ハイビスカスの育て方
ハイビスカスの種付け
ハイビスカスはとても丈夫なので、初心者でも育てやすい植物です。種は直径5mmくらいで毛でおおわれています。種付けは春になったら行います。5月の中旬から下旬ごろで気温が20度を超えるようになったころが種付けのタイミングです。
赤玉土に腐葉土を混ぜて土の準備をします。普通に種付けをするのでよいのですが、種に傷を付けて一晩活性液を混ぜた水につけて種を膨らませ、傷がわかるようになってからポットに植え付けていくと発芽が早くなります。傷を付けるときは弱めにしてもつきにくく、強くすると種が壊れてしまう恐れがあるので、カッターなどを用いて慎重に行います。
種付け後はいつも湿っている状態を保つように水やりをします。春や夏は一日に朝夕2回ずつ水をやるようにします。置き場所は植え付け後一週間ほどは半日陰が良いでしょう。その後は風通しが良く日の当たるところで育てましょう。ハイビスカスは根の成長が早く小さな鉢ではすぐに根つまりをしてしまうので根が張ってきたら株の根を壊さないように大きな鉢や庭の土に植え替えることが必要になってきます。
花が咲いたら
花後は2分の1から3分も1にまで剪定を行います。剪定をすることで側枝が伸びていきます。夏の早いうちに剪定をすれば秋にもまた花を咲かせることができます。鉢植えの場合にはその年に伸びた枝のもとまで来ることで新しい枝が出てきます。肥料はたくさんやる必要がなく月に一度ほど暖効性肥料を与える程度でよく、冬には肥料を与えなくてもよいのです。
ハイビスカスの栽培をするうえで、せっかく花のつぼみがついても策前に落ちてしまうというトラブルが起きることがあります。このような場合、原因はいくつかありますが、一番の原因は根つまりによるものです。
そんなときは二回りほど大きめの鉢に植え替えることでまた上手に栽培ができるようになるでしょう。ただし、開花中には根は地を崩さないようにすることも大切になってきます。値を傷めると開花に必要な栄養分が吸収できなくなるからです。
ハイビスカスの繁殖と、夏と冬の育て方
ハイビスカスは挿し木にて繁殖をします。枝を切って長さを15cmくらいに切りそろえます。下部の葉を2、3枚とって水揚げを2時間ほど行います。きれいな川砂を入れた植木鉢かプランターに挿して、半日陰において十分に水やりをします。このように挿し木をすることで一か月後くらいには根がついてきます。挿し木のタイミングは気温が12度から13度のころが適しています。
夏の間、あまり暑い時には、ハイビスカスは花を咲かせません。日当りを好む花ですが真夏の直射日光には弱いので、半日陰の場所に移すようにします。冬は室内に入れるようにし、できるだけ日の当たる場所におくようにします。ただ昼間は暖かくても夜になると急に冷え込むようなことにならないような置き場所を選ぶようにしましょう。それらに気を付けることで寒い冬でも超えることができます。
ハイビスカスの育て方のポイントとまとめ
ハイビスカスは土質を選ばないので、水はけが良ければどのようなところでも栽培することができます。肥料は一カ月に一度くらいの割合で与えるにするとよいでしょう。水やりは土が乾かないようにたっぷりと揚げるようにします。そしてハイビスカスの栽培で一番大切なところは、根の張りすぎに注意をすることです。
根が張りすぎて詰まってしまうと、花に十分な栄養がいきわたらなくなりきれいな大輪を咲かせることができなくなります。そのためには大きめの鉢で栽培をしたり、根を崩さないように大きめの鉢に移し替えてあげることがハイビスカスの育て方の重要なポイントになります。
またハイビスカスは挿し木で繁殖させることができるので、簡単に増やしていくこともできます。さらにハイビスカスはハダニやアブラムシなどの害虫に襲われることがあるので、定期的な防虫剤の散布が必要になってきますが、あまり病気にはならないのでお世話が楽な花ともいえるのです。
このような水やり、根つまり、剪定、挿し木など育て方のポイントに注意をして栽培すれば、沖縄やハワイでなくても鮮やかな大輪の花を咲かせることができるので、ベランダガーデニングや室内での栽培用としても人気のある植物です。そして夏の花というイメージが強いハイビスカスですが、実際には4月から10月にかけて長い期間花を楽しむことができます。
オールド系など品種によっては寒さに強く年中花を楽しむことができるものもあります。冬の寒さで葉が落ちて枯れたようになり枝だけになってしまっても春になるとまた葉が出てきます。もともと日光が好きな植物なので、部屋の中でも良く日が当たるところであれば引き続き栽培をし続けることができる花です。このように育てることができるハイビスカスなので、南国を思いながら鮮やかな花育てを楽しんでみましょう。
ハイビスカスの歴史
熱帯地方や亜熱帯地方を生息地として大きな花を咲かせているハイビスカスの種類の中には古代エジプトの3000年から4000年に歴史を持つものもあり、クレオパトラも口にし、美貌を保っていたといわれています。原産地はアフリカで熱帯や亜熱帯地方で広く栽培が行われています。名前の由来は「hibis」という女神の名前と、似るという意味を持つ「isko」という言葉からきているといわれています。
世界的に有名なのは観光地である常夏の島、ハワイです。ハワイには6世紀から13世紀にかけてポリネシア人が持ち込んだとも、18世紀以降に西欧人によって持ち込まれたなどといろいろな説がありますが、今ではハワイの州花となっています。さて日本でも亜熱帯地域となる沖縄にはハイビスカスがたくさん生息していて、日本の場合の沖縄の花といえばハイビスカスというイメージが定着しています。
沖縄には1609年に薩摩藩が琉球を侵攻した年の暮れに数々の献上品を送っ他ときに一緒に献上されたという説があり、史実にも記載されています。また原産地のインドからベトナムを経て沖縄に入ってきたという説もあります。ハイビスカスはその後品種改良を重ね、現在では300もの種類があります。
ハイビスカスの特徴
もともと熱帯地方の植物で、寒さには弱い花です。日当りが良くて保水性の高い土地を好みます。高さ2mから3mにまで成長し、夏から秋にかけて花が咲きますが、一日花のため咲いた日にしぼんでしまうことが特徴です。たくさんの種類がある花ですが、今ではオールドタイプとコーラルタイプ、ハワイアンタイプに分かれています。
オールドタイプは原種に近いタイプのもの、コーラルタイプはフーリンブッソウゲの花を基に交配されたもので、熱さに強いことが特徴です。ハワイアンタイプはハワイで品種改良がされたもので、花が大きく、カラーも豊富です。ハイビスカスは赤い色だけでなく、白、ピンク、オレンジ、黄色、紫色などもあります。5月から9月に花が咲きますが、日本な場合は夏が暑すぎるので、春や秋の方が咲きやすいです。
種類によってはハーブティとして用いられています。ハイビスカス酸、クエン酸、ビタミンC、リンゴ酸などの成分が疲労回復やむくみ、眼精疲労、二日酔い、便秘などに効能があるとされています。開花後のガクを採取し乾燥したものを用います。ルビー色のお茶で、酸味がありのどの渇きを癒すお茶として最適です。
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