西洋クモマソウの育て方
西洋クモマソウの育て方
西洋クモマソウの育て方にはいくつか注意したい点があります。水はけと風通し、それに日当たりです。西洋クモマソウを栽培するためには一般的な園芸品種を育てるというよりは高山植物を育てるときのように気を配る必要があります。したがって、山野草専用の培養土を使って植えると丈夫に育ちます。
山野草専用培養土を使用しない場合は、小粒桐生砂、軽石、硬質鹿沼土などをブレンドするなど水はけに注意をした用土を使うことをおすすめします。本来は高山に自生していることを考えれば、日光を好むことが容易に想像できます。風通しのいい日光のあたる場所を西洋クモマソウの指定席にしましょう。
水やりはやや控えめと考えます。できるだけ乾燥ぎみに育てた方が、根が腐る病気にかかりにくくなります。冬場の水やりはとくに注意し、水を与え過ぎないようにしましょう。冬場はほとんど株が成長することがないため、水はあまり必要としません。肥料は春と秋に与えると覚えておくとよいでしょう。
成長期の春頃と花が終わった後の秋頃に肥料を与えます。冬場はほとんど成長がないため肥料は必要ありません。成長のないときに肥料を与えると根を傷める原因になるため、やめましょう。開花中は二週間に一度程度草花専用の液肥を与えるといいでしょう。植え替えに適した時期は、花が終わってから一か月以内を目安とします。
真夏の暑さを避けた10月頃が植え替えに適しているといえます。植え替えの頻度としては毎年行うことが好ましく、元肥を施した水はけの良い用土に植え替えをして栽培します。根の成長に合わせて、ひとまわり大きめの鉢を用意しておきましょう。丈夫で強い株の育て方のコツは、植え替えを行うことです。植え替えをしないまま放置すると、根が混雑して水もちや水はけに影響し、健康な成長を妨げ根が腐る病を招く原因となってしまいます。
栽培中に注意したいこと
西洋クモマソウの栽培中にかかりやすい病気の一つに軟腐病があります。茎や根の組織が腐ってしまうため、もしかかってしまったら傷んだ部分を切り取って栽培するしかありません。六月から八月にかけての高温多湿になりやすい時期にはとくに注意が必要です。西洋クモマソウはもともとが高山植物のため、じめじめとした環境は苦手です。
鉢植えの場合は土の表面がしっかりと乾いたら鉢底から流れ出るくらい水をたっぷりと与えましょう。温かい季節は鉢の下にレンガなどを敷いて風通しや水はけをよくする工夫をしてやることが必要になります。地面からくる熱を防ぎ、根が傷むのを防ぐことができます。
小さめのレンガを鉢の下に二つ程度おいて、その植えに西洋クモマソウの鉢を橋渡しするように置くといいでしょう。暑さには弱い植物のため、花が終わった後そのまま放置しておくと枯れてしまうことがあります。花が終わった後、種を採取しない場合はすみやかに取り除きます。
枯れた花をそのままにしておくと見た目に悪いばかりでなく、湿気をためこみやすくなり病虫害を発生させる原因の一つにもなってしまいます。こみ合った葉は株が蒸れやすくなるため、風通しをよくするために枯れた葉はピンセットでつまむかハサミできりとってきれいに取り除きましょう。
露出している茎の部分を少なくするために土を盛る「増し土」をすると、土に埋めた部分から新しく根を生やすことがあります。株を小さくする「株分け」も効果的な方法です。株を小さくすることで蒸れやすくなる時期を乗り切きやすくなります。気温の上昇にともなって、暑さ対策をすることが枯れさせないコツです。
また、日照不足になるとひょろひょろと間延びして成長してしまうことが多いため、常に日当たりの良い場所に移動させてやると好ましいです。寒さには強い植物ですが、急激な温度変化には弱い面があります。購入してきたばかりの花をつけた状態の鉢や苗ポットは、徐々に寒気に鳴らすようにすると良いでしょう。育て方に注意すれば、毎年かわいい花を咲かせてくれます。
西洋クモマソウの増やし方
西洋クモマソウは種付けの他、挿し芽や株分けをして増やすことが可能です。種付けをするためには種を採取する必要があります。6月か7月あたりに充分に熟して先端が開き切った果実から種を採取します。種付けを成功させるためには、採取した種をそのまままくのではなく、冷暗所に保管しておいて翌年の3月上旬頃に種付けをするといいでしょう。
花が小さいことからもわかるように大変小さい種なので、採取するのは困難かもしれませんが、親株が夏の暑さで枯れてしまったときの保険と考えて種を採取しておくといいかもしれません。株分けをすると比較的簡単に西洋クモマソウを増やすことができます。温かい時期に株が蒸れやすくなるのを防ぐことができるため、植え替えの際に小分けして植えつけましょう。植え替えの際、とれてしまった芽は挿し芽に利用できます。
西洋クモマソウの歴史
原産地はヨーロッパ北部といわれています。漢字で書くと雲間草で、ユキノシタ科の植物です。雲に届きそうな高い山間部に生息することからこの名がつきました。西洋クモマソウはクモマグサと呼ばれることもあり、クモマグサといえば本来日本に自生している高山植物の一つをさします。
現在園芸店などで手に入れることのできるクモマグサはヨーロッパを生息地としている種類を改良したもので、日本に自生している種類とは別種のものです。日本の高山植物の方は入手するのも困難な上、栽培することもきわめて難しい植物のため、園芸店で見かけることはまずないといっていいでしょう。
そのため現在一般的に出まわっているものはもともと日本に自生していた雲間草ではなく「西洋クモマソウ」もしくは「洋種クモマグサ」という名称です。西洋クモマソウという名前は日本に自生するクモマグサと見た目が似ていたことに由来します。
西洋クモマソウの特徴
西洋クモマソウは主に鉢植えで栽培されます。開花時期は早春から春にかけてです。初夏あたりまで、花を楽しむことができます。草丈は環境にもよりますが10cm~20cm前後となります。花の大きさは直径2cm~3cmで、花色は白、ピンク、赤などです。まるで梅の花を小さくしたようなかわいらしい雰囲気の花を咲かせます。
多数の芽が集まってこんもりとした見た目をしており、花茎をにょきっと伸ばして咲きます。花を咲かせていない状態でも、葉が密集してまるで小さな丘のような様子になっている姿はかわいらしく、見ごたえがあります。西洋クモマソウはユキノシタ科ユキノシタ属の多年草に分類されています。
ユキノシタ科の植物の特徴は梅雨時期に咲く花が多いことで、低木もしくは草木として分類されます。およそ1200種が北半球に温帯や寒帯にかけて分布しています。西洋クモマソウは高温多湿を嫌い、日本の夏のじめじめとした暑さは苦手です。園芸店には晩秋から冬にかけてポット苗が出回ることが多いですが、春先に花を咲かせた状態で売られていることもあります。
小さく可憐な花は、梅や桜よりも一足先に春の訪れを告げてくれるようで、つい目をひかれます。原種が高山植物であることを考えると、丈夫に育てるためにはちょっとしたコツが必要になりますが、いくつかのポイントをおさえておけばそれほど難しくはありません。花壇などの大きなスペースがなくても鉢植えで栽培できるため、挑戦してみてはいかがでしょうか。
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