ハナビシソウの育て方
ハナビシソウの育て方
北米カリフォルニア州の州花にもなっているハナビシソウは、野生種の花は鮮やかなオレンジ色が基本ですが、園芸品種にはオレンジ色以外にも白やピンク、混合の花色などがあります。そしてワイルドフラワーとしてほかの草花との混合種子も販売されています。
秋に種をまくと春に花を咲かせ、花が咲いた後には枯れてしまう一年草です。原産地では乾燥した大地に育つ大変丈夫な花で、栽培にもあまり手がかかりません。盃のような大きく開いた形の花型が特徴で、カリフォルニアポピーという呼び名の通りけしの仲間で、最近では一重咲だけでなく八重咲の品種も出ています。
ハナビシソウは花が咲いた後の実をつける前に花茎を切り戻すことで二番花を楽しむこともできます。湿度の高い状態には弱いため、梅雨時期に根腐れを起こすことがあるので、鉢やプランターなどに植えた場合は雨の当たらない場所に移動させ、地植えをする場合には簡単な雨よけを行うようにします。
ハナビシソウは日当たりの良い場所で栽培することが大切です。日当たりが悪い場所で栽培すると花つきが悪くなり、花の色も鮮やかでなくなることもあります。寒さにはとても強い植物なので防寒は必要ないのですが、苗がまだ小さくて弱い場合には株元を腐葉土や落ち葉などで覆うといった簡易な霜よけを行うようにします。
湿度を嫌い、乾燥気味の土壌でよく育つのが特徴なので、土の乾きを確認してから水やりを行うようにし、回数は少なめで、やや乾燥気味に管理するのがポイントです。酸性の土壌を嫌い、水はけの良い砂質の土壌を好みます。庭や花壇に植える場合、土を中和するためにあらかじめ石灰を混ぜ込んでおくのが理想です。鉢やプランターなどを使って栽培する場合には赤玉土が7割、腐葉土が3割の割合で混ぜた土を使用します。
肥料は種付けをする、あるいは苗を植え付ける場所にあらかじめゆっくりと効く化成肥料を混ぜ込んでおきます。そして3月に追肥として化成肥料を与えます。ただし、この時には窒素よりもリン酸カリ成分の多い肥料を与えるようにします。窒素分の多い肥料を与えすぎると、茎や葉が伸びすぎて株の姿が乱れ、花付きが悪くなります。ハナビシソウは移植を嫌うので、一度植え付けたら植え替えは行いません。
ハナビシソウの増やし方
ハナビシソウは直根性で移植を嫌うため、種付けによって鉢や花壇に直まきする育て方が理想です。発芽に最適な気温は15度から20度くらいなので、秋の気温が涼しくなってからまくようにします。ただし、冬に気温がマイナス5度以下になるような寒冷地や雪の多い地域では秋ではなく春まきの方が安心です。
春まきの場合は秋まきのような大きな株にはならないので、株の間隔を狭くして、やや密植するようにします。寒冷地なら5月、それ以外の地域は9月から10月の中旬が種付けに適しています。植える場所がまだ決まっていなかったり、種付けに適した時期に、まだ花壇の場所が空いていないという場合には、ポットに種をまいて苗を育て、春に植え付けるということもできます。
種の蒔き方としては、間隔を20センチメートルほどとり、1箇所あたり4粒から5粒ずつ種をまき、種が薄く隠れるくらいに覆土をします。ただし、株間のこの間隔はあくまでも目安で、植える場所の条件や蒔く時期などによって加減するようにします。
株が混みすぎると、花の付きが悪くなったり、立ち枯れ病や灰色かび病などが出やすくなる可能性もあります。発芽したら本葉が2枚から3枚出たころに2本から3本に間引いて、その後本葉が5枚くらいになったころに同じように間引いて1本にします。
ポットに蒔くときには一つに4粒から5粒程度種をまき、その後は同じように最終的に1本を残すようにします。3月になって、気温も暖かくなってきたら、できるだけ土を崩さないようにしてそっと植え付けるようにします。ハナビシソウは根を乱暴に扱って傷めてしまうと根付きにくくなるので注意が必要です。
ハナビシソウがかかりやすい病害虫
多湿の状態を嫌うので、水はけの悪い土壌で育てていたり、風通しの悪い環境下といった育て方をすると、根腐れ病が発生することがあります。根腐れ病はかかってしまうと茎が変色してしまい、葉がしおれ、最終的には枯れてしまいます。この病気の病原菌は、病気にかかっていない健康な株にも伝染してしまうので、病気にかかった株を見つけたらすぐに引き抜いて処分する必要があります。
また、発芽したばかりの小さな苗のうちは、立ち枯れ病などが出ることもあります。水はけと日当たりの良い場所を選ぶ育て方をし、肥料や水の与えすぎには十分に注意します。また、春から初夏にかけてつぼみや新芽、葉の部分などにアブラムシが発生します。アブラムシは植物の葉や茎などの汁を吸い、その部分が白く色が抜けてしまったりします。アブラムシを見つけたらすぐに殺虫剤を使用して駆除するようにします。
ハナビシソウの歴史
盃のように大きく開いた花の形で、鮮やかなオレンジ色の花を咲かせます。カリフォルニア原産の小型種で淡い黄色の花がたくさん咲くので、花壇やコンテナなどに利用されています。北米カリフォルニアの州花にもなっており、生息地はネバダ州からテキサス州まで広く自生しています。
ハナビシソウ属の学名は自然科学者でロシアの医者でもあるエッショルツ氏の名前に由来します。野生種の花色はオレンジ色が基本ですが、園芸用の品種には赤やピンク色、白などがあり、一重咲きで花色混合のミックスの種も流通してます。原産地では乾燥した大地にたくましく育ち、花を咲かせます。
花後に枯れる一年草で、4つの花弁が開く姿が紋所の花菱紋に似ているところから、ハナビシソウという名前が付けられました。カリフォルニア・ポピーの名称でも親しまれている花です。ポピーという呼び名でもわかるようにハナビシソウはけしの仲間で、最近では様々な品種を見かけるようになりました。
ハナビシソウの特徴
鮮やかなオレンジ色のハナビシソウは、満開になると地面を覆い尽くしてまるでオレンジ色のカーペットを敷いたようになり、遠くからでも鮮やかなオレンジ色が目立ちます。輝きのある花で、日中には開き、夜間や雨の日などは花が閉じています。
開花期が長く、育てるのにあまり手がかからず丈夫であり、ワイルドフラワーとして他の草花との混合種子も販売され、直蒔きで栽培されることもあり、自然のお花畑のような花壇として楽しむこともできます。草丈は30センチメートルから60センチメートルくらいで、花は大輪のもので直径が6センチほどになります。
ハナビシソウは、そのほっそりとした風貌の風にそよぐ花と細かな切れ込みの入る葉の形で、何ともいえないやわらかいイメージを与えてくれます。主な種類に、花色が鮮やかな大輪で草丈もよく伸びるオレンジキング、花がセミダブルになっている混合品種のバレリーナ・ミックス、花はセミダブルでピンク系の花色のローズ・シフォン、同じく花はセミダブルで、淡黄色系のミルクメイド、淡い黄色の花で花径が2センチから3センチくらいです。
また、草丈は30センチメートルほどの小型でミニチュア・サンデーの名前でも出回るヒメハナビシソウなどがあります。花も現在は様々な色や一重咲き八重咲きなどの品種がみられるようになり、花なの色や形にも特徴がありますが、円錐状のつぼみも、とても可憐な姿を楽しませてくれます。
花の育て方や緑のカーテンの作り方を知りたい方は下記の記事も凄く参考になります♪
タイトル:スカビオーサの育て方
タイトル:ポリゴラムの育て方
-
キングサリの育て方
キングサリの科名は、マメ科 / 属名は、キングサリ属です。キングサリは、ヨーロッパでは古くから知られた植物でした。古代ロ...
-
ハナトラノオの育て方
ハナトラノオは北アメリカ東部を原産地とする植物であり40センチから1メートル程度の大きさに育つ多年草の草花です。かわいら...
-
熱帯スイレンの育て方
スイレンは18世紀以前から多くの人に愛されてきました。古代エジプトにおいては、太陽の象徴とされ大事にされていましたし、仏...
-
キンバイソウの育て方
キンポウゲ科キンバイソウ属に属する多年草で、その土地にしか生えていない固有の種類です。過去どのような形で進化してきたのか...
-
サルビア・スプレンデンスの育て方
サルビア・スプレンデンスは、ドイツ生まれの植物学者セロウによってブラジルで発見されました。彼はブラジルを中心に植物探検を...
-
バオバブ(Adansonia)の育て方
バオバブは古くから人類の歴史と深く関わり続けている樹木です。人類が2足歩行をする400万年前以前からフルーツや葉を食料と...
-
オンファロデスの育て方
オンファロデスは、ムラサキ科、ルリソウ属(ヤマルリソウ属)です。オンファロデスは、北アフリカやアジア、ヨーロッパなどが原...
-
ペンステモンの育て方
ペンステモンが文献に初めて登場したのは1748年のことでした。その文献を書いたのはジョン・ミッチェル氏でした。その当時の...
-
マダガスカルジャスミンの育て方
一般的なジャスミンはモクセイ科になります。キンモクセイなどと同じ仲間です。同じような香りをさせています。一方この植物に関...
-
インパチエンスの育て方
暖かい時期に、色とりどりの美しい花を咲かせるインパチエンスは、熱帯や亜熱帯の地域が原産地です。アフリカやインドといった高...
盃のように大きく開いた花の形で、鮮やかなオレンジ色の花を咲かせます。カリフォルニア原産の小型種で淡い黄色の花がたくさん咲くので、花壇やコンテナなどに利用されています。北米カリフォルニアの州花にもなっており、生息地はネバダ州からテキサス州まで広く自生しています。