわらかい日射しを好み、強い日射しを嫌います。強い日射しに当たると葉が焼けてしまい黄色く色あせ、やがて茶色く枯れる「葉焼け」を起こします。特に真夏は直射日光を避けた明るい日陰に移動させます。
室内のガラス越しの明るいところに置くのが理想的です。慣れればある程度の強い日差しにも耐えますが、どうしても葉色は悪くなってしまいます。暗い日陰だと日照不足で、茎がひょろひょろに伸びた軟弱な姿になってしまいます。季節を通して木漏れ日やレースのカーテン越しのような
柔らかい日射しの当たり続ける環境が、最も適しています。やや寒さに弱く、枯らさないためには冬でも5℃以上の気温が必要です。秋が深くなり霜が降りるころには戸外で育てているものも屋内の日当たりの良い場所に移動させましょう。1日の日の長さが12~13時間以下になると花を咲かせるという特徴があります。
水はけの良い用土ならさほど選びません。赤玉土(小粒)7:腐葉土3の割合で混ぜた土や市販の観葉植物培養土などで育ちます。根がよく張り、ほおってくと鉢の中が根でいっぱいになり伸びるスペースがなくなるので、2年に1回のスペースで植え替えます。
植え替えの適期は5月~9月、春先にあわてず、充分気温が高くなってから行います。古い土は1/3ほど落として、根を軽くほぐして帆とまわり大きめの鉢に植え替えます。茎が長く伸びすぎているようなら切り戻して短くします。
種付けや水やり、肥料について
プレクトランサスの生育期間は春から秋にかけてです。春から秋の生育期間はよく成長し、水もよく吸うので土の表面が乾いたらたっぷりと水をあげます。鉢底から水が染み出すくらいに与えてください。極度の乾燥は葉を傷めてしまったり、花が咲いている場合は花の寿命を縮めてしまうことになりますので注意しましょう。
冬は寒さで成長も鈍るので水はさほど必要としませんので、水は控えめにします。土の表面が乾いて数日経ってから水を与える程度で十分です。屋外で育てている場合、鉢が凍るのを防ぐために天気のいい午前中に水やりをするようにしてください。ただし、冬でも室内で15℃程度の気温が保てるなら、生育期間と同じように水やりをします。
葉が肉厚なため、乾燥には比較的強い植物で水不足による失敗は少ないといえます。常に土がじめじめと湿っているような状態では根が腐ることがあるので、その点だけ気をつけて水やりをしましょう。底面給水鉢でない鉢植えの場合は、受け皿に水をためたままにしておくと根腐れや害虫の原因になりかねませんので、必ず水を捨てるようにしてください。
特に冬場は注意が必要です。肥料は春から秋の生育期間にのみ行います。固形肥料なら月1回程度、液体肥料なら10日に1回程度与えます。肥料が多いと茎葉が伸びすぎて姿が乱れるので固形なら量、液体なら濃度を気持ち控えめにしてください。肥料は効き目が緩やかで長期間持続する緩効性肥料を選ぶといいでしょう。
増やし方や害虫について
プレクトランサスはさし木でふやすことができます。剪定した切り枝が今年伸びたものであれば可能です。芽先から2~3節の位置で茎を切り取り、下の方の葉を取り除いて水はけのよい用土に挿します。半日陰の場所で土が乾かないように管理して、成長を始めたら芽先を摘んでワキから芽を出させるようにすると形がよくなります。
適した時期は5月から6月、もしくは9月ごろです。真冬や真夏は避けてください。市販の発根剤などを用いると、活着率が高まりますが、そのままでも比較的発根しやすいです。通常2~3週間程度で発根します。プレクトランサスは比較的、害虫が付きにくい植物です。
しかし、風通しが悪かったり、空気が乾燥する時期になるとカイガラムシが株元や新芽に発生することがあります。このような場合は見つけ次第、こすり落として駆除します。新芽についたアブラムシやハダニ類は市販の殺虫剤で駆除できます。梅雨時期にはナメクジがつくこともあります。見つけたらすぐに駆除し、受け皿に水をためないようにしましょう。
まれにヨトウムシが葉や花を食害してしまうことがあります。ヨトウムシは夜行性なので昼間は見つかりませんが、黒い糞や食害の跡を見つけたら夜間に懐中電灯で見つけて捕まえるのが一番効果的です。日ごろから風通しを良くしたり湿気がこもらないように注意して、葉が多くなってきたら株元が蒸れないように間引きして風通しを良くすることで予防できます。
プレクトランサスの歴史
プレクトランサスは種類が多く、アジアやアフリカ・オーストラリアなどの熱帯・亜熱帯が原産地です。プレクトランサスという名前はギリシャ語のプレクトロン(雄鳥のけづめ)とアンサス(花)を合わせたもので、花の形が特徴的なことからこの名前が付けられています。
種類が200種類ほどあり、葉に模様が入ったカラフルなものや花がきれいなものなどあり、観葉植物として親しまれています。花の美しい品種も作られていて、鉢植えとして利用されることも増えてきました。観葉植物としてよく栽培されているものは、茎が斜上するタイプのプレクトランサス・ヌンムラリウスや、プレクトランサス・エールテンダリーが代表的です。
また、茎が直立するタイプのプレクトランサス・コレオイデスでは、「バリエガツス」が鉢植えなどに利用されています。そのほか、コレオイデス種を小型にしたような葉で茎がほふくするプレクトランサス・マダガスカリエンシスの斑入りである「バリエガツス」が、バリエゲイテッド・ミントリーフの名で流通している事が多いです。
また花を楽しむ種類としては「モナ・ラベンダー」や「ケープ・エンジェル」シリーズなどがあります。黒みを帯びた葉とサルビアに似た紫色の穂状の花が渋く調和し、落ち着いた印象があり人気です。南アフリカで週種類のプレクトランサスを人工交配して作られた品種ですが、その交配内容の詳しいことは育種した会社のみが知る内容で公表されておらず不明です。
プレクトランサスの特徴
プレクトランサスの生息地はアジア・アフリカ・オーストラリアの熱帯や亜熱帯で、200種類以上あるシソ科の多年草です。アイビーではないのですが、スウェーデンアイビーと呼ばれることもあります。茎が上に伸びていく「立ち性」と少し立ち上がり気味に斜めに伸びていく「這い性・半立ち性」の二つのタイプに分かれます。
葉は丸型や卵型でふちにゆるいギザギザが入るものが多いです。花は先が開いた筒状で小さな花が一つの花茎にいくつかつくのが特徴で、5月から10月にかけて開花します。種類によって花の形が違ったり色が違うことがあります。シソ科の植物なので葉ににおいがあります。この匂いについては好みがあるので、嫌いな人もいるかもしれません。
プレクトランサスの一種でプレクトランサス・ジャポニクスは和名を延命草といい、薬草として昔から胃薬・リウマチ薬・解熱剤などにも使われてきました。ヌンムラリウスは這い性・半立ち性タイプで葉は長さが5センチほどの円形で厚みがあります。ふちはゆるめのギザギザがあり黄緑色で光沢のある葉が特徴です。
青紫の小さな花がちらほら咲きます。エールテンダリーは這い性・半立ち性のタイプで茎葉に軟毛が生えており円形から卵型の葉があります。葉の表は葉脈が網目のように白く浮かんでいて、葉の裏側は紅紫色をしています。葉のふちに丸みを帯びたギザギザがあります。バリエゲイティッドは這い性・半立ち性タイプで、
葉は卵型で長さは3センチほどの丸っこいギザギザがあります。明るい緑色をした葉に白い縁取りがあります。葉をこするとミントのような香りがするのが特徴です。モナ・ラベンダーは人気のある品種で立ち性タイプで草丈は50センチほどあり、光沢のある濃い緑色の葉とラベンダー色の可愛い花がたくさんつくのが特徴です。
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プレクトランサスは、シソ科、ケサヤバナ属となります。プレクトランサスの生息地はアジア・アフリカ・オーストラリアの熱帯や亜熱帯で、200種類以上あるシソ科の多年草です。プレクトランサスは種類が多く、アジアやアフリカ・オーストラリアなどの熱帯・亜熱帯が原産地です。