オキナグサの育て方
オキナグサの育てる環境について
育て方は、さほど難しくないため日当たりが良い場所で定期的な水やりを忘れなければ初心者でも育てやすく栽培がし易い植物です。また本来の特性から見れば地植えが自然と言えますが、鉢植えで育てることが多く見られ、根がごぼうの根っこのように深さがあるため、
深さのある鉢を用意できればベランダで育てることも可能です。オキナグサは日光を好みます。日陰に長い間の放置をしてしまうことは避けたいものですが、比較的強い品種のため、あまり神経質に部屋に取り込むことなどを繰り返さなくても大丈夫です。
年間を通して通気性が良く、日の当たる場所を選んで育てることと、湿気には弱いですので暑すぎる日には日陰に移動してあげると良いです。寒さにも強いのですが、冬場には北風のあたる場所は避けたほうが無難です。鉢植えで育てる場合、土が乾いたら水やりをしますが与えすぎに注意します。
多少の乾燥に強い性質を持っているため、冬場には水やりの回数は減ります。併せて冬場の注意は凍結しないように気を配ることも大切です。風通しを配慮する場合は、枯れた葉を小まめに取り除くことも、通気性を良くすることにつながります。
それらの特徴をまとめると、高山植物種であるため寒冷、乾燥に比較的強い、日当たりが良く通気性に富む場所であれば多くの手間を掛けずに適度な水やりで育てることが出来るということです。そのことは、日本原産の種であっても、西洋の種であっても共通している事と言えます。
種付けや水やり、肥料について
オキナグサはの植え付けは3月~4月が適しています。高山植物のため、植える時の土は水はけの良い山野草用の培養土を使用するのが理想です。日光と風通しの具合により、成長の過程が異なってくる性質を持っているため栽培には通気性の良い素焼きの鉢植えの方が適していると言えます。
根っこは、ゴボウ根といって地中深く伸びていく根っこです。根付くと根は深く張るため、鉢は深さのある物が適していると言えます。そのため1度地植えを行って根付いたオキナグサは鉢に戻して栽培することには向かないと言えます。
もともと乾燥に強い植物のため、水やりのし過ぎは湿気を嫌うオキナグサの生育を妨げてしまいます。鉢植えの土の中に過度の水分が有る場合、根腐れを起こす原因となってしまいます。最初の種付け時点で肥料を混ぜた土に植えてあげると良いです。
肥料を追加する場合は、夏と冬は避けて与えます。春と秋は肥料が必要です。4月~6月頃と9月頃には化成肥料を置き肥するか、液体肥料であれば10日~2週間に1度定期的に与えます。液体肥料で10日分ほどの量が土に刺したままで使用するタイプもあり、毎日少しずつ土が吸収する様式となっていますが、
何らかのことが原因でキャップが外れて1度に全部が土に出てしまうことに注意が必要です。水やりのタイミングは春と秋の気候が良い時には朝方に、夏は夕方から夜に与えます。冬場にはあまり水やりをせずに、土の様子をみて白っぽくなり乾いていたら与えます。
増やし方や害虫について
オキナグサの増やし方は、種を蒔いて育てることと育てたものから株分けにより行います。種は、一般的に販売されていることが多くは見られません。そのため、最初は育てている人などから種を入手し育て、新たに種を採取します。発芽2年後ほどで4~5月にガクが開花します。
鉢植えで栽培している場合の植え替え時期はこの頃が適しています。種が採取できたら、綿毛部分は取り除いて同時期に直ぐに蒔くことが良いでしょう。種を冷蔵保存して後に蒔くこともできますが、とりまきをすることが発芽率が最も良いとされています。
外で栽培することが多い植物には害虫対策も重要です。多くの植物に寄生する害虫にアブラムシやハダニが上げられます。アブラムシは新芽や茎に付き、ハダニは葉裏について養分を吸収します。オキナグサを好んで付く外来種と言われる害虫もいます。どちらも植物全体を弱らせます。
どちらも水を蒔いた程度では駆除できない場合が多々にして在ります。それらを取り除くほど強力な水蒔きをすれば植物も弱ってしまいます。対策としては、量が少なく発見が早ければティッシュなどを使って茎や葉を傷つけないよう注意を払って手で取り除いてしまうことも可能です。
手で取れるほどの量で防止が出来れば良いのですが、どこからともなく害虫は現れます。多く見られるようでしたら、薬剤を塗布または散布します。その場合、他の害が出ないように成分をよく見極めて選ぶことも大切です。未然に防ぐ方法としては、数日おきには水やり時に茎や葉の様子を観察することが最善の害虫対策となります。
オキナグサの歴史
オキナグサはキンポウゲ科に属する多年草です。日本での歴史は、万葉集の随筆から江戸時代中期後期にかけて書かれた書物の中にも登場することから、その時代には既に存在していたことが確認されています。オキナグサに認められている種類が30数種ほどあり世界各地で分布が見られますが、
日本最古の随筆に見られるのは、ニホンオキナグサと呼ばれる種であります。その生息地は、日本の本州~九州に分布が見られています。海外アジア地域では朝鮮、中国の一部地域で生育が確認されています。種によって、北米、ヨーロッパにも生育が見られます。
ニホンオキナグサは、乱獲や森林伐採などの自然環境の変異により、数が激減し絶滅危惧種に指定されています。地方によってはウズノシュゲとも呼ばれ華奢で可憐な様子が多くの著名人の題材の中に取り入れられて来ました。小説にも登場している他、洋画家によるコラムなどにも取り上げられています。
日本オキナグサ以外では、英名をPulsatilla(プルサティラ)、と呼びそれらを総称して西洋オキナグサと呼びます。日本には、明治時代に西洋オキナグサが入ってきました。海外では別名、風の花、草原のクロッカス、イースターの花とも呼ばれることがあります。
外国の歴史の中で登場するオキナグサは、古代ギリシャ時代に薬として使用されていたとされています。美の女神であるヴィーナスが流した涙が落ちた地面から生えて広がったとされている説もあります。近代では、心理療法などで花を用いる場合などにも使用されています。
オキナグサの特徴
オキナグサの特徴は、花が散り種子をつけた時に白髪のような細長い綿毛と変わります。その様子が老人の頭部のように見えるため、男性の老人を指す翁という言葉が和名としてあてはめられました。白髪のようになった後、風で種子を飛ばしますがタンポポの綿毛のようにあまり遠くには飛びません。
英名ではプルサティラと呼びます。オキナグサには種類がありますが、日本原産の種は現在では絶滅危惧種に指定されています。ニホンオキナグサの特徴は、花が横向きに付くことです。それに対して西洋のものは花が上を向いて咲きます。また、オキナグサの花と見える部分は、
ガクであり、ニホンオキナグサの色はエンジから紫に近い色であり、色の名称で表すならゴシックパープルという色です。ガクに囲まれた花弁があり花びらはありません。観賞している主な部分はそのガクとなります。西洋の種では、アルピナと呼ぶ、白い種や薄紫、薄黄色のものもあります。
観賞用植物として、可愛らしさから変化を楽しめる植物として人気のオキナグサですが、注意したいことの一つに毒性であるプロトアネモニンを含んでいるということが掲げられます。この成分は、キンポウゲ科の植物には多く見られます。種類によっては、分泌される液に直接触れた場合、
体質により皮膚が被れたり、誤って食べてしまった場合には腹痛、下痢、嘔吐などの中毒症状を起こすことが確認されています。しかし、その反面その成分が薬として用いられる場合もあり、漢方薬では根の部分を乾燥したもので煎じ薬や錠剤として健康食品としても長きに渡り販売されています。
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