アングレカムの育て方

アングレカムの育てる環境について
寒さに弱く、慎重な日光管理が必要となるため、育て方はやや難しい品種です。地植えにはせず、基本的には鉢植えで栽培します。原産地から想像できるように、強い日射しを好みます。1年を通して、なるべく日の当たる場所で管理してください。
10℃以上の気温があれば冬越しはできますが、冬も元気を保つには15~18℃が必要です。気温が15℃を切り始めたら室内の暖かい部屋に入れ、窓からの日光がよく当たる場所に置きましょう。10℃以下の環境に置かれると葉が黄ばんできて、5℃程度になると枯れてしま私ます。
弱った株は回復するのに時間がかかるので、冬の間の温度管理には十分気を付けてください。春の終わり頃から秋頃までは、戸外の風通しのよい場所に吊るしておきます。日光を好みますが強すぎる直射日光に当たると葉が黄ばんだり部分的に枯れてしまったりするため、夏は30~50%の遮光が必要となります。
木陰なら大丈夫だと思っても、今度は日陰だと丈夫に育ちません。特に夏の期間は日の当て方に注意が必要です。5月頃に休眠から覚めて生長を始めますが、生育が盛んになるのは気温が25℃を超えるあたりからです。高温の環境で育つ植物のため、日本では生育期間が比較的短くなります。
その期間に日射しと水を適切に管理し、充実した株に育てるのが大切です。花芽は秋頃にできてきますが、生育期の管理が花芽のでき具合に大きく影響します。用土は水ゴケを用います。小型品種は素焼き鉢やバークを使ってプラスチック鉢に、大きめの品種は転倒防止にもなるよう大きめで重い化粧鉢にバークを使って植えます。
種付けや水やり、肥料について
水やりは、季節によってメリハリをつけることが大切になります。春から秋までの生育期は、土の表面をこまめにチェックし、乾いたらたっぷりと水を与えます。気温が高くなるとどんどん成長するので、水やりの回数を増やします。冬の間は株が休眠しているため、
水やりの回数は減らして乾かし気味にします。乾燥には強いため、冬に乾かし過ぎてしまったことで失敗することはほとんどありません。むしろ休眠期は過湿に弱く、水分が過剰になると根を傷め、一気に葉が落ちて枯れてしまうこともあります。
春から秋も水を控えますが、周りの湿度をやや高めにしておくと元気を保って冬越しができます。肥料は、生育期の春の終わりから秋の初め頃までの間、液体肥料を7~10日に1回程度与えます。ただし、真夏日が続くときはお休みし、秋になったら再開しましょう。
液肥はやや薄めにするのがよく、濃くすると株を傷めてしまうことがあります。使う液肥の規定倍率が1,000倍ならば、倍の2,000倍に薄めるくらいが目安です。植え替えをする場合は、生育期に入り、新しい根が伸びてくる頃が適当です。
小さな苗は毎年、花を咲かせる大きさの大人の株は2年に1回程度を目安に植え替えます。あまり植え替えは好まない種のため、植え替えの際は元の植え込み材料はあまり取らずに、隙間に新しい植え込み材料を詰めるようにします。
よく育っている株は上の方からもよく根を伸ばしていますが、無理やり曲げて鉢に収める必要はありません。元気な株は空中にもよく根を伸ばすものなので、そのままにしておいてかまいません。
増やし方や害虫について
基本的には、ふやすのは難しい種類です。品種によっては株が大きくなってくるとわき芽を出すことがあり、それが大きくなって根を伸ばしてきたら切り取って別の鉢に植えてふやす方法があります。しかし成功率は高くないため、ふやすことにはあまり期待せず、
手に入れた株を大切に育てることを第一に考えた方がよいかもしれません。かかりやすい病気は特にありませんが、害虫は、カイガラムシが葉の付け根についてしまうことがあります。カイガラムシは一年中発生し、葉の汁を吸って生育に悪影響を与えます。
寄生する数が多いと新芽や花芽の出が悪くなったり、寄生された葉が枯れてしまうこともあります。成虫は殻をかぶっていたり、ロウ状の物質で覆われているため薬剤が効きにくく、駆除するのが難しい害虫のひとつです。幼虫はまだ薬剤に弱いため、
幼虫の段階で発見できた場合は比較的容易に薬剤で駆除することができます。幼虫がいつ現れるのかや、幼虫と成虫の区別をつけることは難しいのですが、年1回繁殖する種類も、年数回のものも、5~7月にかけて幼虫が現れるため、薬剤散布の時期を判断するひとつの目安になるでしょう。
カイガラムシの姿が見えなくなってからもしばらく散布を続けていると、8月頃から姿が見えなくなります。成虫には、油膜で覆って窒息死させる薬剤や、産卵数を抑えたり、孵化しない卵を産ませる作用のある薬剤があります。成虫を見つけた場合に最も簡単に退治する方法は、見つけ次第歯ブラシでこすり落とすなど物理的な方法を使うことです。
アングレカムの歴史
アングレカムはマダガスカル原産のランの仲間です。マダガスカル島と熱帯アフリカを生息地とし、およそ200の種類があります。アングレカムの一種、アングレカム・セスキペダレは1962年にダーウィンがマダガスカルで発見したもので、「ダーウィンのラン」とも呼ばれています。
スミレやランなどに見られる、花冠の基部より後ろ側に突き出した細長い袋状の部分のことを距といい、中に蜜腺がありますが、セスキペダレはこの距が20~35cmほどにもなります。セスキペダレの蜜を吸うには、この距の長さと同じくらいい長いストローのような口が必要です。
そんな口を持つ生き物はなかなか想像しづらいですが、ダーウィンは、この花の蜜を吸える口吻のある昆虫の存在を予言しました。この予言を信じることができた人は少なかったのですが、ダーウィンの死後40年が経った頃、長さ20cmを超える口吻を持つ昆虫、キサントパンスズメガが発見されました。
キサントパンスズメガとセスキペダレはお互いにぴったり合うような口吻や距を持っています。まず、ガの口吻が突然変異によって伸び、蜜をより多く吸えるようになります。セスキペダレの方は、ガが口吻を花に差し込んだ時に頭部に確実に花粉が付くように、
距を伸ばす進化が起きたとされています。こうして互いに影響し合って進化することを「共進化」と呼び、アングレカム・セスキペダレとキサントパンスズメガはその顕著な例として、ダーウィンの逸話とともに知られています。
アングレカムの特徴
アングレカムには200種類ほどがありますが、肉厚で細長い葉を左右交互に出していくこと、花が白色であることは概ね共通しています。草丈は種類によって大きく異なり、10cm足らずのものから1mを超す大きなものまでさまざまです。
育つ場所も大きく二つに分かれ、樹の幹や枝、岩肌の斜面に根を張る着生(岩生)種と、多くの植物のように地面に根を下ろす地生種があります。アングレカムという名はマレー語のアングレク(着生植物)に由来しており、樹木などに根を下ろしている姿からとられています。
寄生植物のようにも見えますが、実際には樹木に根を張っているものの養分や水分を奪うわけではなく自活しているので、寄生ではありません。花は、花茎に1輪だけしかつかないものから数十輪がつくものまであります。花はほとんどが白ですが、淡い緑や黄褐色のものも見られます。
花びらは肉厚で蝋細工のような印象があり、花の後ろ側には距があります。距は花の大きさに比べ長いものが多いです。花もちがとてもよく、ひとつの花が1か月以上咲き続ける種もあります。花もちのよさや香り、草姿のすっきりした美しさなどから観賞用として珍重されていますが、
ランの中ではややマイナーなこともあり、一般の園芸店で入手するのはなかなか難しいのが現状です。花の香りは夜に強くなり、暗い所でも目立つ白系の花が咲く種類が多いことから、夜行性の昆虫などが花粉の媒介をしていると考えられています。
主な種類としては、アングレカムの中でも比較的ポピュラーで育てやすい中型種のレオニス、大型で花茎に沿って緑と白の花が並ぶエブルネウム、小型種のディスチクムなどがあります。
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