リナム・グランディフロムルの育て方

リナム・グランディフロムルの育て方

リナム・グランディフロムルは、アマ科アマ(リナム)属の植物です。リナム属はロシアのカフカス地方から中東にかけての地域が生息地です。種類は約200種類ほどもあります。日本が原産の、マツバニンジンというリナム属の植物もあります。リナム属のひとつ、リナム・グランディフロムルは北アフリカが原産です。和名ではベニバナアマと呼ばれます。

リナム・グランディフロムルの植えつけ

リナム・グランディフロムルは、日当たりが良いところ、水はけの良いところが好きで、暑さに弱く夏に枯れてしまう一年草の植物です。このため、まずは日当たりの良いところに植えてあげるようにしましょう。半日陰でも育たないことはありませんが、花付きが悪くなります。

リナム・グランディフロムルの最大の特徴は、光沢のある独特の花びらですので、花を楽しめるよう日当たりの良いところに植えないと、もったいないことになります。植え付けの時期は、秋が適しています。暖地では10月前半~半ば、寒冷地では9月半ば~後半に植え付けを行います。春に行うことも可能ですが、秋に行うより生育が悪くなります。

発芽率がとても良いので、種付けでしっかり育ちます。直まきしてもかまいませんし、ポットに植え付けてもかまいません。ただし、リナム・グランディフロムルは移植が嫌いなので、ポットの場合は根が回りきる前に、目的の場所に植え付けるようにしましょう。

発芽したら適度に間引きしますが、あまり横に広がって育たず、一株に付く花もあまり多くないので、少し間を狭めておくと群生して花が咲き、見映えがします。用土は水はけが良ければ、特に細かく気にすることはありません。鉢植えにするなら、赤玉土小粒:腐葉土を7:3くらいに混ぜ込んだ用土を使うと良いでしょう。

肥料は控えめに施します。あまり多く肥料をやり過ぎると、育ちすぎて倒伏しやすくなってしまいますので気をつけましょう。早春に緩効性化成肥料を少なめに施します。暑さにも弱いですが、過湿で根腐れを起こしてダメになってしまうこともありますので、水のやり過ぎにも気をつけ、少し乾燥気味に育てましょう。

リナム・グランディフロムルの育て方と管理

リナム・グランディフロムルは日の当たるところを好みますので、育て方としてまずは、日当たりの良いところを選びましょう。半日陰だと花付きが悪くなりますので、庭植えでも日当たりの良い場所に植えます。また過湿で枯れてしまうことがありますので、水はけの良い土に植えてあげましょう。

どちらかといえば乾燥気味の育て方の方が、水をやりすぎるよりちゃんと育ちます。暖地では10月前半~半ば、寒冷地では9月半ば~後半に植え付けを行い、本格的な寒さがやってくる前にしっかりした株に育つようにします。発芽率がとても良いので、あまり密にまきすぎると、間引きが大変です。

かといって、間を開け過ぎても、リナム・グランディフロムルはあまり横に広がって育たないのと、一株に花がたくさん付かないので、花が咲いた時に少し寂しい印象になってしまいます。最初は加減に少し戸惑うかもしれませんが、適度に距離を保って植え付けるようにしましょう。上手に距離がとれると、群生して花が咲き見応えがあります。

育て方自体は難しくありませんが、距離の加減は年々様子を見て、加減してやります。目安は株と株の間が10センチ前後といったところです。また、庭や鉢に直まきではなく、まずポットで育てる場合、根が回りきる前にお目当ての場所に植え付けるようにしましょう。リナム・グランディフロムルは移植が嫌いなためです。

寒さには強いため、冬の間に霜よけなどは必要ありません。種まきから苗の間は、土が乾いたらたっぷりと水をやります。庭植えの場合、ある程度育ってきたら、乾燥して雨が降らない日が長く続かない限り、水やりはしません。鉢植えの場合は、土が乾いたらたっぷりと水をやります。

花は春から咲き始め、初夏まで持ちます。花の終わる少し前の6月前半頃に切り戻してあげると、それまでのボリュームほどではありませんが、再び開花します。花の終わる前にもう一働きしてもらい、切り戻しで花を楽しみましょう。

リナム・グランディフロムルの種付け、栽培

基本的に種付けで増やします。夏から初秋にかけて種がたくさん取れますので、こぼれる前に種を取り、採取した種を種付けして栽培します。種付けの発芽率はとても良いので、直まきで簡単に栽培できます。ポットまきで、まず苗に育てる栽培方法でもかまいませんが、移植が嫌いなので、根が回る前に植え付けするようにします。

ポットに種付けして、植え付ける場合は、根を傷つけないように気をつけます。根を傷つけてしまうと、根付きにくくなります。発芽率がとても良く、直まきした場合はまず根引きを必ずしなくてはならないほど、まいた分だけきちんと発芽してきます。

ポットまきを移植する際に根を傷つけてしまうリスクを考えると、直まきの方が確実に育てられ、簡単な方法でしょう。栽培環境は根付いたリナム・グランディフロムルと同じで、日当たりの良い場所を選んであげ、過湿を避けます。

基本的にあまり心配するような病害虫は発生しません。ただ、つぼみや新芽にアブラムシが発生することがありますので、殺虫殺菌剤や殺虫剤で防除してあげます。

リナム・グランディフロムルの歴史

リナム・グランディフロムルは、アマ科アマ(リナム)属の植物です。リナム属はロシアのカフカス地方から中東にかけての地域が生息地です。種類は約200種類ほどもあります。日本が原産の、マツバニンジンというリナム属の植物もあります。リナム属のひとつ、リナム・グランディフロムルは北アフリカが原産です。和名ではベニバナアマと呼ばれます。

リナム属の植物は、紀元前から作物として栽培されてきた歴史があります。茎からとれる線維はその名から想像できるとおり、織物のリネンとなりました。上質の繊維がとれるため、高級繊維として扱われたのに加え、非常に丈夫であるため、船の帆やテントに使用されました。

また、アマとも呼ばれるように、種から絞られる油は食用や工業用の亜麻仁油となりました。日本には17世紀末に入ってきました。この時期は北海道開拓時代に重なり、線維作物として北海道で広く栽培されました。その名残で、現在は野生化して育つ野原を見ることができます。

リナムの和名はアマですが、漢字では亜麻と書き表し、種からとれる亜麻仁油が黄色がかった色であることから、金髪を言い表すのに亜麻色という言葉が使われるようになった由来があります。

リナム・グランディフロムルの特徴

春から初夏にかけて2センチ~4センチほどの花を咲かせる一年草の植物です。代表的な花色は紅色で、中心が紫黒になる種類のものです。ベニバナアマという和名もここからきていますが、他にも白色やピンク色の花を咲かせるリナム・グランディフロムルもあります。

リナム・グランディフロムルの花の特徴は、なんと言っても独特の光沢がある花びらです。テリがあってとてもきれいな花びらで、他の花ではあまり見られない大きな特徴です。細い茎の背丈は50~60センチほどにもなります。あまり横に広がって育つことはせず、また一株に付く花がそれほど多くないので、密集して植えるようにしてやると花が咲いた時に見応えがあります。

冷涼な気候を好み、日当たりが良くて水はけの良いところが好きですが、暑いのは嫌います。このため、春から初夏にかけて花を咲かせ、本格的な夏になると枯れてしまいます。それでも4月半ば~7月半ば頃までの長い間、花を楽しむことができます。移植を嫌うので、苗で増やすより種で増やす方がうまくいきます。発芽率も良く、耐寒性があるので、暖地であれば冬の間に霜よけなどしなくてもきちんと育ちます。

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