タイサンボクの育て方
育てる環境について
南国を思わせるような大輪の花が魅力のタイサンボクは、自然な樹形で栽培するには広いスペースを必要とするため公園などに植えられることが多いです。日当たりの良い場所から明るい半日陰で、やや湿り気のあるよく肥えた土で生育するのが理想です。
土質を選ばずに育つ大変丈夫な木ですが、植え付ける際には完熟の腐葉土などをすき込んだ土に浅目に植え付けるようにします。生長が早く幹や枝先が強く伸びるのが特徴で、特に木の頂上の部分の芽は強く伸びるので、庭に植える時には他の木と競合しないように、
周囲に十分なスペースをとる事が必要です。また、水分をたっぷりと含んだ気なので年の煙害にも強く、耐火性があります。根が太くて柔らかいため、大木の場合は枯れやすく、移植するには十分な注意が必要です。最も移植に適した時期は4月から5月の上旬、
あるいは9月の上旬から下旬くらいで、移植する前年の3月から4月ごろに根回しをして、細い根をたくさん出しておくよにすれば木を痛めずに移植することができます。乾燥地や埋め立て地などに植栽して気が弱ってくると花が咲かないため、肥料を与え、土壌を改良するようにします。
狭い庭に植える時には乾燥したら必ず水を与えるようにして、他の木に日陰を作ってしまう場合には大きな枝を間引いて日を当てるようにしてやります。枝葉が密生して花芽が出なくなった時には、樹勢が強すぎることが原因なので、太い根を切り、樹勢を弱めてやるようにします。
種付けや水やり、肥料について
タイサンボクは樹高が20メートルにも成長する高木で、成木になってから植え替えるのは大変困難です。大きく育つため鉢植えには向きません。植え付けは真冬を避け、春に行うのが向いており、腐葉土や完熟の堆肥などを配合して、根を傷つけないように注意しながら根鉢をほぐして植え付けるようにします。
土質を選ばない丈夫な木ですが、腐葉土などを使用した土に浅めに植え付けるようにします。植え替えは気が成長を始める前で、真冬の寒い時期を避けて3月から4月に根回しを行い、翌年の4月から5月か、9月ごろに行うのが理想です。水やりは植え付けてから
しばらくの間は土が乾いたら水を与える程度にし、成長したら特に水やりの必要はありません。タイサンボクの花芽は新しい枝の伸びないような弱い枝の先端につくので新しい枝が強く伸びた枝は切って、短い新梢を花を咲かせるために残すようにします。
肥料は2月ごろに油粕や腐葉土、堆肥を株周りに穴を掘って与えるようにします。狭い庭に植える際には庭の他の木に日陰を作ってしまうことがありますが、その際には大きな枝を間引いて日を当てるようにしてやります。タイサンボクは栽培するうえで剪定は欠かせません。
成木になると樹形は自然に整いますが、若木の間は剪定して形を少し整えるようにし、庭木として植えるのにあまり大きくしたくないときには、開花後の新芽が出る前に剪定を行うようにします。伸びすぎたり込み入った枝は、基部から2芽から3芽ほど残して切り取るようにします。
増やし方や害虫について
タイサンボクは接ぎ木で増やすことができます。通常はこぶしを大機にして増やします。休眠期にあたる12月から2月ごろに接ぎ木してやるのがポイントで、その場合種まきから2年ほどのこぶしの木に増やしたい品種を切り継ぎする方法が一般的です。
枝先から5センチほどの長さのものを、目が一つから二つ程度付くようにして切り落とし、穂木にします。大機の株元付近に切り込みを入れて、そこに穂木を差し込んでから接ぎ木テープを使って固定しておきます。また、開花後の新梢を使って挿し木で増やすこともできます。
新梢は6月から7月になると硬くなってくるので、10センチメートルほどカットし、先端の葉の部分を2~3枚残してほかの葉は取り除きます。30分ほど水揚げして切り口に植物成長調整剤を塗って、挿し木用の用土に、葉が触れる程度の間隔で挿します。水は挿し木をした後はたっぷりと与えておき、
日陰であまり風の当たらないような場所を選んで管理するようにします。根が出たら鉢上げをし、地植えにします。苗を購入して育てる場合は、苗が市場に出回るのは3月から5月くらいで、最盛期は4月ごろになるため、早めに購入しておくのがおすすめです。
カミキリムシ、カイガラムシ病害虫はあまり心配する必要はありませんが、小さな苗のころの、まだ木の力が弱い時期に虫がつくこともあります。カミキリムシやカイガラムシなどが発生することがあるのですが、発生したら消毒して駆除するようにします。
タイサンボクの歴史
タイサンボクはモクレン科モクレン属の常緑高木で、北米中南部が原産です。タイサンボクの木は大山木や泰山木という字も使用され大きな花や葉をつけて大木になる姿がまるで大きな山のようだとたとえられ、山のような泰然とした姿からその名がつけられたと言われています。
花が大きな盞の形をしていることから大盞木と書く説もあります。庭木や公園樹としてもよく活用されており、モクレンやコブシなどと同じ仲間であり、大輪で純白の白い花の咲く木です。日本には明治時代に導入された歴史があり、現在では広く栽培されています。
明治12年にアメリカ大統領夫妻が来日した折に上野公園内に植樹されたタイサンボクが、今でも植樹碑とともに公園内に残っています。北アメリカ南部が生息地で、ミシシッピ州やルイジアナ州で自生しており、州の花として指定されています。成木になると樹高は20メートルにもなり、
ゆったりとのびやかに枝を広げた姿はとても雄大な印象を受けます。日本でも広く植栽されているポピュラーな樹木で、自然のままの樹形はとてもスペースを必要とするため、公演などの比較的スペースに余裕のある場所によく植えられています。
そののびやかで雄大な樹形の魅力を楽しむことはできなくなってしまいますが、樹高を2メートルから3メートル程度に剪定しても開花はするので、一般住宅の庭木としても利用されています。ヒメタイサンボクという近い仲間の木は花や葉が小型です。
タイサンボクの特徴
タイサンボクは常緑樹で成木になると樹高が20メートルにも育つ、のびやかでゆったりと枝の広がった姿が山の姿になぞらえるような雄大な雰囲気が特徴です。葉は濃い緑色をして光沢があり長い楕円形をしてその長さが20センチほどにも成長します。
葉の裏側は淡い褐色の毛が密生しており、まるで布を張り付けたようなイメージを受けます。6月から7月ごろに直径20センチメートルにもなる大きな白い花を咲かせ、芳香を放ちます。枝先に上向きに大きな花を咲かせ、萼片が3枚、花弁が6枚からなっています。
その花からはマグノリアの香水をつくることができます。木も大きく成長し、葉も硬くて大きく、花のつぼみは丸くて、花が咲くときにはまるで音を立ててぱっと開くような印象を受けます。耐寒性があり、のびやかに育てるためにはかなりのスペースが必要とされることから、
公園などの比較的広い場所に植栽されることの多い樹です。タイサンボクの樹皮は灰褐色で滑らかで、樹齢を重ねてゆくと次第に不規則に薄く樹皮が剥げるようになってきます。鉢植えにされた苗は小ぶりに仕立てられているのですが、成長が早く複数の幹が立ち上がり、
横にも枝を張るようになり、庭木としては大きすぎる場合、2メートルから3メートルほどに剪定して庭木として栽培することができますが、子の育て方だとタイサンボクの持つのびやかで雄大な雰囲気は激減してしまいます。ただし、剪定してしまっても花はしっかりと咲かせます。花の香りがよく、通年で葉を楽しむことができます。
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