サヤエンドウの育て方
育てる環境について
サヤエンドウを育てる際の環境についてですが、種や苗の植え付けが早いと大きく育ち過ぎてしまう恐れがあるため、種から蒔く際や苗を植える際には適正な時期に適正な環境で植えることがポイントです。逆に早く植え過ぎると寒害に遭うリスクが高まるため、
やはり植え付けの時期には細心の注意を払うことが重要です。土壌については、サヤエンドウは酸性に弱いので、石灰質肥料などで用土のPHを6.5程度に調整してあげてから育ててあげましょう。石灰は海苔などの缶に防湿材として使われている事もありますから、
キッチンを探すとでてくるかもしれません。エンドウはマメ科の植物です。マメ科植物の根には根粒菌が共生し、チッソ成分は根粒菌による固定チッソが供給されます。そのため、砂地ややせ地以外の畑では、チッソ肥料はあまり必要ありません。
かえってチッソ肥料が多すぎるとつるぼけになるので注意が必要です。チッソ成分は10a当たり7~10Kg程度とします。実エンドウは栽培期間が長くなるので、12Kg程度とやや多めに施した方がいいでしょう。リン酸、カリは10~15Kgを基準とします。さらにはサヤエンドウは連作に弱いので、植え場所には、
マメ類を4~5年つくっていない場所を選びましょう。また、湿度にも弱い野菜でもあるので、根腐りを防ぐためにも土壌の排水を良くするしくみの整った環境を作ることが大切です。また、生育適温は15~20℃と冷涼な気候を好みます。寒さに強く、簡単な防寒で冬越しします。
種付けや水やり、肥料について
サヤエンドウの育て方ですが、冬越しさせる作物なので、タネまきの時期が大切です。早まきして株が大きくなり過ぎると、寒さで傷みやすくなります。タネまきは10月中旬~11月上旬が適期。連作に気をつけ場所を選び、苦土石灰を1平方メートル当たり150g散布し、よく耕します。
次いで1平方メートル当たり堆肥2kgと粒状肥料を1平方メートル当たり120gを施して土に混ぜ込みます。株間30cmになるようまき穴をあけて、1カ所4~5粒の種をまきます。発芽する頃に鳥害を受けやすいので、べたがけなどで覆って防ぎましょう。
または、ポリポットにタネをまいて苗を育ててから植えつけする方法もあります。その場合は、9cmポットにタネを4粒まき、根鉢が回った本葉2~3枚の頃に株間30cmで植えつけます。水やりのタイミングについてですが、何日も雨が降らず乾燥が激しいなどの場合にたっぷりと水やりをしましょう。
また、発芽したら、生育のよいものを3株残し、ほかは間引きます。本葉が3~4枚のとき、株元に軽く土寄せし、さらにワラを敷いておくと乾燥防止、防寒対策にもなります。12月下旬~2月は、寒さが1番厳しくなります。
エンドウの畝の北側、あるいは西側にササ竹を立て防寒、霜よけとします。2月に入ってつるが伸びてきたら、支柱やネットを立ててつるを絡ませます。追肥については2月に1平方メートル当たり120gの粒状肥料を株元に追肥し、土寄せすれば心配ないです。
増やし方や害虫について
害虫についてはアブラムシとハモグリバエが主なものです。ハモグリバエは葉の内部に潜り込んで食い進むため食害痕が目立つが実害は少なめなのですが、多発でもしなければ神経質になる必要はありません。万が一、春先に葉に絵を描いたようにハモグリバエの幼虫の食害の多発が見られたら、
殺虫剤「家庭園芸用マラソン乳剤」を散布して退治します。新芽にアブラムシが発生したら、殺虫剤「家庭園芸用マラソン乳剤」、「家庭園芸用スミチオン乳剤」、食品成分を使用した殺虫殺菌剤「ベニカマイルドスプレー」、天然のヤシ油を使用した殺虫殺菌剤「アーリーセーフ」を散布して退治します。
他にもヨトウムシやハダニ類といった害虫が存在しますが、ヨトウムシが発生したら、殺虫剤「ベニカS乳剤」を散布して退治しましょう。また、主な病気にうどんこ病、立枯病などがあり、家庭菜園では葉が白くなってしまううどんこ病が比較的かかりやすいです。
対策としては抵抗性品種を選ぶか、風通しをよくして防ぎます。つるが絡み合わないよう、丁寧に誘引しましょう。もし発生したら、発生初期に食品成分を使用した殺虫殺菌剤「ベニカマイルドスプレー」、天然のヤシ油を使用した殺虫殺菌剤「アーリーセーフ」、
有機農産物栽培に使える殺菌剤「カリグリーン」を散布しましょう。病気にはほかにもモザイク病、茎えそ病、褐斑病、褐紋病、さび病、苗立枯病、根腐病、灰色かび病などがあり、注意が必要です。
サヤエンドウの歴史
サヤエンドウの歴史は大変古く、古代ギリシャ、ローマ時代にまでさかのぼります。生息地や原産は中央アジアから中近東、地中海沿岸にかけての地域と推測されています。数千年前から存在し、古代ローマや古代ギリシャで栽培されていて、エジプトのツタンカーメンの墓からも出土しています。
その後インドや中国などに伝わり、日本への伝来は約1000年前の8~10世紀頃に中国から遣唐使によってもたらされたとされています。平安時代に編纂された辞書「和名抄(わみょうしょう)」に記載されている「乃良豆」とはサヤエンドウのことです。
しかし、当時は大豆の存在が強かったために大事にされることはなかったようです。本来、乾燥した気候を好む植物であったため、日本の気候風土ではおいしく育たなかった事もあり、乾燥した豆を保存食として利用する程度だったようです。えんどうは長い間穀物として利用されていたのですが、
13世紀頃にフランスでまだ若いサヤエンドウを食べるようになり、それから後にグリーンピースとしての利用に発展。日本では江戸時代の後期、お菓子として利用されました。このころ普及した砂糖と相性が良かった為、江戸末期、サヤエンドウに蜜をかけたものが流行ります、
やがて寒天、杏なども加わり現在の「みつ豆」へと至りました。明治時代になると欧米から優れた品種が導入され、全国に普及しました。明治中期にはハイカラ食として大流行。昭和初期の豆大福の豆もエンドウ、また、エンドウに砂糖の衣をかけたものは五色豆に発展し、エンドウは和菓子の要素として確固たる地位を築きました。
サヤエンドウの特徴
実は、サヤエンドウというのは植物名ではなく、エンドウという植物のまだ若いさやを若どりしてさやごと食べるものと、豆が成長してから実とさやの両方を食べる「実エンドウ(またはスナップエンドウ)」とを区別するために便宜上言い分けています。サヤエンドウは、
老化やがんの抑制に効果的なカロテンを豊富に含む緑黄色野菜です。また、免疫力を高め、風邪の予防に効果のあるビタミンCはトマトの4倍の含有量です。また、脳や神経の機能を活性化したり、利尿作用のあるグルタミン酸を非常に多く含むことも特徴で、
その含有量は野菜の中でも多いとされるトマトの6倍ほど。そのほか、エネルギー代謝や疲労回復に効果的なビタミンB群、整腸効果が期待できる食物繊維も豊富に含みます。なお、未熟な豆を食べるグリーンピースも同じ仲間で同様に育てられます。
品種は複数あり、キヌサヤエンドウ(絹さやえんどう)、オランダさやえんどう(オランダ豆)、スナップエンドウなどがあります。また、成熟した実を食べるグリーンピース、ウスイエンドウなども同じ仲間です。また、どの品種も旬は春から初夏にかけてであり、
全国で栽培されハウス栽培などもあって一年中手に入ります。当然ですが、冷凍、缶詰にはない風味おいしさがあるので、立派な季節メニューに取り入れられます。関東以南では冬期に種をまき、春先に収穫が始まります。冬の寒さが厳しい北海道や東北では主に春先にまき、初夏から夏にかけて収穫されています。
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