宿根アスターの育て方
宿根アスターの育て方、宿根草を知る事
植物の栽培の仕方を大きく分けると一年草と多年草があります。多年草は地上部分が枯れても地下部分が残り、毎年新しく生長します。更に多年草の中には、地下茎や根に栄養分を蓄えて膨らんだ塊になる球根と根に生命を託す宿根草があります。
稀にヨーロッパ原産の宿根草の中には、ヨーロッパに比べて暑い日本の夏場を越す事の出来ない品種もあるので、その場合は宿根草ですが毎年種付けをして育てます。基本的に宿根草は、適切な環境に種付けしてやりさえすれば、後は余り手をかけずに栽培する事が可能な草木です。球根も宿根草の様に1度植えれば生育し続けます。
1年目は良い花が咲くのですが、何年も経つと花が小さくなったり花の色が悪くなり、中にはうまく栽培出来なくなる球根植物も少なく無いとされています。宿根草は、株が大きくなって2年から3年に1度株分けをするくらいで、植えたまま数年から半永久的に生長し続けます。
宿根草を含めて植物全般は、1度植えたらそこから動く事が出来ないので生育に適した環境に種付けする必要性が多大にあります。宿根草は日本産の品種が多いのも特徴で、日本の気候が比較的温暖であり極端な乾燥期も無く湿潤である事と土壌が比較的肥えている事から日本は宿根草を栽培するのに適した環境と言われています。
宿根草を植える環境は、宿根草の原産地の気候環境を考えれば、どのような場所に種付けすれば良いか簡単に理解出来ます。日本の環境に適した宿根草ですが、宿根草は開花時期が過ぎて株だけからと言って抜く事はしないのが常識です。
芽出しから新葉や落葉まで華麗さはありませんが季節を感じる事の出来る草木なので、花壇や鉢などに植えるよりも樹木と取り合わせて庭の所々に配置する方が、宿根草の持ち味を発揮出来るとされています。宿根草は、株も増えるので数年先を見越して種付ける場所を考える必要があります。
宿根アスターの育て方、下準備
宿根草の苗の植え時は、北海道や東北地方などの寒冷地や高冷地では春に植えますが、それ以外の地域は初夏までに咲く品種については秋に植えます。夏から秋にかけて咲く品種は、春か秋に植えるのが一般的です。
宿根アスターの苗もこれらの時期に出回り、株分け苗や挿し芽苗、実生苗で一株ごとにポットや鉢植えに植えられて販売されています。株分けの苗を選ぶ時は、芽が太くしっかりとして固く閉まっている苗が大変良いとされています。
挿し苗の場合は、葉が上から下までしっかりとまんべん無く葉がついており、更に葉の色が良い苗が良いとされています。勿論、ひょろりと長い苗や葉に元気の無い苗は論外です。苗の植え付けの前に、植え付ける土壌の下準備を行います。出来るとことならば、寒い時期に土壌を何回も掘り返して土壌を寒気に晒して土壌の中の病原菌や害虫を死滅させておくとより良いとされています。
良い土の条件は、養分を取り込む根が張りやすく、通気性と排水性が良く養分を良く含んでいる土だとされています。宿根アスターは、更に酸性土を極端に嫌うのでペーハーの調整を行います。ホームセンターや通販で購入出来る酸度測定キットを使用してペーハーを簡単に確認出来ます。
酸性濃度が高い時は、苦土石灰を使って調整します。その後は、堆肥や腐葉土、ピートモスなどをたっぷりと混ぜ込み、鶏糞や緩効性化成肥料をなどの元肥を良く混ぜておきます。新規の宅地造成地は、他の地域から持って来た土で埋め立てているので、腐植質を含まないやせた土地が多いとされています。
このような場合は、2年から3年は腐葉土と堆肥をよく混ぜて耕して、土壌改良する必要性が多大にあります。宿根アスターの育て方の第3のポイントは植え付けから管理です。育て方のポイントになる植え付けですが、宿根アスターは同じ場所で長く生育するので密植は絶対に避けます。
種をまく場合は10cm?20cm間隔で種付け、発芽後に間引きながら株と株の間隔を調整します。ポットの苗の場合は、根が底土からまばらに見えている時はそのまま植え付けますが、根が底で絡まっているようなら古い根を処理しながらほぐして、20cm間隔で根が乾かない様に植え付けます。
病気や害虫について
植え付け後は、病気や害虫に気をつけます。宿根アスターが気をつけるべき病原菌と害虫は、うどんこ病と宿根アスター菌核病、サビ病、ハモグリバエ、アワダチソウグンバイがあげられます。宿根アスター歯核病は、春に茎が茶色く腐った様に枯れてしまいます。枯れた茎の中には、3mmほどの茶色や黒色の菌核の塊があります。
枯れた場合は、速やかに枯れた部分を取り除く必要があります。サビ病は、10月から11月に葉や茎が錆びた様に赤褐色の斑点だらけになります。薬剤などを利用して対処する必要があります。
芽出しの頃には、草丈の抑制や株を充実させて枝数や花数を増やす為に摘心や花摘みを行います。咲き終わった花がらを放っておくとそこから腐る事もあるので、適時処理します。大きな株は根が詰まるので生育が悪くなるので、株分けを行う必要があります。
宿根アスターの歴史
アスターは、キク科の中でも約500種類の品種を有する大きな属です。宿根アスター属は、中国北部の冷涼な乾燥地帯を生息地とする品種が一番一般的ですが、北アメリカやヨーロッパ、アフリカを起源とする品種も様々あります。アスターは、ギリシャ語で星を意味しており、花の咲き姿に由来しているとされています。
この花は、1731年に中国北部よりフランスのパリに種子が持ち込まれ、その後ドイツからアメリカへと伝えられ世界各地で品種改良が行われ、江戸時代中期に日本へも伝えられています。宿根の冬期は、茎や葉が枯れた状態となり根だけが生きている状態で越冬し、毎年生長する草木の事を総称する言葉です。
園芸で一般的にアスターと呼ばれる草木は、開花後に枯れるので一年草として扱うので、それと区別する為に宿根アスターと近年呼ばれる様になっています。日本の各地に分布する野菊の一種であるノコンギクや日本でも野生化している北アメリカ原産のニューヨークアスターとも呼ばれるユウゼンギク、毎年9月21日のミカエル祭の頃に咲く事からこの名がつけられた北アメリカ原産の野生種であるミカエルマスデージなどをまとめて宿根アスターと呼んでいます。
日本や中国、シベリアを生息地とするオニノシコグサとも呼ばれるシオンの性質は剛健とされ、鑑賞する為の花と言うよりも山野に自生する大型の野菊のイメージが強い品種ですが、外来種が増えた事や環境変化などの影響で環境省が定めるレッドデータによると絶滅危惧種に指定されています。
シオンと呼ばれるアスター品種は、山野の湿気のある原野に自生して、秋に1mから2mの茎の先端部に3cm程度の淡紫色の花を咲かせます。シオンの根は、咳止めや去痰の薬とて古くより漢方として使われて来た歴史もあります。
宿根アスターの特徴
宿根アスターの特徴としては、春と秋に株いっぱいに花をつけ、分枝が多いので切り花に向いている植物です。この花は品種も多く、植物の高さが30cmと小さな鉢植え向きの品種から2mにもなる原野種まで様々です。花の大きさも2cmから3cmの小さな花から花径が15cmを超える巨大輪を咲かす品種もあり、花の咲き方も一重、八重、菊、万重咲とバリエーションが豊富です。
茎には全体的に剛毛が生えており、葉は丸型で淵に粗いギザギザがついています。この花は長日植物なので、日が長くならないと花芽が出ませんが、開花期間が長いので種付け時期を考えれば簡単に観賞時期を調整出来ます。比較的強いとされる花ですが、水はけの悪い場所や連作すると病気が出やすい特徴があります。
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