エキザカムの育て方
エキザカムの育てる環境について
エキザカムは熱帯や亜熱帯のように海洋性気候を好みますので、育て方としては日当りのよい場所を選ぶようにするのが好ましいです。もっともよく生育する環境は、日中の気温が25度くらいで夜間は15度くらいです。高温過ぎてしまうと生育が止まってしまい、
花のつきも悪くなってしまいます。夏場のように気温が高くなるようなシーズンに入ったら半日陰へ移動させてあげてください。乾燥には比較的強い方ではありますが乾燥させ過ぎはよくありません。夏場の直射日光は葉が焼けてしまったり花の色が褪せてしまうことがありますので十分に注意するようにしてください。
室内の場合は春頃の他11月12月頃でも開花させることができます。冬の寒いシーズンでも生育させていくためには、0度以下になってしまうと枯れてしまいますので10度以上を保つようにするとよいでしょう。土質は肥沃で水はけのよい酸性土を好みます。
それほど手間のかかるようなメンテナンスは必要ありませんが、伸び過ぎてしまった場合には切り戻しをします。花が咲き終わった頃や一番外側の花びらが茶色っぽくなってきたと感じたら、花ごと摘み取っていくことがおすすめされています。
枯れてしまった花をそのまま放置して付けていると、病気などが発生してしまうケースがありますし見た目にも美しくありません。また枯れてしまった花を摘み取ってあげることで株の体力が消耗してしまうのを防ぐ効果が期待されています。
種付けや水やり、肥料について
鉢植えで栽培している場合には、土の表面が乾いてきたら鉢の底から水が流れ出てくるくらいたっぷりと与えてあげましょう。水は遣り過ぎてしまうと根腐れをしてしまう可能性がありますので注意するようにしてください。鉢植えの場合は、
多湿になりがちですので土が乾燥をしてきた頃に水やりをするようにしましょう。水を与える場合には、葉の植えからかけるというよりも土注ぐようにしてください。葉っぱの部分に掛けて蒸れてしまうと病気が発生してしまうケースがあります。
エキザカムは多肉質の茎や葉の部分に水分を蓄えていますので乾燥には比較的強く、庭植えをしている場合には根づいてしまえば頻繁に水やりをする必要はありません。タネから育てていくようば場合は、小苗のうちは乾燥に弱いですので用土を乾かさないようにしてあげてください。
開花中は液肥を与えて疲労させないようにしてあげるのがおすすめです。市販の緩効性固形肥料や薄い液体状の肥料を施すことがおすすめされています。庭植えをしている場合には、月に1、2回ほど施し、鉢植えをしている場合には1週間ごとに施していくようにしてください。
肥料が不十分になってしまうと葉の色が薄くなってしまったり、花のつきが悪くなってしまうことがあります。園芸店などで鉢で販売されていることがありますが、このような場合はほとんどの場合根詰まりをしていますので一回り大きな鉢へと植え替えをすることがおすすめされています。
増やし方や害虫について
エキザカムの増やし方は、タネまきによる方法が用いられています。とても繊細なタネですのでタネまき専用の用土や小粒の鹿沼土、赤玉土、パーライトの配合土などを利用することがおすすめされています。またまく場合には、ピートバンや浅めの鉢を利用しましょう。
タネまきをするタイミングとしては、4月下旬頃から5月頃が適しています。発芽の適温はおよそ20度から25度くらいですので、十分に気温が上がってからおこなうことが好ましいです。発芽するためには光を必要とする好光性種子ですので、土はかぶせずに軽くおさえる程度にしましょう。
タネをまいたあとは乾燥してしまわないように注意する必要がありますが、上から水やりをしてしまうとタネが流れてしまうことがあります。そのため霧吹きなど霧状の水をあげるようにすることがおすすめです。その他の方法としては、
受け皿を置いてそこにお水を入れて底から水分を吸収させるようなやり方もあります。タネができないような八重咲き種や斑入り種の場合は挿し木で増やしていきます。エキザカムの病気には灰色カビ病や立枯病が挙げられます。灰色カビは葉が蒸れてしまうことで、
発生してしまいますので風通しをよくして、茎葉の表面などに水分が残ってしまわないようにしましょう。タネまきをした後の小苗は、立枯病が発生しやすいですので注意してあげてください。害虫にはアブラムシやハダニが発生することがありますので専用の殺虫剤で駆除しましょう。
エキザカムの歴史
エキザカムはリンドウ科の植物で、別名でベニヒメリンドウ、エクサクムと呼ばれることもあります。 属名の Exacum は、ギリシャ語の「外へ出す」という意味があります。リンドウ科は、リンドウ目に属する双子葉植物の科で、極地や高山、砂浜などのようなかなり環境の厳しいところなども生息地となっています。
主な原産地にはインド洋に浮かぶソコトラ島が挙げられます。エキザカム属にはおよそ25種ほどがありますが、広く栽培されている種類にはソコトラ島原産のアフィネ種などがあります。種小名の affine はギリシャ語で「近似の」という意味があります。
ソコトラ島は、イエメンのソコトラ県に属するインド洋上の島で、世界遺産にも登録されるほど独特の生態系を持ち、その奇観で知られている島です。日本へは昭和時代の初期頃に渡来したとされています。 エキザカムの和名は、ベニヒメリンドウと言います。
熱帯地方の各地に広く野生化しているものですが、最近では品種改良されて鉢植えなどで育てていくのにおすすめされている草丈の低い矮性種などもあります。品種改良がおこなわれていったことで矮性種以外にも八重咲き品種、斑入り葉品種なども登場しています。
多年生植物とは、個体として複数年にわたって生存する植物のことをいうのですが、エキザカムは比較的短命な多年草ですので一年草扱いにされることが多いです。開花する時期は室内で栽培している場合は3月頃から5月頃、戸外の場合は6月から10月頃です。
エキザカムの特徴
エキザカムの草丈は、およそ15センチメートルから25センチメートルほどになります。枝分かれしてこんもりとまとまったように茂っていきますので手間があまりかからないとされています。花は直径1センチメートルから2センチメートルほどの小さくてパープルがかったブルーやホワイトなどの色をした花が開花します。
花冠の先は6つに裂けて平らに開いていきます。雄しべは6本で、雄しべの花粉を入れる袋の葯の色はイエローです。この葯の部分の色と花の色とのコントラストが美しいとされています。雌しべは1本で長く飛び出したようになっています。花弁が幾重にも重なってバラのように豪華な咲き方をするのが特徴です。
葉は先端が尖った卵形をしており向かい合って生えています。葉の表面には光沢がありますので艶っぽいのが特徴となっています。とても丈夫な性質を持っている植物ですので、夏の初め頃からは庭や寄せ植えなどにも用いることができ、一年草扱いにされています。
手間があまりかかりませんが、伸び過ぎてしまった場合には早目に切り戻しをおこなっていきましょう。エキザカムは寒さにはあまり強くありませんので、7度以下の環境で育てている場合に枯れてしまうケースがあります。
開花した後にはタネができやすいでとされています。タネができてしまうと次の花が咲きにくくなってしまいますので、開花してしぼんできたらできるだけ早目に花を摘んでしまうようにしてください。
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