キキョウの育て方
キキョウの育て方
キキョウは秋の七草としても知られていますが、園芸品種は草丈が低くなる特徴がありますので、鉢植えに向いている品種や二重咲きになる品種、つぼみの状態のままほとんど開くことのない品種など、様々な品種が存在しています。
キキョウの育て方としては、まず日当たりや置き場所が重要になります。日当たりの良い場所が栽培場所としては適していますが、それでも半日程度日に当たれば問題ありません。ただしキキョウは暑さには弱いので夏場の育て方としては、明るい日陰に置いておき、直射日光が当たらない場所で栽培をするようにしてください。
また熱が溜まってしまうと良くありませんので、風通しの良い場所を選んで栽培することも重要となってきます。逆に冬場の育て方に関しては、それほど心配する必要はありません。キキョウは耐寒性がありますので凍結などによって根がダメージを受けたりしない限りは、何もしなくても冬を越すことができます。
地面が凍結するような場所では腐葉土を厚めに敷く様にすれば防寒対策として有効になります。鉢植えで栽培している場合には軒下やベランダに置いておくとよいでしょう。また冬場には茎も葉も枯れてしまっていますので、日当たりに関しては考える必要がありません。
用土は有機質に富んだ水はけの良い場所が適していて、少し酸性を含んでいる土を好む傾向にありますので、酸性を中和させる石灰などを混ぜる必要はありません。鉢植えは赤玉土が5に対して鹿沼土を2、腐葉土を3の割合で混ぜています。そうすることでやや酸性の土にすることができて、育てるには適した土にすることができます。
水やりに関してですが、これは育て方によって多少異なりますが、どの育て方であっても土の表面が乾いてきたときにたっぷりと与えるようにしてください。そして庭植えの場合には、夏場になって乾いてしまったとき以外は水やりは必要ありません。
鉢植えの場合には、冬場であっても土が完全に乾いてしまわないようにする必要がありますので、時々は軽く湿らせる程度に水やりをするようにしてください。肥料に関しても育て方によって異なり鉢植えの場合には、植え付ける際に肥料を使用します。
やり方は使用するのは土の中にゆっくりと効くタイプの肥料を混ぜ込んでおくようにします。そしてその後は追加の肥料を使用するのですが、花の咲く時期になったら2週間に1回のペースで、液体肥料を与えるようにしてください。
庭植えの場合には使用する土に堆肥をたっぷり混ぜ込んでおけば、その後は肥料を与える必要はありません。肥料はしっかりと与えてしまうと、茎も太く成長して花もたくさんつけることができますが、野草特有の風情がなくなってしまいます。
キキョウの種付けと植え替え
キキョウの開花の時期は6月から10月になりますので種付けの時期としては、その前後である3月や10月ごろに種付けをすることになります。庭植えは3年に1回程度のペースで行っていき、株分けも兼ねて植え替えをしていきます。
鉢植えの場合には、鉢の中が根でいっぱいになり、鉢の底から根が伸びてきてしまったいるようであれば、植え替えのタイミングになります。株を鉢から抜いていき、土を良く落とします。次に伸びしてしまった根を切り詰めていき、一回り大きな鉢に植え替えるようにしてください。
この時に使用する土用は新しい土を使用するようにしましょう。植え替えに適した時期は春であれば3月で秋であれば10月になります。また種付けに適している時期は3月頃になりますが、種付けをした年には、あまり芽がたくさん伸びることはありません。その翌年になって初めて種付けをした年の倍程度に株が張ります。
キキョウの増やし方
キキョウを増やすには種まき、株分け、さし芽の3つの工程で増やすことができます。まずは種まきですが、適期は4月上旬になっていて、赤玉土を使用して種をまいていきます。土を薄くかぶせていき、芽が出るまでは乾かさないようにこまめに水やりをしていきます。芽が出た後には混み合っている部分を間引いていき本葉が4枚程度に育ったらビニールポットなどに植えていきます。
株分けは地上部が枯れていった時期が適していますので、秋以降が最適になります。この時期は成長はほとんど止まっていますので、多少傷が付いたとしても悪影響を及ぼすことはありません。
根を掘り返して翌年に伸びる芽が付いているのかを確認するようにしましょう。芽が付いているようであれば程度小さく分けても十分に育つでしょう。カッターなどを使用して分けていき植えたら、水を与えて完了です。
最後にさし芽ですが、これは長年育てていると株が老化していきますので、そのような場合にははさし芽をして新たな株を作っていきます。時期としては5月に5cm程度の長さになるように茎を先端から切っていき、その後1時間程度水にさします。
次に湿らせた赤玉土に挿して日陰で栽培をしていきます。そのまま1週間程度経過したら、徐々に日の当たる場所に移動させて、開始から1か月後には日なたで栽培をしていきます。芽がしっかりとしてきたら鉢に植え替えて完了になります。
キキョウの歴史
キキョウとは日本史が好きな方なら、ご存知の方も多いことでしょうが明智光秀の家紋として使用されているのが、このキキョウなのです。この為、織田家や森家では縁起の悪い花として扱われていました。森家では藩祖忠政公が死に至る原因とされていてキキョウの花はご法度となっています。
この風習は今現在も続いていて、森家の一族の間では良くない花として、飾ることなどを避ける家もあります。同じく正雅堂の家でもキキョウを飾ることはしないようです。このキキョウは秋の七草としても知られていますが、実は多年草になりますので、必ずしも秋だけに咲く花というわけではないのです。
ちなみに昔は違った名前が付いていて、その名を朝顔と呼んでいました。今現在、朝顔と呼んでいる花は江戸時代の初期ごろに中国から渡来した種子の子孫のことです。ですので奈良時代の万葉集に登場している朝顔と呼ばれている花は実は、このキキョウのことなのです。
ですので源氏物語に登場している朝顔も、この花をイメージして描かれているという事です。縁起が悪い花としていた家もありますが、武士には好かれていた花で江戸城にはこの花の名前が付いた部屋がいくつかあり、皇居前広場に面している橋の内の1つにも、この花の名前が付いています。
キキョウの特徴
キキョウは野山の日当りの良い場所を生息地としていて、原産となっている国は日本全土や朝鮮半島、中国、東シベリアなどになっています。英語名ではバルーンフラワーと呼ばれていて、その理由はつぼみが風船のような形をしていて、そのつぼみから少し広がった釣鐘状の花を咲かせることからバルーンフラワーと呼ばれています。
花の色は最も一般的なのが青紫色ですが、このほかにもピンク色をした花や白色をした花などがあります。葉の形は楕円形になっていて縁にはギザギザが入っています。株は種類によって異なり、矮性種には茎いっぱいに詰まっていますので丸く盛り上がっています。
高性種には切花用としても使用されることが多い為、節目が長く横に広がっているのが特徴になります。ガーデニングとしては、主に矮性種が用いられることが多いです。このキキョウと同じ科に属している花は世界中に約2000種類にも及び、日本には約25種類が自生しています。
また根っこの部分はサポニンと呼ばれる成分を含んでいることから、漢方薬としても使用されていて鎮咳や鎮痛、鎮静、解熱作用などがあるとして活用されています。
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