ウツボカズラの育て方
ウツボカズラの育てる環境について
ウツボカズラは熱帯地方を中心に広く分布しジャングルの他、高山にも自生していますが、乾燥や寒さには弱いものとなります。ウツボカズラは普段あまり馴染みのない植物ですが、観葉植物として育てる場合には、鉢植えにして育てます。
育てる難易度は、種類にもよりますが難しいものとなり、基本的には初心者向けではありません。育て方は、春や秋にはなるべく戸外へ出して陽の光に当てるようにします。また寒さには弱いため冬場は室内に置き、ガラス越しに陽の光をあてます。
また熱には強いものの、直射日光には弱いため真夏には直射日光に当てないよう、軒下や木陰などの日陰に移動させるようにします。真夏の直射日光に当てると、葉焼けを起こしてしまう場合もあります。高温多湿な地域に棲息する植物のため、春や秋には鉢の土が乾かないよう水を与え、
冬場は土が乾いたら水を与えるようにします。温室で栽培するのがベストですが、ない場合には湿度を保つように、こまめに霧吹きで水を与えるようにします。その一方鉢植えの土には、腐植質で水はけの良い土を選ぶようにします。この他、冬越しには15℃以上を保つように気をつけ、
20度を切るようであれば室内へ取り込むようにします。気温28度以上、湿度80%以上が熱帯を生息地とするこの植物にとって、快適な環境となります。湿度の高い場所を好むため、水切れをしないよう気をつけるようにします。この植物は夏場に鉢植えとしてネット通販などで、流通しています。
種付けや水やり、肥料について
種付けは1年に1回、気温の高い6月から8月の間に行います。ウツボカズラの根は細いため、傷つけないように注意して行います。また肥料を与える場合には、この時期に1回与えるようにします。一方でウツボカズラはもともと養分の少ない場所に生えているため、
種類や育て方によっては肥料を与えないほうが良いという場合もあります。必要以上に肥料を与えてしまうと、枯れてしまうということもあります。このため種類やその育て方をよく調べた上で、肥料を与えるようにします。この他栄養として、虫を与える必要はありません。
水やりは土が乾いたらタップリと与え、湿度を保つようにします。その一方であまりに多く水を与えすぎてしまうと、根が腐りやすくなってしまいます。また高い湿度を好むため、霧吹きで株全体に水をかけてあげるようにします。このように湿度を保つことが重要ですが、
あまりに空気の循環が悪いと光合成が低下する、細菌が繁殖するといった事が起こります。このため微風を送り続けるようにして、適度な空気の循環を保つようにします。また、湿っている状態と乾いている状態のメリハリによって根がよく伸びるようになります。
またウツボカズラの種類をはじめ、育てる地域や天候の他、鉢の大きさによっても水の与え方が違ってくるということもあります。温度と湿度の管理が基本ですが、この他にも枯れてしまった葉はこまめに切り落とす、伸びすぎたつるは切るなどします。
増やし方や害虫について
ウツボカズラを増やすのに適している時期は、植え付けの時期同様6月から8月にかけてです。茎を先端から10cmくらいのところで切り、挿し木にすることで増やすことができます。茎を切る際には、水の通り道を塞がないように、鋭利な刃物で切るようにします。
ミズゴケか水はけの良い腐葉土に挿し、ミズゴケが乾かないよう軒下や木陰などに置くと、1ヶ月ほどで根付きます。使用する鉢は植物体より少し小さめが適していて、適度な通気性のある素焼きの鉢がこの植物には適しています。またあまり大きな鉢を使用すると、
通気性が悪くなります。ウツボカズラにも病気にかかることがあり、代表的なものに斑点病や灰色カビ病などが挙げられます。こういった病気が見つかった場合には、園芸店などで売っている薬を使用して治療します。このほかこの植物には、カイガラムシやアブラムシなどの害虫が発生することがあります。
これらもまた、薬で駆除することができます。一方で新芽を弱らせるセンチュウという寄生虫が発生すると、駆除することができません。センチュウの発生を防ぐには、定期的に植え替えを行う、泥の中のセンチュウが鉢の中に入らないよう、
地面に直接鉢を置かないように気をつけ、棚の上に置くなどをするようにします。薬剤の使用や鉢植えの管理のほかにも、病気であれ害虫の発生であれ、取り除いた後は生育環境の改善を行い、植物が本来持っている自然治癒力で治癒することを待つことも大切です。
ウツボカズラの歴史
ウツボカズラとは、ウツボカズラ科の植物で、食虫植物として広く知られているものの一つです。原産国は東南アジアを中心とした熱帯で、ニューカレドニアやマダガスカルなどに分布しています。日本では植物園の温室で栽培されているところを見かけることがありますが、
普段はあまり馴染みのない植物です。しかしながらそういったウツボカズラにも花言葉があり、絡みつく視線や甘い言葉などが挙げられます。また虫を捕らえる特徴から、油断や危険といった花言葉もあります。この他にもこの植物は、8月24日の誕生花となっています。
別名及び学名はネペンテスと呼ばれ、ギリシャ語で憂いや悲しみを消すという意味ですが、その由来は不明となっています。和名は捕虫袋が矢を携帯するための筒状の容器であるうつぼ(空穂)に似ているために、その名が付きました。ウツボカズラと一言で言っても様々な種類があり、
色や形も様々なものがあります。代表的な種類にはフィリピンやマレー半島が生息地となっているアラタをはじめ、ボルネオ原産のビカルカラタ、中国南部や東南アジア、オーストラリア北部といった広範囲に生息するミラビリス、マレー半島やボルネオが生息地で、
和名の由来ともなったラフレシアナなどが挙げられます。このように熱帯が主な原産地となっているこの植物は、高温多湿な場所を好む反面、乾燥や低温には弱いものとなっています。食虫植物は虫を食べるイメージがありますが、光合成も行っています。
ウツボカズラの特徴
ウツボカズラは代表的な食虫植物の一種で捕虫袋を持ち、その中に落ちた虫などを消化する液体が入っています。この他にも蓋の部分には甘い匂いを出す蜜腺があり、これを利用して虫をおびき寄せる、捕虫袋の縁に襟とよばれるつるつるとして硬く、虫が滑って落ちやすい部分があるなど、
虫を捕らえるために様々な工夫がなされています。更に襟の構造上、虫が一旦入ったら、外に出られないようになっています。また捕虫袋の内側はつるつるしていて虫が登れないようになっています。捕虫袋の底にたまっている消化液は、強酸性でとろみがあり、
落ちた虫の体にまとわりつき動けないようにします。こうしてウツボカズラは、虫から栄養分を吸収します。またこの消化液は、この植物自ら量を調節することもできるようになっていて、雨が降るなどして消化液が流れだしても、しばらくすると元の量に戻ります。
ウツボカズラには小型のものから大型のもの、捕虫袋の色も赤や緑など様々なものがあり、形も様々です。その中でもフィリピン南西部で発見された世界最大級のウツボカズラは、虫のみならずネズミなどの小動物も消化できる大きさとなっています。
この植物にはこのように、様々な種類がありますが、草丈はだいたい、10~200cmとなります。ウツボカズラは小さな花を咲かせ、雄株には雄花、雌株には雌花がそれぞれ咲き、その花は小さな穂状です。熱帯に生息するウツボカズラは、暑さには強いですが、冬の寒さには弱いものとなります。
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