ダイモンジソウの育て方
育てる環境について
ダイモンジソウの育て方として日当りがよくて風通しもよい場所を選ぶことがおすすめです。夏場の気温の高さにはあまり強くありませんので、直射日光のあたる場所でずっと栽培していると葉が焼けて傷んでしまうことがあります。乾燥してしまいますのので夏場など、
特に暑くて乾燥しやすいシーズンには、半日陰など直射日光のあたらない場所に移動させてあげましょう。梅雨のシーズンも雨に何日も晒され続けるとと腐ってしまうケースがありますので、軒下やベランダなど雨のあたらない場所に移動するようにしてください。
もともと川沿いの湿った岩場や涼しい環境を好んで自生している植物ですので、夏場の気温の高さに弱く気温が特に高い地域などで生産するのは難しいとされています。夏場でも夜間は温度が下がり日中と夜間の温度差が10度から15度くらいの北海道の生産が適しているのもこのためです。
育てる場合は、生育期の春頃から梅雨までにかけてと9月以降にはよく日があたるようにしてあげてください。開花する時期は9月上旬頃から11月下旬頃になります。開花が終わった後は休眠時期に入ります。寒さには比較的耐える方ではありますが、
凍らせてしまわないように注意しましょう。あまり乾いた寒い風に晒し続けていると春に出てくる芽が傷んでしまう可能性があります。湿り気のある場所を好みますので置き場の地面に人工芝をしいて水をまいて湿度を高める方法なども用いられています。
種付けや水やり、肥料について
ダイモンジソウは土が乾燥してしまわないように注意することが大切ですので、常にある程度の湿り気がある状態を保つようにしてあげてください。湿度が高い方がよいとはいえ、水はけが悪く溜まってしまう停滞水はよくありませんので注意するようにしましょう。
鉢の下に受け皿を使用している場合は、水が受け皿に溜まったままにしないことが大切です。毎日新鮮なお水をあげて入れ替えるようにしてください。春頃から秋頃までは土が乾いているようでしたら毎日水やりをおこなうことが好ましいです。
夏の暑いシーズンは乾燥しやすいですので1日に2回ほど水やりをすることがおすすめです。水は日中の暑い時間帯におこなうと沸騰してしまいますので、朝方や夕方などの涼しくなる時間帯におこなうようにしましょう。夏の間は鉢植えで育てている場合は2重鉢にすることもおすすめされています。
また、砂床に置いてあげることで暑さと乾燥から守ることができます。肥料をあげる場合は、植え付けをおこなう際に元肥としてリン酸とカリウムが多めの緩効性化成肥料を施すとよいです。3月頃から9月頃までにかけては月に2回ほど液体状の肥料を1500から2000倍くらいに薄めて利用してください。
真夏の場合は3000倍くらいにまで薄めることがおすすめされています。春頃にはチッ素が主体となっているタイプの肥料を使用し、6月頃からはリン酸やカリウムが主体となっているタイプの肥料を施すことがおすすめされています。
増やし方や害虫について
ダイモンジソウの増やし方は、タネからでも可能ですが株分けをしておこなうことが一般的です。鉢から株を抜いたら付いている土をよく落として芽の部分を確認してください。株分けをおこなう際はそれぞれの芽に根が付いている状態にしてカットしていくようにしましょう。
あまり細かく分け過ぎてしまわずに三分の一から二分の一くらいにわけることがおすすめされています。タネまきをする場合は、開花し終わった後に実るタネを乾燥させて保管するようにします。タネまきをするタイミングは2月頃から3月頃です。
比較的発芽率はよい方ですのであまり厚まきになってしまわないように注意してください。タネまきで順調に生育していけば秋頃には開花するものがあります。植え替えをおこなう場合は、休眠時期に入っている2月から3月頃が適しています。植え替えは一回り大き目の鉢を使用するようにしてください。
主な病害虫としてはヨトウムシが挙げられます。ヨトウムシはヨウトウガなどの幼虫の総称のことで、日中は地中へ潜んでいるのですが夜になると出て来て葉を食害してしまいます。非常に食欲旺盛ですので葉が葉脈だけ残してきれいに食害してしまうこともあります。専用の殺虫剤などを利用して駆除することもできますが、
大きくなっているものは効果がない場合もありますので夜間に確認することもおすすめです。土の表面に浅く掘ったような形跡が見られた場合は可能性があります。その他にはハダニやアブラムシがあり、ハダニが発生している場合は湿度不足などが考えられます。
ダイモンジソウの歴史
ダイモンジソウはユキノシタ科ユキノシタ属の多年草で、日本国内では北海道や本州、四国、九州などに分布しています。湿り気のある渓谷の岩肌などが生息地となっています。国外の原産としては南千島、朝鮮半島、中国、ウスリー、樺太が挙げられます。
ダイモンジソウは漢字で表記すると大文字草ですが、これは5枚の花びらの長さと並び方が漢字の大の字に見えることが由来しています。ダイモンジソウと近い仲間の植物には、葉が深く切れ込むエチゼンダイモンジソウ、四国や九州など西日本に分布しているジンジソウなどがあります。
ジンジソウは下の2枚の花びらが長く人の字のように見ることから名付けられています。もともとダイモンジソウの花は小さくて白い花が多かったのですが、交配などを繰り返していくことによって現在のような華やかななダイモンジソウができるようになりました。
山の湿っぽい岩場で咲いている山野草のダイモンジソウは、アクが少なく美味しい山菜としても知られ、葉の部分を天ぷらなどにして食べることもできるとされています。その他にも胡麻和えやワサビ和え、おひたしや酢の物などにして食べられることもあります。
利尿作用や便秘などに効果が期待されています。ダイモンジソウは変異の幅が広いことから、葉の大きさや形状、切れ込みぐらいなどからミヤマダイモンジソウ、アカバナダイモンジソウ、ハマダイモンジソウなどの型に区分されています。葉に美しい模様の入る斑入り種などもあります。
ダイモンジソウの特徴
大の字に見えるのが特徴のダイモンジソウの根茎は短くて分岐せず、地上茎の基部についた根出葉に長さおよそ5センチメートルから20センチメートルほどになる葉柄があります。葉身の長さはおよそ3センチメートルから15センチメートルで幅は4センチメートルから20センチメートルほどになります。
形は円形で粗い切れ込みがあって全体的に毛があります。葉の裏側部分にはホワイトやパープルのような色をしています。花は7月の夏頃から10月に秋頃に花茎をおよそ30センチメートルほどに伸ばして円錐状に白い花を咲かせます。まれに淡紅色の花をつけることもあります。
萼裂片の長さはおよそ2ミリメートルから3ミリメートルの卵形から卵状楕円形で斜開します。花弁は上側の3弁の長さがおよそ3ミリメートルから4ミリメートルほどの楕円形で、下側の2弁の長さはおよそ4ミリメートルから15ミリメートルほどの線状楕円形になります。
葯から花粉を出して雌蕊の先に受粉させる役割を持っている雄蕊は、長さがおよそ3ミリメートルから4ミリメートルほどで10個あります。葯の部分は、橙赤色や暗紅色になります。一般的にめしめと呼ばれている雌蕊は、2個の心皮からなって花柱2本を残して上部までほぼ合着します。
花色はホワイトの他にピンクや紅色で、花びらの数が多い星咲きタイプや短弁タイプ、花びらの丸いタイプ、八重咲きなどの園芸品種が存在しています。ダイモンジソウは別名でイワブキやニワブキと呼ばれることがありますがこれは、葉がフキに似ているためです。
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