ブドウの育て方
ブドウの育てる環境について
もともとのブドウの生息地は温帯で、栽培に適する平均気温はおよそ10~20℃だと言われています。日本で栽培する場合、品質の良いとされるヨーロッパ種と病害に強いとされるアメリカ種の長所を併せ持った欧米雑種であれば、特に時期はそこまで気にする必要もありませんが、
最適な時期としては11月~翌年2月頃といわれています。気温があまり上がらなくなる時期に種を植えるのがおススメとされているのには理由があり、これは春頃に芽を出し、冬までに成長する事が出来るためです。ブドウはまだ小さなうちは寒さに弱いのですが、
成長するにつれ比較的寒さに耐えることが出来るようになってきます。この時期に種を植え付けておけば、寒さに負けず順調に育っていってくれるという事です。家庭で栽培する場合はまず、日当たりが良い場所を選ぶようにします。日光が足りないと成長も悪く、キレイに色つきが出来ません。
また、過湿を嫌うので、水はけの良い場所を選ぶようにしましょう。このふたつの条件を満たしていることが何よりも大切になってきます。雨にはあまり当てない方がいいので、梅雨時期や天候の悪い日などには雨よけをするのがおすすめです。雨よけは雨だけではなく、
風からも花や果実が傷むのを守ってくれます。鉢植えの場合は庭植えに比べて収穫量は少なくなりますが、コンパクトで移動も簡単なので、雨の日は室内、天気の良い日は日当たりと風通しの良い外へ、などと手軽に場所を変えてあげることが出来ます。
ブドウの種付けや水やり、肥料について
土作りは2週間ほど前に済ませておきます。直径60cm、深さ50cm程の穴を掘り、掘り出した土5、腐葉土3、赤玉土中粒2の割合に苦土石灰を適量混ぜ、一株あたり200g程度の粒状肥料を加えます。育て方として、接し木と挿し木から選ぶ際には、アブラムシが少なく、
比較的育てやすい接し木がよいとされています。苗木を穴に植え付ける際、接し木された部分に土がかぶさらないように注意しましょう。苗木に支柱をたて、土から5芽を残し、枝を切り詰めた後水分をたっぷりと与えます。1月~2月頃に緩効性肥料を与え、
新芽の成長が盛んな春から初夏(4月~6月)にかけて即効性液肥を与えます。科学肥料は最小限に抑え、出来るだけ有機物肥料を与えてあげましょう。苗が育ってきたら、水やりは控えめにします。夏などで晴天が続き、乾燥を感じたら水分を与える程度です。
水分の与えすぎは果実が水っぽくなりやすいためです。花が開花し、実がみられるようになったら年に3回は肥料を与えます。一回目は控えめにし、12月頃に粒状の肥料を一株あたり200g、3月、8月頃に追肥で一株あたり50gを株のまわりの土に撒きます。
ブドウは自然に受粉するため、種付けはしなくても果実を実らすことが出来ますが、する場合は綿棒などに花粉をつけて種付けをします。丸い粒周辺に黄色い毛のような花が咲きますが、小さくて目立ちにくいので見落とさないように注意した方が良さそうです。
ブドウの増やし方や害虫について
増やし方として、収穫が出来るようになるまでは余計な枝は適度に取り除くようにします。花が咲く前に先から3分の2程度を残し、残りは切り落とします。この時に取りすぎてしまうと、逆に実の付き方が悪くなってしまうので、注意が必要です。実が大きくなってきたら、
劣化したものや成長の悪いもの、害虫にかかってしまったものは間引いておくようにします。収穫が出来るようになったらむやみに枝を切らず、整える程度で十分です。 果実が目立ち始めたら、色の悪い粒や成長の悪い粒は摘粒しましょう。病害にかかってしまった場合は、
それぞれの方法で対処しなくてはいけません。4月~11月頃にかけて発生しやすいのが黒とう病です。枝や葉、花や果実、巻きひげにも症状が現れます。これは雨やチッソ肥料の与えすぎなどが原因です。対処法として、発芽直前に専用の薬剤を散布し、生育期間中は5月中旬から下旬、
6月中旬にそれぞれ一回薬剤を散布します。6月~7月、9月~11月にかけて発生しやすいのがうどんこ病です。これはカビの一種で葉やつぼみ、新芽の一部にうどんこのような白い粉がつき、生育を著しく衰えさせてしまいます。多湿や温度差が激しい時期に注意が必要となります。
対処法として、発見したら病気の葉を取り除き、3日おきに3~5回、専用の薬剤をまきます。6月~7月、9~11月頃に発生しやすいのがべと病です。うどんこ病と同様、湿度が高く気温差が激しい時期に多く見られます。対処法として、風通しをよくし、定期的に殺菌剤を散布します。病害が見られた葉は取り除いてください。
ブドウの歴史
ブドウはブドウ科ブドウ属に分類し、種類はヨーロッパブドウ、アメリカブドウ、欧米雑種の3つが挙げられます。ヨーロッパブドウは紀元前3000~4000年頃に原産地であるコーカサス地方やカスピ海沿岸で栽培が開始されました。古代ギリシアではワインを作る為のブドウの栽培が行われ、
ローマ帝国時代には帝国中に広まり、ワインを目的としたブドウの栽培が帝国各地で行われるようになりました。しかしこのヨーロッパブドウは病害に弱いという欠点があります。一方でアメリカブドウは病害に強く育てやすいものの、独特な香りがすることからワインには不向きとされ、
主にジュースやそのまま食べる果実として用いられてきました。そしてヨーロッパブドウとアメリカブドウを交配して誕生した品種が、欧米雑種です。日本で生産されている巨峰やデラウェアなど、現在栽培されているものの多くはこの欧米雑種にあたります。
有名な甲州ブドウは鎌倉時代初期に山梨県甲州市で既に栽培されており、明治時代初期まではこの近辺のみの特産品として扱われてきました。現在では世界に10000種類以上になり、日本ではおよそ50~60種類もあります。最も多い生産国として、
1位に中国、2位にイタリア、3位にアメリカ、そしてスペイン、フランスと続きます。日本での生産地域で最も多いのが1位に山梨県、2位に長野県、3位に山形県となります。日本では南西諸島を除く北海道から九州までがブドウの産地として適しています。
ブドウの特徴
ブドウの特徴としてはまず、色が挙げられます。大きく分けると赤、黒、緑(白)になります。これらは果肉の色によって分けられます。成長するに伴い、赤と黒には色素が作られていきます。そして種類ですが、日本で有名な品種を例に挙げていくと、まず、巨峰です。
巨峰は商品名で、正式な品種名は「石原センテニアル」といい、1942年(昭和17年)に登録されました。濃い紫色で、果肉の色は淡い緑です。甘みが強く、大粒なのが特徴です。8~9月頃が旬といわれています。そしてピオーネ。1973年(昭和48年)に登録され、
一粒15~20g程と大粒で、黒紫色が特徴的です。甘味と酸味のバランスがほどよく、上品な食感と風味を楽しめます。また、種の入っていないものをニューピオーネといいます。8~10月頃が旬といわれています。山梨県が原産地でおなじみの甲州ブドウは、淡い紫色で、小粒で可愛らしいのが特徴です。
小粒ながらも果汁が多く、甘みも強い為、ジュースや甲州ワインの原料としても使われています。10月頃が旬といわれています。赤ぶどうにはアントシアン、レスベラトロール、カリウムなどといった栄養素も含まれています。
眼精疲労や活性酸素の除去に効果的だといわれているアントシアンは皮の部分に多く含まれています。また、疲労回復、高血圧予防、動脈硬化予防、心筋梗塞予防、脳梗塞、がん予防や、ポリフェノールの一種であるレスベラトロールには悪玉コレストロールを防ぐ効果も期待できます。
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