イトスギの仲間の育て方

イトスギの仲間の育て方

イトスギはヒノキ科イトスギ属に属するイトスギの仲間を総称しています。サイプレスやセイヨウヒノキと呼ばれることもあり、主に北半球を生息地としています。公園樹や造園樹として用いられることが多く、世界中で見かけることができます。

育てる環境について

育て方は比較的容易で、初心者でも上手に育てることができます。水はけがよく、日当たる場所を好みます。鉢植えにする場合には、水はけのよい有機物を多く含んだ土を用意します。赤玉土の中粒と、完熟腐葉土や樹皮堆肥などを2対1割合で混ぜたものを作っても、

また市販されている培養土でもよく育ちます。育ちは大変旺盛で、庭植えすると大きくなるのもかなり早い印象です。上に上に成長するため、根の張りは粗く、強い風によって倒れてしまうことも珍しくありません。単体で植えるなどを避け、支柱を使うことがオススメです。

特に台風に見舞われやすい地方の場合には、植え方や植える場所への配慮が必要です。観賞用の品種も栽培され、小さな寄せ植えなどに使われるのも目にします。そういったものはかなり小さくかわいらしいものですが、入れ物によって大きさが抑えられているだけのこともあり、

植え替えるとどんどん大きくなってゆくこともあります。小さいからといって、植え替えの時に後々のことを考えないと後からの植え替えが大変になります。大きくなることを想定して場所を決めることが賢明です。刈込には充分耐えますので、必要に応じて切り込むとよいでしょう。

イトスギの仲間は主に北半球に分布していますが、その中でもカシミールイトスギはヒマラヤ山脈東部に分布し、アリゾナイトスギは アリゾナ州からメキシコ北部にかけて分布、ホソイトスギは地中海沿岸からイランにかけて分布するなど、

その種類によって若干原産が違うものもあります。原産によって若干寒さへの耐性などが違いますが、全体的に見て暑さに強く寒さにも耐える傾向にあります。よほどの凍土でない限り、成長に支障は出ません。

種付けや水やり、肥料について

種まきよりもコニファーのようにポットなどで売られているものを用いて植え替えるケースの方が多く見られます。ポットだと根を切ることなく植えつけができますので簡単で、植え付け時期も選びません。もし種付けから行うのであれば、10月から11月が適しています。

この時期に茶色く熟した球果を木から採ります。球果が熟すのには2年ほどを要しますので、その点注意が必要です。採取した球果を直射日光を避けた風通しのよい場所で乾燥させれば、タネを取り出すことが容易になります。タネはできる限り早急に清潔にしている土に撒きます。

覆土は5mm程度です。たっぷり水を与えておきます。肥料は庭植えや鉢植えの差に限らず、植え替えを行った時に有機質肥料か緩効性化成肥料を元肥として与えるとよいでしょう。植え穴、もしくは鉢土の底におきます。庭植えの場合は、それ以外、よほどのことがない限り肥料を与える必要はありません。

鉢植えの追肥は3月。化成肥料を株元におきます。水やりは、鉢植え、庭植えともに、植えつけ2年未満については、土の表面が乾いたら時にたっぷり水やりをするようにします。鉢植えの場合、2年以上経てば夏場の水切れしてしまうことに注意すれば、そこまでマメにに水やりは必要なくなります。

庭植えの場合には、植えつけ2年経過の株に水やりは必要なくなります。手入れは主に剪定になります。どんどん成長しますので、ある程度予定していた大きさに育ったときから、刈り込むか枝を切り戻しなどして大きさを調整し、枝を間引くような剪定をします。

これによって成長しすぎを防止し樹形が維持できますし、枯れも防げます。刈り込む時期は2月から3月が適しています。刈り込むことで切り口の変色が若干気になりますが、この時期に刈り込むと新芽の季節が次にやってきますので、それによって目立たなくなります。

増やし方や害虫について

イトスギの仲間の中でも、コニファーであればポット生産も多く、それを使って増やすのが簡単ですが、どのイトスギの仲間も挿し木で増やすことも可能です。2月から3月に行うのが適しています。前の年に伸びた枝を対象に、先端10cm程度を採取します。

切り口はカッターナイフなどを使って斜めに切り整えておきます。それを2時間ほど水あげしておき、その後清潔で柔らかな用土を入れた鉢にさします。挿し木をした後は乾燥に気をつけて、鉢のまま透明ビニールの袋で包み密閉しておきます。管理は直射日光を避けた明るい場所を選びます。

植え付けの場合には、ポットであれば根切れもなくいつの季節でも植え替え出来ますが、根を切る移植方法や根巻き株で植えつけるときには、庭植え鉢植えに限らず、11月から3月、もしくは梅雨の季節が適しています。害虫は主にスギドクガが付きます。

鮮明な黄緑色の体に茶色と白色の体毛が生えています。見るからに毒々しく刺されそうな雰囲気がありますが、毒は持っていませんので触っても痛みがありません。主に年に2回の食害に見舞われます。4月から6月、7月から8月の季節です。樹冠内部の方から葉を食べるので、

外から見てもなかなかわかりにくいものです。害を受ける時期になったら、ふんが根元に落ちていないかで確認し、見つけたら駆除に努めます。病気は葉枯病によく掛かります。葉が茶色く枯れますが、病原菌の種類によって枯れ方が違います。この病気はカビが原因で、

越冬を土の中でした菌が風や雨で飛散されることによって感染します。樹冠内部の風通しを良くすることで予防します。特に梅雨時期は被害が拡大しがちですので、特に注意しましょう。また根元に積っている落ち葉をマメに除去し、マルチなど泥はねを防いでおくと発生が抑えられます。

イトスギの仲間の歴史

イトスギはヒノキ科イトスギ属に属するイトスギの仲間を総称しています。サイプレスやセイヨウヒノキと呼ばれることもあり、主に北半球を生息地としています。公園樹や造園樹として用いられることが多く、世界中で見かけることができます。

イギリスでは、邸宅のドアをイトスギで制作するなどが良く見られます。ギリシャ神話の中では、アポローンに愛されたケオース島に住む美少年キュパリッソスが姿を変えた木となっています。キュパリッソスはその島で大切にされていた金色の角を持つ雄鹿を大変仲良くしていました。

ある時誤って自分の投げた槍で牡鹿を殺してしまいました。嘆き悲しんだキュパリッソスは、この悲しみを永遠に忘れたくないと神々に願います。その願いを聞き入れた神々が、キュパリッソスを悲しみの象徴とされたイトスギに変えました。この話が今に伝わっているのですが、

欧米ではここから、イトスギを死や喪を表すものと位置づけました。花言葉は「死」「哀悼」「絶望」です。イエス・キリストもまた、イトスギで作られた十字架に貼り付けされたとされています。しかしタロットなどの解釈でも明らかなように、死は忌み嫌うものとばかりは言えません。

古代エジプトや古代ローマにおいては、イトスギの仲間は神聖な木として信仰の対象にもなっていました。近頃一般的な家庭でも植樹されているのを良く見かけるモントレーイトスギも、イトスギの仲間です。「ひまわり」で有名なフィンセント・ファン・ゴッホも、イトスギを題材に、多くの作品を残しています。

イトスギの仲間の特徴

イトスギは、ヒノキ科の模式です。ヒノキ科は英語でサイプレス科となっていますので、イトスギの仲間には「サイプレス」が付帯している呼び名で呼ばれることが多いのです。枝の広がりが適度で、幹が細く高く成長します。独特の樹冠によってきれいな円錐形を作るため、クリスマスツリーにも使われます。

死の象徴として墓地にもよく植えられています。死の象徴とキリストの誕生に感謝するクリスマスとは、日本人の感覚では若干理解しがたいものがありますが、死は「絶望」であると同時に「再生」「復活」であり「希望」です。すべてが「神聖」につながるものですので、そこに整合性のなさはありません。

腐敗しにくい特徴から、建築材や彫刻、棺桶などに用いられてきました。フラメンコギターの側板裏板にもイトスギが使われています。常緑針葉樹のコニファーで、鱗片状の葉が立体的に茂ります。切り込まずに放置しても円錐形に整いますので、

手入れの必要はないように感じてしまいがちですが、樹冠内部の葉が密集しすぎれば風通しが悪くなります。蒸れれば枯れてきてしまいますので、枯れ葉の除去や適度に刈り込むなどは必要です。日本ではゴールドクレストの認知度が高くなっています。

庭植えや生け垣などに使われることも少なくありませんが、生育に上に上に伸びてゆく性質があり、根の張りがその割に浅く、単体で植えるとなおのこと倒れやすくなります。その点には充分な注意が必要となります。

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