プレウロタリスの育て方
育てる環境について
プレウロタリスの原産地は南アフリカと中央アフリカであり、熱帯雨林の地域に多く自生していますが、亜熱帯や温帯でも生育が可能なように品種改良されてきていることもあり、日本でも栽培が可能です。ただし四季の変化が豊かな日本では、温度調整と湿度調整が欠かせません。
耐寒性が弱いですから、越冬は室内で、なおかつエアコンやストーブなどの暖房機器類により一定温度を保持する必要があります。日本の冬は乾燥しやすいので、暖房で室内を温かくしても湿度が低すぎると枯れてしまいます。ですから加湿器を有効活用して、
温度だけでなく湿度も適切に管理するように心がけましょう。耐暑性もやや弱いため、真夏の高温には要注意です。人間が熱中症にかかりやすい温度や湿度の条件の日は、エアコンで涼しくしてある部屋のほうが、かなり安全に管理できます。熱帯雨林からの植物であるからといって油断してしまうと、
真夏に枯れてしまうことにもなりかねませんので、栽培しているときは温度計と湿度計を常備していると良いでしょう。自生地以外の場所では、屋外での栽培には不向きです。しかし地植えにすることも可能ですから、鉢植えから地面に植え替えるときには、
土壌の排水性と保水性を確認し、栄養たっぷりの土壌に整備しておきましょう。鉢植えで栽培する場合でも、一般的な培養土や腐葉土だけでなく、ピートモスや吸水性の高い苔を抱負に混ぜ合わせると良いでしょう。温度管理、湿度管理、水分調整が重要ポイントです。
種付けや水やり、肥料について
プレウロタリスは乾燥を嫌いますので、水やりは重要です。こまめに水やりを行うのも良いのですが、土の保水性を高めておくほうが、より効果的です。土にピートモスや苔を混ぜ合わせておくことで保水性を高められます。着生植物の特性を活用し、
木片やバークと呼ばれる素材を土に混ぜておくのも良い方法です。木片やバークは水分を吸収してくれますし、着生植物の根が張るのにも適した素材です。水やりのポイントは、株全体が潤うように与えることです。霧吹きを使用して、葉全体に水を散布するのも良い方法です。
鉢植えの土は、株元だけでなく、鉢植えの土の表面の全体面が、しっかりと濡れて潤うように水やりを行いましょう。乾燥を嫌うだけでなく、水を欲しがる性質がありますので、注意深く観察しながら、ジョロや霧吹きなど道具にも工夫をこらして、適切な水やりを心がけると良いでしょう。
肥料は液体肥料が理想的です。着生植物ですから、基本的に土に根を下ろさないで成長しようとします。土から栄養分を吸収するという育ち方に馴染んでいませんので、土に関係なく栄養分を吸収できる液体肥料が理想的です。もちろん鉢植えであれば土があるわけですが、
観賞用に鉢植えとして整備するための土なのだと覚えておきましょう。弱りやすい真夏の高温時は肥料を与えないようにします。過剰な肥料は、かぇって株を傷めてしまうからです。真夏を避けて、5月、6月と梅雨の時期に液体肥料を与え、夏の暑さが和らいできた9月と10月に追肥として液体肥料を与えると良いでしょう。肥料の頻度は週に一回程度です。
増やし方や害虫について
プレウロタリスは株分けという方法で増やすことが可能です。株分けを行うときは、まず最初の株が大きく育ってきていることを確認して、5芽以上が1株につくようにバランスに配慮すると良いでしょう。5芽よりも少ない状態で株分けを行ってしまうと、どちらの株も弱ってしまいやすく、
弱ってしまうとなかなか回復しにくいのが特徴です。まずは株そのものが強くなっている必要がありますので、ある程度の大きさに成長するまでは安易に株分けを行わないほうが無難です。プレウロタリスは耐寒性と耐暑性が弱いのが難点ですが、病気にかかりくいのは嬉しいポイントです。
病気になりにくいので葉や茎が溶けてどろどろになってしまうことがなく、小バエが繁殖しにくいというメリットになっています。害虫が好んで寄り付くことも少ないため、虫害が少ないほうです。ただしナメクジが葉や茎を食べてしまうことがあります。
室内で栽培していても、屋外から侵入したナメクジがいると、狙われてしまうことがありますので注意しましょう。害虫対策には、殺虫剤の散布よりも、株にダメージを与えずに害虫忌避効果を得られる天然素材の忌避剤が理想的です。天然のヒノキやヒバから抽出した天然精油成分を、
水で希釈して葉と茎に散布しておけば、ナメクジ予防にも効果的です。ナメクジが多く寄ってきてしまうことがあれば、鉢植えのそばにビールを入れた容器を設置しておくことで、ナメクジがビールを求めて移動しますので、容易に駆除できます。
プレウロタリスの歴史
プレウロタリスの原産地は、アメリカ大陸であり、主に中央アメリカと南アメリカです。そのなかでも熱帯アメリカと呼ばれる地域に、生息地が広く分布しています。亜熱帯気候と熱帯気候に広く分布しており、コロンブスの新大陸発見の時代以降に、ヨーロッパにも紹介され始めました。
スペインとポルトガルが南アフリカを開発する時代になってから、ランの生息地が多く発見されるようになり、現代にわたって親しまれるようになってきました。中央アメリカと南アメリカの熱帯地方はジャングルが密生しており、ランの品種が豊富ですが、
まだまだ未発見の品種が多いのも特徴です。プレウロタリスは、着生植物です。多年草のランの一種に該当します。ランは地生ランと着生ランの二種類に分かれており、プレウロタリスは着生ランにあたります。寒冷な気候のヨーロッパでは育成が困難であるため、
品種改良によって、温帯でも育てられるようになってきました。着生植物でありながら鉢植えで栽培されることが多いのも、室内での観賞向けに品種改良されてきたことが多いのも影響しています。もともと熱帯雨林に自生している着生植物であるため、育て方は容易とは言えません。熱帯雨林の地域の特徴である、
高温多湿な環境に適しているため、乾燥を嫌う傾向が強いです。そのため、観賞用に育成しやすいように、品種改良も盛んに行われています。いまなお品種改良が行われ、新しい品種が誕生しつつあると言えます。温度管理だけでなく、湿度管理も重要ですが、一般的に育てやすいように改良されてきています。
プレウロタリスの特徴
プレウロタリスは着生植物です。着生植物は、他の植物に根を下ろして成長する植物です。他の植物ではなく岩盤そのものに根を張ることもあります。基本的に地面には根を下ろさないというのが特徴です。生息地である中央アメリカや南アメリカでは、土壌に根を下ろさないまま成長しています。
着生植物は他の植物に根を下ろしているものの、その植物から栄養分を吸収していませんので、寄生植物とは異なる性質です。プレウロタリスは岩盤にも根を張ることが多く、家庭での観賞用に鉢植えとして栽培しやすい要素になっています。プレウロタリスは常緑性です。
花は小さくて、茶色、緑色、黄色で、濃い赤も存在しています。熱帯雨林に自生していることもあり、耐陰性が備わっていますので、日陰も育ちます。室内で栽培するのにも適しています。ただし耐寒性は弱いので、冬の季節には注意が必要です。熱帯雨林に自生しているものの、
耐暑性も弱い傾向にあるため、高温多湿な日本の気候には適している一方で、真夏の高温には弱いです。室内での栽培であれば、エアコンによる温度調整が必要です。花と葉は密接な関係にあるため、葉の上にピッタリと成長して咲いたり、葉の裏に成長して咲いてしまうこともあります。
品種によっては、長めの穂状の花茎に育ちます。長めの穂状の花茎に育つと、細かな花が多く咲きやすくなりますし、花が密集してきますので、とても豪華に感じられます。小さくて繊細でありながらも、花の数によっては豪華にも見えてくる着生植物です。
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