きゅうりの育て方
きゅうりの植え付け
本格的な植え付けをする前には、きゅうりの栽培に最適な土を用意します。市販の野菜用の土を使うか、事前に自分で作ることも可能です。自分で作る場合は赤玉土を7、腐葉土を2とバーミキュライト1を混ぜ合わせます。
さらに化成肥料を用土10リットルあたり20グラム、石灰を10リットルあたり10グラム混ぜ合わせます。植え付けをする2週間前には、苦土石灰を1メートル平方あたり100グラムを入れて耕しておきます。1週間前には種や苗を植える土作りをして、準備をしておきます。
きゅうりの種付けや植え付けの時期は、4月上旬から7月下旬です。寒い地域は6月から、暖かい地域は4月上旬から植え付けをします。種付けは株と株の間を40センチとして、1か所に3粒蒔きます。種付けした上から厚さ1センチの覆土をして、乾燥や土の跳ね返りを防ぐために切りわらを敷きます。
十分にかん水をして、発芽したら1か所2本程度に間抜きを行います。初心者がいきなり種から育てようとすると失敗する可能性があるので、慎重に行うことが大切です。まずプランターなどで種から育てて、そこから畑などに移して育てるようにすると初心者でも簡単に育てることが出来ます。
本葉が4枚から5枚程度のときに1か所1本に間引きします。家庭で種から栽培する場合は、ポットでの育て方が確実です。傷みを防ぐことができ、植え替えるときもスムーズです。
苗を定植するときはポットで育てた本葉を数枚選び、株間は60センチ程度で植え付けをします。植える穴には水であらかじめ湿らせておくか、雨が降った後に植え付けます。植え付けをした後には、たっぷりの水分を与えます。
育て方や栽培のコツや病気の予防
きゅうりが20センチ以上に育ったら、つるを巻き付けることが出来る支柱を立てておきます。最初のつるは支柱にひもなどで結んで、自然に巻き付くようにします。支柱はきゅうりが育って重みで倒れないように、しっかり立てておくようにします。
親づるが大人の背丈までに育ったら、先を摘心します。親づるを摘心することで、子づるが良く育つようになります。育て方のコツは乾燥に弱いので、水切れを起こさないように気を付けます。実の部分は夜に育つので、夕方以降にたっぷりと水を与えるようにします。
毎日水を与えるのではなく、間隔を空けて一度に多くの水を与えるようにします。梅雨の時期は反対に水を与え過ぎてしまうので、少ない量の水分を与えるようにします。梅雨明け後は真夏日が続き乾燥しやすくなるので、たっぷりの水を定期的に与えるようにします。1株につき、3リットル程の水を与えます。
病気は6月から7月にはうどんこ病、梅雨明けには褐斑病などが発生します。病気を発見したらすぐに薬剤などを散布して、早めに対策をしておくことが大切です。葉っぱの裏などを確認して、うどんこ病にかかっていないかなどをチェックします。
栽培中に発生しやすい害虫はアブラムシ類で、葉っぱの裏や新芽に寄生して汁を吸いだします。ウイルスを感染してしまうこともあるので、定期的に薬剤を散布しておきます。また定植のときに粒剤を与えたり、初期段階に発見出来るように注意します。
薬剤に抵抗があるときには、お酢などの自然な素材を使って病気や害虫を寄せ付けないようにします。500ミリリットルの水に大さじ1杯程度のお酢を加え、よく混ぜます。霧吹きなどに入れ替えて、病気や害虫がつきやすい葉っぱの裏を中心に散布します。2日に1回程度行えば、効果が発揮されます。
栽培中の肥料や収穫時期について
栽培中の肥料や収穫時期について
栽培中に肥料を追加するのなら、弦の様子を見て判断します。肥料が不足していると弦が下向きに伸び、発育が悪くなるのでその様子で判断をします。15日から20日感覚で追肥をして、成長を促すようにします。
最低でも2回から3回程度追肥をして、株を大きくしていきます。1回目の追肥は株の周りに軽く蒔いて、土と混ぜ合わせるようにします。2回目以降は畝の片の部分に蒔いて、土を被せるようにします。一度にたくさんの肥料を与えるより、数回に分けて与える方が効果的です。
きゅうりは種付けしてから実をつけるまで、とても早く成長します。完全に育つまでは開花から10日で、もっとも美味しく食べることが出来るのは約20センチくらいになったものです。草勢が弱くなったときには早く収穫するか、全ての実を取ってしまいます。
一度回復させることで実がつきやすくなり、再び立派な実をつけることが出来るのです。株が弱っている状態で大きく育ててしまうと株が疲れてしまうので、枯れてしまう可能性があります。
株の成長が悪いときや育て方が悪いときには摘み葉をして、全体の葉や茎に光が当たるようにします。株に栄養や水分がきちんと行き渡り、実がつきやすくなります。一度にたくさんの量の葉を取り除くのではなく、様子を見ながら少しずつ取り除くようにします。
きゅうりの歴史
インド北部のヒマラヤ山麓がきゅうりの原産地や生息地で、現在から約3000年以上前には栽培されていたのです。その後シルクロードから中国に、インドから現在のイランに、そしてヨーロッパを経由してアメリカの3つのルートから世界に広まったのです。
日本に来た時期ははっきりしていませんが、9世紀か10世紀ごろだといわれています。仏教の文化と共に、遣唐使によって中国から伝えられたのです。平安時代になると漢方薬について書かれた本に登場し、平安時代には薬として使用されていたとされています。
きゅうりが日本に本格的に普及したのは、江戸時代です。それまではきゅうりの切り口が京都の八坂神社の紋や徳川家の紋に似ているため食べられないといわれ、食べるのも恐れ多いとされていたのです。
また味がとても苦かったためと、様々な理由で避けられていたのです。しかり江戸中期に発表された百科事典には、熱冷ましや利尿作用、のどの渇きを止めることが出来るなどが書かれていたのです。
この効能が一般にも広まり、明治時代には品質改良がなされて庶民にも受け入れられる野菜となったのです。第二次世界大戦後にはサラダに加える野菜として人気になり、栽培も定期的に行われるようになります。
語源は中国の西の地域の民族を表す「胡」から伝わった「瓜」なので胡瓜とされ、実が黄色くなる様子から「黄瓜」に由来しているといわれています。
きゅうりの特徴
きゅうりの特徴は他の野菜やフルーツとは違い、多くの水分や香りが含まれていることです。水分がとても多く糖度や栄養価は少ないですが、その特徴がきゅうり独特の癖のなさを表しています。
和食や洋食、中華や漬物など様々な料理と合うなど、扱いやすい野菜として重宝されています。香りには食欲をそそる効果もあり、食べたときの食感も特徴的です。栄養素としてはカリウムとビタミンAを豊富に含み、利用作用や身体の調子を整える効果があるとされています。
他にはビタミンKやC、亜鉛やマグネシウムなどのミネラル類もバランス良く含まれているのが特徴です。だるさや消化不良の改善、真夏の食欲増進や夏バテにも効果的です。きゅうり1本のカロリーは約14キロカロリーで、低カロリーのためダイエット効果があります。
ホスホリパーゼという珍しい栄養素を含んでいて、脂肪を分解してくれる酵素を持っています。脂肪を分解する能力が高いのでダイエット効果があり、体内の余分な脂肪を減らすことが出来ます。
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