ヒマワリの育て方
ヒマワリの育てる環境について
ヒマワリは、比較的乾燥を好む植物であり、5月から9月頃までの降水が500mmから600mmあれば十分とされています。品種によって最低温度約6℃までの耐寒性を有するとされているが、完全な開花後は著しく耐寒能力が落ちる為に、急速に乾燥し枯死してしまうケースが多くあります。
しかし、発芽後1ヶ月未満の時期であれば霜などにも耐えられるとされています。光周期依存をほとんど示さ無いこの植物は、赤道を中心に南北の緯度50°の地域で種付けの時期を調整すれば、何の問題も無く栽培可能とされています。敢えて、極端な低温環境や極端な乾燥渇水環境で、
栽培を行い種子の選抜交配をした品種もあるが、大部分の品種には、耐寒能力は無いので暖かくなってから種付けするのが望ましいとされています。発芽温度は、20度とされているので、北海道では5月上旬から中旬、本州では4月から6月上旬に種付けを行うのが一般的です。
7時間から8時間以上の日照時間を確保出来る日の当たる場所が望ましいとされています。この植物は、砂質の土壌から粘土質土壌まで土質を選ばず、育成が可能な植物ですが、排水性や通気性の良い土壌が最適です。ヒマワリの生長には、
弱酸性の土壌が向いているとされ、酸性度の強い土壌やアルカリ性の強い土壌では発芽し無いとされています。その為に、種付け前に土壌改良を行っておく必要があります。土壌のペーハーは、市販のリトマス試験紙やペーハー測定キットなどで簡単に確認出来ます。
ヒマワリの種付けや水やり、肥料について
ヒマワリの種子は大きく丈夫なので、庭に直接まいても何の問題も無く育ちますが、苗としてある程度生長した株を移植した方が間違いが無いとされています。直まきの場合は、1箇所に2粒から3粒まき、軽く1cm程度土をかけます。移植する場合は、
用土を入れた園芸用のポットなどに2粒から3粒まき1cm程度土をかけます。どちらの方法も、発芽して双葉が完全に開いたら、1本に間引いて育てていきます。移植の場合は、本葉が5枚から6枚の頃までに植え付けます。植物の育て方のポイント一つが水やりですが、
ヒマワリは比較的乾燥に強い植物とされているので、あまり神経質になる必要は無いと言われています。土壌の表面が乾いて来たと感じたら、水を与える程度で良いとされています。しかし、植物なので極度の乾燥環境では枯死してしまう恐れもあるので、
日差しの強い夏季には敷きワラなどの乾燥防止対策も非常に有効です。肥料や追肥のやり方ですが、7月から9月にの開花時期に液体肥料や置き肥を与えるのが一般的です。しかし、ヒマワリは、根による水分や栄養分の吸収率が高いので、肥料のやり過ぎは逆効果になるので気をつける必要があります。
その為、徐々に効果を発揮する粒状肥料を少量土壌に混ぜ込むのも有効な方法です。葉色が悪い時は、液体肥料を与えるのが一般的ですが、チッソ分多い肥料を与えると、花色に悪影響を及ぼすので様子を見ながら与える必要があります。肥沃な土壌であれば、肥料を与える必要が無く、無肥料でもしっかりと育ちます。
ヒマワリの増やし方や害虫について
一年草のヒワマリは、一本の太い根が地中に伸びるので株分けなどで増やす事が出来ず、毎年秋に花部を切り取り乾燥させて種を採取し、種付けにより増やして行くのが一般的です。ヒマワリの害虫は、主に4種類とされています。吸汁性の害虫であり水に弱いハダニは、
5月から9月に発生し、葉の裏に密生して葉から栄養分を吸い、白い斑点を作り葉をしおれさせます。オルトラン粒剤を株元に散布し、毎日葉や茎全体に散水して対応します。ガメやカメムシと呼ばれるアブラムシは、新芽や葉の裏に群れで寄生し、汁液を吸って成長の妨げとなります。
アブラムシの排泄物には、蟻が寄って来るので蟻がいる様なら要注意です。群れで寄生される場合が多く、早めに殺虫しなければならない。食害性の害虫であるナメクジは、4月から6月の発芽時期に1番発生しやすく、若葉を食い尽くします。
対応としては、0.3~0.5%の塩水を吹きかけたり、ナメクジ除去薬を周辺に散布して予防します。食害性の害虫であるヨトウムシは、暑い時期を避けて発生し、夜間に葉脈を避けて葉を穴だらけにします。昼間は隠れているので発見出来ないので、オルトラン粒剤を株元に散布して対応します。
ヒマワリには、4つの病気があります。黒班病は、地面に近い葉が降雨直後や多湿時によく感染し、時の経過とともに黒く溶ける様に葉が枯れます。地面に近い葉が7月から8月の降雨後の多湿時に発病しやすいべと病は、葉脈に囲まれた部分が黄緑に変色します。
褐班病は、葉先に褐色の斑点ができ、しだいに拡大していきます。菌核病は、気温が低い時期に開花すると発病し易く、花の裏で次第に病班を拡大させ、花全体を枯死させます。害虫も病気も早期発見し迅速な対応が必要です。その為にも、毎日欠かさずヒマワリを観察する必要があります。
ヒマワリの歴史
野生のヒマワリの元々の生息地は、紀元前3000年頃の北アメリカとされています。古代インカ帝国でヒワマリは、太陽の花と尊ばれ、石造りの神殿の装飾に施されたり、インティーにつかえる祭司や聖女達が金細工のヒマワリを身につけていたとされています。
その後、ネイティブアメリカンによってアメリカのアリゾナ州ニューメキシコ周辺で染料や医療用として栽培される一方で、種子を粉末状にしておかゆやパンなどに加工して食用としたり、乾燥させた茎で家を作っていた記録も残っています。大航海時代に入り、
イタリアの探検家にして地理学者であるアメリゴ・ヴェスプッチやペルーのインカ帝国を滅亡させた事で知られるスペイン人コンキスタドールであるフランシスコ・ピサロなどがアメリカ大陸到達した事により、植民地化が急速に進んだ記録が残っています。
その後、1564年頃にスペイン人医師のニコラス・モナルテスが、スペイン王立植物園にヒマワリを持ち込んだ記録残っており、スペインがヨーロッパで一番最初にこの植物を栽培した国と考えられています。しかし、16世紀にはスペイン国外に普及せず、17世紀になりフランスやオランダに伝わり、
中国を経由して日本に「向日葵」として伝わったとされています。フランスの「太陽王」と呼ばれたルイ14世は、太陽の花であるヒマワリを好み自分の紋章にし、現在もベルサイユ宮殿正門にはヒマワリが植えられています。
19世紀初めにロシアで食用として品種改良され大量生産がされ、19世紀の終わり頃北アメリカへ輸出される様になっています。現在では、ネブラスカやテキサス、カルフォルニアなどアメリカの各地で大規模に栽培されています。
ヒマワリの特徴
日本では向日葵と表記しますが、ヒマワリの語源は「日廻り」にあり、太陽を追いかけて生長する様に見える事から呼ばれているとされています。この植物は、太陽に対して植物の裏に当たる部分が早く生長する特徴があり、加えて生長中の茎は光の向きに合わせて曲がる為に、
咲き始めた花が太陽を追いかけているように見えるとされています。しかし、この植物は成長ホルモンの関係で、完全に開花するとずっと東を向き、次第に種子の重さで花部が下向きになります。日本各地で栽培されている向日葵は、茎が太く草丈2m前後に生長し、
葉は大きな心臓の様な形をしています。原産国アメリカの野生種は、3m前後まで生長する品種も存在します。この植物の最大の特徴として、8月から9月の暑い時期に茎の先に直径10~30cmの黄色い大きな花を横向きにつける事が知られています。
しかし、ヒマワリの花は一つの大きな花の様に見えるが頭状花序と呼ばれ、花の外周に鮮黄色の舌状花があり、中心に褐色や黄色の管状花が密集して花を形成します。キク科の花に良く見られる特徴です。この植物の種子は、長軸方向に黒と白の縞模様がある長楕円形であり、
種子を絞り多価不飽和脂肪酸の多いヒマワリ油として利用されています。又、昔のメジャーリーガーは、試合や練習中にかみタバコを噛んでいましたが、健康上理由もありかみタバコからガムやヒマワリ種に代わりました。現在のメジャーリーグでは、1年間に約30万袋のヒマワリの種を消費するとされています。
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