フユサンゴの育て方
育てる環境について
フユサンゴは日なたや半日陰などで生育することができます。育て方としては真夏の日射しが強く気温も高くなるシーズンには、直射日光を避けて半日陰に移動させることがおすすめされています。直射日光を浴び続けてしまうと葉が焼けてしまうことがありますので注意するようにしましょう。
加湿には少し弱いですので実が付いてから乾燥させてしまうと実が落ちてしまったり、しぼんでしまったりすることがあります。日当りのよいところを好みますので寒さにはあまり強くありません。鉢植えで育てていく場合には室内に置いておく時は日当りのよい場所を選ぶようにしてください。
日光が少ないと花つきが悪くなってしまいますので、春頃から秋頃にかけてはできるだけ日当りのよい場所で管理するようにしてあげてください。冬場の寒いシーズンには寒風や霜などにあたってしまわないように注意してあげてください。庭植えをする場合には、
日当りと水はけのよい場所に植えていきます。放任をしていても株いっぱいに実を付けることができます。半日陰でも生育することができますが日なたよりも実の付きはあまりよくないとされています。庭植えをしている場合はやや横に広がってしまうことがありますので、
植栽間隔を適度に取ることがおすすめされています。園芸ショップなどでは、実がなっている状態で販売されていることも多いです。このような場合は冬を越せば春になると茂り始め夏になると開花します。
種付けや水やり、肥料について
フユサンゴの水やりは、加湿をあまり好みませんので土の表面が乾いてきたら水を与えてあげるようにしてください。真夏の暑いシーズンにはフユサンゴも乾燥してしまいますので、たっぷりと水やりをする必要があります。夏場の間は少なくても1日に1回は水やりをするようにしましょう。
気温が高くなるシーズンの水やりは、日中におこなうのではなく朝方や夕方などにおこなうことが好ましいです。1ヵ月に2回ほど液体肥料を施し秋までは液肥も併用することがおすすめです。実付きをよくするためにカリ分が多めに入った肥料を与えることも効果的だとされています。
葉の色が深いグリーンからイエローがかって木た場合は肥料が不足している可能性がありますので、化成肥料または液肥を施してあげてください。鉢植えで育てている場合は、実が落ちてしまったら大きく伸びている枝を切り戻していきます。冬の間は室内で越してもよいのですが、
春頃になり気温が高くなってきたら大き目の鉢に植え替えをおこなって戸外へ移動させていきましょう。庭植えをおこなっている場合でも切り戻し作業をおこなっていきますが、冬の寒さには弱いですので霜から守るために網などを利用して覆って冬を越すとよいでしょう。
フユサンゴは寄せ植え、地植えでも楽しむことができますし鉢植えで育てていくよりも地植えをした方が生育がよいとされています。ただし最低気温がマイナス5度以下になるような環境でしたら地植えはおすすめではありません。
増やし方や害虫について
フユサンゴのタネまきは、発芽適温が高いですので箱まきやポットまきをして苗を作り、本葉4、5枚くらいで植えつけ作業をしていきます。開花や結実によって株が消耗してしまわないように月に1、2回程度液体肥料を施してあげることがおすすめです。
フユサンゴは同じナス科の植物と連作障害を起こす可能性がありますので、同じ土に何年か植えていると弱って枯れてしまうケースがあります。2年以内にナス科の植物を植えた場所には植えないように注意しましょう。タネをまいて増やしていく場合は、
タネを採種しておいて春頃になったら庭にまいていきます。フユサンゴは移植や植え替えをすることがあまりおすすめされていません。フユサンゴを育てている場合には、ほとんど病気を発生してしまうことがありません。ただし、アブラムシやカイガラムシなどが発生することがあります。
アブラムシは植物から液を吸い栄養にしています。葉に発生してしまうとそこから移動することがありませんので発見した場合は取り除いてあげてください。カイガラムシは植物の葉や茎にくっついてその汁を吸って栄養とします。カイガラムシの成体はこの虫体被覆物に覆われていますので、
農薬など専用の殺虫剤を利用しても効果がない場合があります。このような場合はティッシュやガーゼなどで拭き取っていくことがおすすめです。頑固な場合は使用済みの歯ブラシなどを利用して駆除していくと効果的だとされています。
フユサンゴの歴史
リュウノタマ、フユサンゴとも呼ばれているタマサンゴは、ナス科ナス属の非耐寒性常緑低木です。ナス科は、双子葉植物綱キク亜綱ナス目の科の1つでおよそ90属2500種からなる大きな群だとされています。ブラジルが原産で開花するシーズンは5月頃から9月頃になりますが、
花を楽しむというよりは果実を観賞するために栽培されることが多い植物です。結実は8月頃から12月頃で球のような形をした果実が赤く熟していくところを鑑賞して楽しまれています。学名はSolanum pseudo-capsicumで、Solanumというのはラテン古名の安静という意味のsolamenが語源となっています。
フユサンゴは夏頃から冬にかけて鮮やかな実をたくさんつける姿がまるでサンゴのように見えることから、冬珊瑚という名前になったとされています。ブラジルが生息地のフユサンゴが日本国内に入ってきたのは明治時代中期頃だと考えられています。
実の部分は開花が終わった後に緑色になってから黄色に変化して橙へと色づいていきます。このような色の移り変わりもフユサンゴの楽しみの一つとなっています。実はとてもきれいですが毒性を持っているとされていますので食用として利用することはできません。
その他の別名としてクリスマスチェリーなどと呼ばれることがありますが、これらは実の形から命名されています。フユサンゴのオレンジ色の実は、五色唐辛子にも似ているとされています。
フユサンゴの特徴
フユサンゴの草丈はおよそ30センチメートルほどで直径は30センチメートルのドーム状に生育していきます。ビッグボーイと呼ばれている品種はフユサンゴと比較してみると少し実が大きいのが特徴で、実の色はグリーンからオレンジ、朱色へと変化していきます。
その他の品種には、ビッグボーイ種で斑入りのものやスノーサンゴと呼ばれている白斑が入るもの、フユサンゴの斑入り品種などもあります。一般的なフユサンゴは、実の大きさは小さいのですが実が多く付くのが特徴です。ビッグボーイ種の場合は実が大きいのですが、
実付きがあまり多くないです。果実は有毒とされていますが冬までの長い期間にわたって観賞を楽しむことができます。花は小さくて白い花が咲きあまり目立たないのですが、野菜のナスの花にとてもよく似ています。目立たない白い花は下向きにつけて、 花冠は鐘状で先が5つに裂けます。
葉は細長い楕円形で、互い違いに生えます。真ん中に橙色の雄しべがある。葉は濃緑色で果実との対比が鮮やかです。実がよく似ている五色唐辛子と比較してみるとツヤがあまりなく、少し薄れ他の花とも合わせやすいとされています。
フユサンゴは、南アメリカ原産の半耐寒性種ですが、南関東以南地域では屋外で冬越しをして翌年も楽しむことができます。一般的なフユサンゴの草丈は30センチメートル以上になることがありますが、鉢物用の矮性種の場合は草丈がおよそ15センチメートルから20センチメートルほどです。
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