オドントグロッサムの育て方
育てる環境について
育てる環境は日本の場合には春の半ばには戸外に出して陽の光を3割程度遮光して栽培をするのですが、梅雨が開けて夏の暑さが本格化してきた段階で陽の光をあまり当てないようにして栽培をしていきます。また日本の夏に耐えることができるように葉の部分に頻繁に水をかける必要があります。
とくに夜の時間帯の気温が暑い場合には暑さを和らげるために夕方にも葉水を行って植物の温度を下げておきます。暑い夏の時期が終わったら、秋の終わりくらいから室内に取り込んで窓辺に置いて栽培をします。もともとはアンデス山脈の高地が原産地なので原種は
暑さに弱いために夏の管理が非常に難しいので初心者にはかなり難易度が高いとされています。また花茎の部分の強度があまりないので、支柱を取り付けるなどして支える必要もあります。オドントグロッサムは花の大きさや色彩、模様などの様々な要素があるので、
いろいろな品種があるので楽しみながら育てることができるのが特徴となっています。日本の場合は北海道や東北地方などでは夏の気温が関東の平地などと比べると低いので、育てやすいのですが、関東よりも西の地域で栽培する場合には暑い季節の管理の難易度が
かなり高くなります。1970年代まではヨーロッパで栽培されているオドントグロッサムは日本で育てることができなかったのですが、現在では品種改良がかなり進んでいるので日本のような高温多湿な地域でも工夫をすることで育てられるようになっています。
種付けや水やり、肥料について
水やりに関してはラン科のすべてに共通しているのですが、根の部分が乾燥すると全体のコンディションが悪くなるので、一年を通して土の部分が湿っているようにする必要があります。また春の終わりから初夏にかけては生育期なので普段よりも多めに
水を与えるようにして生育を促すようにすると美しい花を咲かせることができます。真夏に弱い植物なので暑さをしのぐために頻繁に全体に水をかけて湿らせておくことが大切です。肥料に関しては4月後半に緩効性の化成肥料を置き肥して、さらに10月の初旬くらいまで
毎週1回液体肥料を与えると大きな花を咲かせることができるのですが、気温が高い時期は生育が止まるので液体肥料を中止しなければなりません。用土に関しては素焼きの鉢にミズゴケなどを植えることで夏の暑さ対策をすることができます。
素焼きの鉢は表面からも水分が蒸発するので鉢の内部の温度を下げることができます。プラスチック製の鉢でも良いのですが、素焼き鉢とミズゴケの組み合わせが一番メジャーな栽培方法となっています。植え替えは4月初めに行うのが良いとされていて、2年に1度の間隔で
植え替えを行うと体力を衰えさせることなく植え替えをすることができます。夏に水を多めに与えなければならないので、2年以上経つと植え込みの材料が劣化してしまって、根を傷めてしまうことがあるので、2年程度を目安にして定期的に植え替えをすることで根を健康的に保つことができます。
増やし方や害虫について
オドントグロッサムの増やし方は春に株分けをすることが一般的で、バルブの数が8個から10個くらいになってから行って、ブルブが3以上で1株として分けていきます。あまり小さく分けてしまうとあまり育たない場合があるので、3個位を目安にして株分けをする必要があります。
害虫に関してはハダニの被害が多いのですが、病気や害虫にはかなり強いのでほとんど心配はないとされています。ハダニは葉の裏側につくので、霧吹きなどで葉の裏に水をかけるだけで駆除することができますが、できない場合には薬剤を使用して駆除する必要があります。
また花をつけている時期には極稀にナメクジによる食害が起きることがあるので、大量にナメクジが発生した場合には市販されている誘殺剤などを使って駆除をしなければなりません。数が少ない場合はピンセット等で取ることもできるのですが、
小さなナメクジもいるので薬剤で一度に駆除したほうが管理が楽になります。基本的には水分を多量に必要とする品種なので春から初夏にかけてはナメクジが発生しやすい環境になってしまうので、毎日注意をしながら栽培をしなければなりません。植物の中でも柔らかい部分を好んで食べてしまう性質があるので、
花弁だけでなく新芽や若い葉の部分なども食べてしまうことがあります。ナメクジに食べられてしまうとせっかく育てた美しい花が台無しになってしまうので、鉢の底の部分やブロックの下に隠れているナメクジを見つけて取り除いておくと被害を防ぐことができます。
オドントグロッサムの歴史
オドントグロッサムはラン科の植物で様々な品種が含まれています。オンシジウムに近い植物で花弁が大きくて、斑紋が入っているものが多いので美しい花に人気が集まっているので愛好家の数も非常に多くなっています。多くが洋ランとして育てられているのですが、
交雑されているものも数多くあります。オドントグロッサムは着生ランで花がかなり大きくて、さらに色彩が多様で模様なども入っていることからとても人気のある品種で、観賞価値が非常に高いとされています。ヨーロッパでの栽培の歴史はかなり古く、交配も盛んに行われてきました。
原産地は中南米であることが多く、標高が高い山地が生息地である品種も多いので耐暑性が非常に低いので日本では育て方が非常に難しいことからあまり流通していませんでしたが、現在では園芸的な評価が非常に高くなっているので、日本国内でも流通するようになっています。
しかし日本の夏は非常に暑いのでほとんどの地域は栽培に適していません。また人工的に作られた品種もかなり多いのですが、それらもオドントグロッサムという名称で販売されているので、注意が必要です。常緑性の多年生の植物でサイズが大きなものもあります。
地上で自生していることもあるとされているのですが、一般的には着生がほとんどです。分布している地域は中央アメリカから南アメリカのコロンビアやペルー、ボリビアなどに多く自生しているとされていて、アンデス山脈はとくに有名になっています。
オドントグロッサムの特徴
オドントグロッサムは非常に美しい洋ランとして評価が高いので世界中で栽培されていて、彗星蘭とも呼ばれています。原種の栽培と交配によって作られた品種の両方共が流通しているので、原種を見分けるのが非常に難しくなっています。
花の色は赤やピンク、白、黄色などが多いのですが、これらに加えて美しい模様が入っていることから、個性的な色彩のオドントグロッサムなどは高値で取引されることもあります。花持ちの良い品種なのですが、開花の時期が決められていないので、
咲く時期に関しては個体によって違うとされています。また多くの品種があるのですが、変異によって誕生したものも数多くあり、白やピンクの花がとても大きくて美しいので人気となっています。またこの種に関しては現在でも交配がさかんに行われているので、
様々な色彩のものが生まれています。世界的にはかなり人気のあるオドントグロッサムなのですが、日本の平地では栽培することが難しいので改良が進められた結果として、現在のように栽培できるようになっています。また現在では花茎の部分をアーチ型に整えることで
ギフトとして送るために栽培されることも多くなっていて、様々な用途で利用されるようになっています。高地で自生している美しい品種に関しては日本ではあまり栽培されていないので、流通しているものは1970年代から改良が進められて、その結果作られた品種が流通していることが多くなっています。
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