エスキナンサスの育て方
育てる環境について
エスキナンサスを育てる最適な環境は、春から夏にかけての直射日光を避けた明るい日陰となります。吊り下げるタイプの鉢を利用し、ベランダや庭木にぶら下げて栽培するのも良いですが、その際には直射日光が当たらないように気をつけるようにします。
この他、1月から4月の冬から春にかけて及び、9月半ばから12月までの秋から冬にかけては日当たりの良い室内で育てるようにします。一方5月から9月はじめの初夏から初秋にかけては明るい日陰で育てます。高温多湿な環境を好むエスキナンサスは、バスルームやキッチンで育てることもできます。
育て方としてこの他にも、冬の寒さには弱いため気温10℃以上のところで育てるようにします。気温5度まで耐えることができるエスキナンサスですが、夏から春にかけての開花となるため冬越しが重要となります。花を咲かせるためには、冬場でも歯を生き生きとさせている必要があり、
そのためには室温が10度以上であることが望ましいものとなります。このため冬場には日当たりの良い窓辺で、直射日光が当たらないようにカーテン越しの光を当てるようにします。また冬場は鉢の土は乾かし気味を保つようにします。水やりが多すぎると、
葉が落ちてしまうことがあります。気温が低い場合には、葉水をかける程度の水やりで十分となります。エスキナンサスの開花時期は、5月の初めから8月の終わりまでの、夏の間に開花する種類のものが多くなっています。
種付けや水やり、肥料について
エスキナンサスの水やりは、1月から3月まで及び10月から12月までの冬場にかけては、乾かし気味を保つようにします。また4月から6月までの春から夏のはじめにかけて、及び9月は土が乾いたら水を与えるようにし、7月と8月の盛夏には、毎日水やりを行うようにします。
更に東南アジアが原産であるこの植物は、高温多湿な場所を好むため、湿度を高めるために葉水を与えるようにします。一方で水のやり過ぎは葉が落ちる原因となるため、適度に行うようにします。肥料は5月から10月半ばまでの間にかけて、緩効性の置き肥を2ヶ月に1回施します。
緩効性の肥料とは、一度与えると長い期間穏やかに効果を発する肥料をいいます。鉢の土の上に置くもタイプのものの他にも、用土に混ぜて使用するタイプのものがあります。エスキナンサスに用いる土には水はけの良い物が適しています。このため排水性や通気性の良い赤玉土と、
湿地のミズゴケが発酵したピートモス、落葉を発酵させたもので、保水力の一方、排水性や通気性のよい腐葉土を混ぜたものを用います。これらの土はそれぞれ、5:3:2の割合で用います。エスキナンサスはカットしたつるを鉢に植えてから、3、4ヶ月位でこんもりと仕上がります。
この他、つるが伸びすぎた場合や枯れてしまった葉や茎がある場合には適度にカットする必要がありますが、この植物はつるの先に花が咲くため、あまりにカットを繰り返しすぎていると、今度は花が咲かなくなってしまうため注意するようにします。
増やし方や害虫について
エスキナンサスの増やし方は、春から夏にかけて株分けを行い挿し木にすることとなります。つるはカットして4、5センチほどにして5号鉢の土に10本を目安に、挿し木にします。1ヶ月ほどで根が出はじめたら、それぞれを別の鉢に植え替えるようにします。
それから3、4ヶ月ほどで十分な大きさに成長します。よりこんもりとした雰囲気が好みの場合には、茎の先端を摘み挿し木にします。エスキナンサスの害虫は、主に4月から10月までの春から秋にかけて、ハダニやカイガラムシが発生します。
ハダニとは葉の色を城や褐色に変色させるもので、放置すると葉が落ちてしまいます。また、カイガラムシは葉や茎に付着しすす病が発生する原因となります。すす病とは、カイガラムシやアブラムシなどの害虫の排泄物に、黒かびが発生したものを言います。
これが葉全体に広がると、光が不足し光合成を妨げることになります。ハダニには殺ダニ剤、幼虫のカイガラムシの場合は薬剤の散布、成虫のカイガラムシには歯ブラシでこすり落とすという対策をします。またすす病については、殺菌剤と殺虫剤を散布することで駆除や予防をすることができます。
この他雨の多い時期に発生しやすい、炭そ病もあります。これは葉や茎に発生するもので、その初期症状には灰褐色から黒褐色のくぼんだ円形の病斑が現れます。進行すると葉に穴が開き、最終的には枯れてしまうことになります。これを見つけたら、早めに殺菌剤を散布し対応します。
エスキナンサスの歴史
エスキナンサスとは、イワタバコ科の観葉植物です。半つる性で赤い花をつけるこの植物は、レイアウトをすることで、南国風のエキゾチックでありながらお洒落な雰囲気を演出してくれます。またこの植物には耐陰性があるため、バスルームやキッチンの窓辺にレイアウトすることができ、
お家の中の様々な場所で楽しむことができます。バスルームにレイアウトする場合には、冬場の寒暖差に注意するようにします。この他、育てやすさの難易度は、普通となっています。エスキナンサスの名の由来は、ギリシャ語で恥じらいを意味するエスキンから来ています。
鮮やかな赤やオレンジの花が、まるで恥じらって赤面しているようなところからその名がつきました。このようなエスキナンサスの鮮やかな花は、栽培する際の楽しみの一つとなります。これ以外にも、エスキナンサスは光沢のある美しい葉も魅力となっています。
エスキナンサスは熱帯地方に約160種もの種類があると言われる植物ですが、一般に出回っている種類には、ラディカンスやミクランツスなどが挙げられます。ラディカンスは別名リップスティックともよばれ、赤や橙色で筒状の花が咲きます。
またミクランツスは、暗赤色の小さな花を咲かせます。この他にも、東南アジア原産のマルモラツスは、明治後期に日本に入ってきました。この種類は葉の大理石状の模様が魅力で、花は黄緑色葉の地味なもののため、葉の鑑賞を楽しむことがメインとなります。
エスキナンサスの特徴
エスキナンサスとは、マレー半島やジャワ島などが原産地で、生息地は赤道直下とその周辺の熱帯アジアとなっています。エスキナンサスの別名はハナツルグサ、バスケットバインなどとよばれます。この植物は常緑の半つる性植物で、樹上や岩の表面に根を張り付けるように生息しています。
つる性で茎が垂れ下がるタイプのものの他、茎を直立させるタイプのものもあります。花が咲く時期は5月から8月という、夏の間となっています。この植物は耐陰性がある他、湿度と気温の高い場所を好むため、バスルームやキッチンなどに飾ることができます。
またどちらかと言えば、和室よりも洋室へのレイアウトに向いています。その特徴から、白く細長い鉢でつるを垂らす、ぶら下げるタイプの鉢を利用しそこからつるを垂らすというように、様々なレイアウトを楽しむことができます。この他熱帯の植物でありながら、
耐寒性や耐乾燥性は普通となっており、育てるのがそれほど困難というものではありません。つる性の観葉植物は、放置して茎が長くなりすぎると、見た目のバランスのみならず、株元の葉が少なくなる、風通しが悪くなるなどといったことが起こります。
このため間延びした茎は全体のバランスを踏まえ、園芸用のはさみで状態を見ながらカットするようにします。この他、枯れた葉や茎もこまめに取り除くようにします。エスキナンサスは観葉植物として販売されている他、植物園の温室でも栽培されて見ることができる場合もあります。
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