熱帯スイレンの育て方

育てる環境について
熱帯スイレンは寒さに弱い品種となっています。日本の冬の気温は生息地としては適していません。日本であまり熱帯スイレンを目にしないのはそのためです。ただし、その花の色や香りなどとても魅力的な花です。外にそのまま置いといては枯らしてしまうこともありますが、
育て方を間違えなければ、誰でも簡単に育てることが可能です。では、どのような点に注意したらよいのでしょうか。まずは水温です。生育に適した水温は25℃となっています。暑さには強い品種となっています。15度以下になると生育が衰えてきますので注意が必要です。
日当たりがよくて暖かい場所を選んで育てる必要があります。日本で栽培する際には冬越しが必要となります。基本的には屋内で栽培するのですが、具体的には、2つ方法があります。一つ目はヒーターを利用する方法です。ヒーターをつけて加温栽培できるのです。
ヒーターを栽培している鉢などに設定して水温を保ちます。次は、加温して栽培しつづけるのではなく休眠するという方法です。その場合には、霜が下りる頃まで屋外で栽培します。その後茎や葉を切り取って、水を入れたバケツなどに鉢を入れて室内の温度変化が小さい場所に置いておきます。
このときの水温は10℃くらいが目安です。水温が高くなると休眠しにくくなりますので注意しましょう。冬を越し、4月から5月になったら屋外での栽培を始めましょう。また加温栽培をしていた場合には、気温が25℃くらいになる梅雨明けに屋外へ移しましょう。
種付けや水やり、肥料について
熱帯スイレンの植え付けは5月下旬から8月いっぱいが適しています。この時期に植え付けをすると、7月から10月の半ばまで花を楽しむことができます。では、どのように植え付けをするのでしょうか。まずは育てる鉢を用意します。大きさは6号鉢くらいの駄温鉢がおすすめです。
鉢に土を入れポット苗を植え付けます。芽に土をかぶせないように注意しましょう。また芽の位置は鉢の中央になるようにしましょう。植え付けをしたら水やりをして、水を張ったスイレン鉢などの容器につけます。なお、熱帯スイレンの栽培適した土は田土となっています。
田土が手に入らない場合には、市販の水生植物用培養土を利用しましょう。熱帯スイレンは鉢を水につけて栽培します。そのため、日々の水やりは不要となっています。ただし、水位を毎日チェックしましょう。水位が減ったら足すのです。夏などは暑いため水位が低くなる可能性が高くなります。
そのため、夏は特に水位の変化に注意をしましょう。水位の目安は株元から水面までが10cmくらいです。また、水位と共に水の状態のチェックも必要です。濁ったり、藻が発生していたりしたら、水を全て捨てて新しい水を入れましょう。肥料については、
生育がおう盛な時期に必要となります。熱帯スイレンの場合6月から9月となります。この時期に、4~6週間の間隔で、固形の発行油かすや緩効性化成肥料を与えましょう。肥料を撒く場所は枝元から離れたところが適しています。なお、肥料は休眠期には必要ありません。
増やし方や害虫について
熱帯スイレンは分球でふやすことができます。5月から6月の植え替えの時に、根茎をチェックしましょう。根茎に小さい根茎ができていれば、ふやすチャンスです。小さい根茎を取り外して別の鉢に植えましょう。このようにして毎年分球していくことにより、どんどん増やすことが可能です。
きれいな花を咲かせる熱帯スイレン、育てているのであれば害虫などの被害は抑えたいものです。では、育てる際に注意する害虫とは一体なにでしょうか。この花の害虫はヨトウムシ、アブラムシ、ボウフラになります。ヨトウムシは植物の葉や茎などを食べる食欲旺盛な蛾の幼虫です。
熱帯スイレンについた場合には葉をかじりますので、被害をすぐに確認することができます。食欲旺盛なので、そのままにしておくとどんどん食べてしまします。見つけたらすぐに捕殺しましょう。アブラムシは葉や茎に多発します。アブラムシの場合には、
見つけたら駆除剤を使用するのが便利です。数が少ない場合には、ガムテープなどで捕獲してもよいでしょう。ボウフラについては、植物の害虫ではありませんが、やがて蚊になるので発生してほしくない人が多いのではないでしょうか。
ボウフラについては、水の中にメダカを飼うと食べてくれて撃退することができます。ボウフラが気になる方は、メダカを買うのをおすすめします。また、アブラムシ発生時には駆除剤をおすすめしましたが、ボウフラ対策でメダカを飼っている場合には、魚毒性のない駆除剤を選びましょう。
熱帯スイレンの歴史
スイレンは18世紀以前から多くの人に愛されてきました。古代エジプトにおいては、太陽の象徴とされ大事にされていましたし、仏教文化でも重要な花として位置づけられていました。スイレンの栽培がはじまったのは、18世紀のヨーロッパで、導入された頃は耐寒性スイレンが主に栽培されていました。
この時代は栽培するのみで、品種改良などは行われていませんでした。熱帯スイレンについては1850年に交配種デボンシャーの発表の記録があります。デボンシャーはロツスとルブラの交配種で、赤い花で、夜に開花する品種でした。1880年~1900年は耐寒性のスイレンの新品種が次々と発表されましたが、
熱帯スイレンについてはまだ品種改良が盛んな時期ではありませんでした。熱帯スイレンの品種改良がさかんになるのは20世紀に入ってからになります。育種の中心はそれまでヨーロッパでしたが、この頃からアメリカへと移ります。
20世紀前半は、園芸家であるジョージ・プリングやマーチン・ランディグやウィリアム・トリッカーなどが、多くの新品種を作り発表しました。また、20世紀後半も育種は続きます。この頃もアメリカで育種が盛んに行われました。この時代に100以上の品種が発表されています。
実は熱帯スイレンは、日本へも大正時代に輸入されています。しかし、戦争によってほとんどの品種が絶えてしまいました。現在の熱帯スイレンは戦後に輸入されたものが多くなっています。戦後、日本でも改良が行われ、新種であるシルバースターなどが作られました。
熱帯スイレンの特徴
熱帯アジアが原産となっている熱帯スイレンの一番の特徴はその花の色です。熱帯に咲く花なので、トロピカルな色の花を咲かせます。白やピンクだけでなく、青や紫の花を咲かせるのは熱帯スイレンのみとなっています。耐寒性のある温帯スイレンよりもはっきりとした色となります。
また、温帯性スイレンに比べて、花つきが優れていて、4~10回も花を咲かせます。次々に花が咲くので、長期間、何度も綺麗な花を楽しむことが出来ます。花は水面から少し出て咲く場合が多くて、水面から10数cmほど立ち上がります。花弁は細長く、花が大きく開きます。
甘い香りのする種類も多くありますので、花の香りを楽しみたい方にもおすすめの花です。熱帯スイレンを観察する時はその香りも楽しみましょう。葉については、切れ込みが入っているのが特徴で、色は赤みを帯びているものが多いです。地下茎にも特徴があります。
温帯性ではわさびのような形状をしていますが、熱帯性の場合には球状になっています。他の特徴としては、夜間に咲く品種があることがあげられます。もちろん昼間に咲く品種もあります。夜も花を楽しみたい方におすすめの花といえます。
実は、熱帯スイレンは寒さに弱く、日本では冬を越すことができません。そのため、あまり見かけることがありません。どのような花が咲くのかを実際に見たい場合には、植物園などに行くことをおすすめします。植物園でトロピカルな色の花を楽しみましょう。
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