春菊の育て方

春菊の育て方

春菊の原産地はトルコやギリシャの地中海沿岸を生息地としていたと言われています。その後地中海沿岸から東アジアの地域へ伝わった後、野菜に改良されていくことになります。その時期や背景の詳細はいまだ不明なことが多いのですが1000年代にはすでに栽培されていたことが分かっています。

春菊の種付けの準備と種付け

春菊の育て方としては、春作、秋作のどちらでも可能です。栽培も病害虫、暑さ、寒さ、何れにも比較的に強く育て方の難易度はそれほど高くありません。しかし、どちらかというと秋作のほうが病害虫の被害にあいにくく収穫も長期かつ多くすることが出来るでしょう。

春作になりますと、成長段階において葉が成長する重要な時期に、初夏を迎えることになりますので害虫に強い品種とはいえ、あまりに多い虫の発生は駆除にも限界があります。また、夏の暑さによる「とう立ち」の可能性も高まり、若干、育て方の難易度が高めとなってしまいます。

秋作であれば、収穫時期が11月と虫の発生も少なく、収穫も多く望めることになります。これは、品種によっても違いがありますが摘み取り型の品種の場合は秋作のほうがよいでしょう。以上のことを踏まえて種付けに時期を決めます。

次は畑の準備をしますがその前に、植え付ける品種を選んでおきます。春菊の品種には大葉種、中葉主、小葉種、とありますがそれぞれにさらに「株はり型」「摘み取り型」というものに分類されています。

この中で比較的長く収穫を楽しめるように葉を摘み取って収穫するタイプの摘み取り型で低温伸張性に優れ株間を広くとる必要のないということから、中葉の摘み取り型が家庭菜園には最適でしょう。

種付けする畑は、2週間ほど前から苦土石灰を1㎡あたり100gと堆肥を1㎡あたり2㎏の目安で混入し、よく耕しておきます。さらに、1週間前には化成肥料1㎡あたり60gほど施して畝を作ります。

プランターの場合は、幅65㎝程度のものに鉢底石を敷き詰め培養土を入れた後表面を軽くならしておきます。この上に一か所あたり5粒とし4点蒔き程度にします。幅65㎝であれば端から10㎝に一か所そこから15㎝間隔で蒔いていき合計4点とします。

間引き収穫をする場合は条まきでもよいでしょう。畑の場合は畝に板などを使ってすじをつけて、そこに種を蒔きます。蒔いた後は薄く土をかけて、十分な量の水を与えます。 この時種が流れてしまわないように水の勢いに気を付ける必要があります。

また、かける土の量は春菊の特性として発芽の時に光のエネルギーを多く必要とする好光性種子であるため、土を厚くかけてしまわないようにすることが種付けのポイントとなります。発芽の適切な温度は15~20度程度です。

この時乾燥には気を付ける必要があり水やりは毎日行うようにしましょう。そうすると1週間程度で発芽となります。揃って発芽する姿はかわいらしく野菜の栽培で嬉しいのは、収穫の他はこの発芽の瞬間です。写真でもとっておくとよい思い出になります。

春菊の発芽後の育て方と収穫

春菊の発芽後の栽培において重要なのが水やりと間引き、そして追肥です。まず、水遣りの仕方ですが発芽後は土の表面が乾いたら十分な水やりをします。しかし、水の与えすぎは根腐れや生育不良の原因になりますので、過剰な水やりは厳禁です。

間引きは発芽後、本場が1~2枚になった頃に3㎝程の間隔になるように間引きします。この時土寄せも行っておきます。2回目の間引きは本葉が3~4枚ほどになった頃に株間を5~6㎝程に調整します。3回目の間引きは本葉が5~6枚ほどになった頃に間引きして株間を10㎝程にします。

この時2回目の間引きした後に化成肥料の追肥を行います。それ以降は2週間に一回ほどのペースで化成肥料を追肥するかあるいは1週間に一度のペースで液体肥料を水やりの時に与えます。追肥の後は土寄せを行い土が足らないようであれば増し土をしてやりましょう。

プランターの場合もほぼ同様の管理で栽培を行います。ちなみに間引いたものは料理に使うことが出来ます。小さくてもやはり春菊春菊の味と香りがします。なお、プランターでの栽培で元肥が施されていない培養土を使用する場合は、間引きの際に元肥を施します。

また、長期収穫することから定期的な追肥は必要です。温暖な季節であれば収穫後の葉の勢いを増すために2週間に一度、寒い季節であれば4週間に一度のペースで?の状態を確認しながら定期的に追肥します。

この時、葉の状態が栄養不足と思われるときは液肥で対応するとよいでしょう。ただし水のやりすぎや日照不足による生育不良であることを肥料不足と誤っての追肥は逆効果となりますので注意が必要です。

春菊の収穫と保存

種を蒔いてから約30日から50日で茎が立ち上がり収穫となります。プランターでの栽培であれば鉢が見えなくなるほど葉が育ってきます。

収穫方法は、草丈が20㎝程になったところで下葉を4~5枚残して主枝を摘心します。そのあと脇から新しい芽が出てきますので摘心後は追肥をしておきます。脇芽が出たらこの脇芽の下葉を2枚ほど残して収穫します。

成長が早いので取り遅れのないようどんどん収穫しましょう。保存する場合は、濡れた新聞紙やキッチンペーパーなどで包んで密封しないポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室に立てた状態で保存します。また、茹でて冷凍保存してもよいでしょう。

春菊の歴史

春菊の原産地はトルコやギリシャの地中海沿岸を生息地としていたと言われています。その後地中海沿岸から東アジアの地域へ伝わった後、野菜に改良されていくことになります。その時期や背景の詳細はいまだ不明なことが多いのですが1000年代にはすでに栽培されていたことが分かっています。

春菊は欧米のほうでは、野菜という扱いではなく観賞用としての利用が主でした。草花としては栽培されましたが、食用としては不向きということで利用されていませんでした。

ただし、近年ブームを起こしている日本食の影響で見直されてきつつあり、新たな野菜として利用され始めています。日本の文化が世界の食文化に影響を与えて変わっていく様を今見ているのかと思うと嬉しいものです。

野菜としての認識をされるのは、中国に入ってからのことになります。漢方の医食同源の思想に基づいたとらえ方でこの癖のある苦みや香りも、のぼせを鎮めて体の免疫力や抵抗力を高める薬効として受け取られ食用として利用されるようになりました。

俗称として「食べる風邪薬}ともいわれるこの野菜ですが現在でも利用されているのは日本や中国、東南アジアの一部でしかありません。

日本へ入ってきた時期も定かではありませんが、古い文献に登場するのは15世紀後半になってからになります。名前の由来は春に花が咲くことから春菊といわれ関西では菊の花に似た野菜であることから春菜と呼ばれることもあります。

春菊の特徴

この野菜の独特の風味と香りはすき焼きや鍋物の定番となっており、冬の食卓の一家団欒には欠かせないものとなっています。外国人に嫌われる苦みや香りも一度、癖になってしまうとこれだけをたくさん食べるというよりもこの野菜が無ければ、料理に一味足りないといった料理の名脇役とでもいう立ち位置の野菜といえます。

冬の野菜らしく寒さには強く育成の適温も15~20度くらいで家庭菜園でも育てやすい野菜でもあります。春菊は?の切れ込みによって種類を見分けることが出来ます。切れ込みの浅いものは「大葉種」といわれ、切れ込みの深いものが「中葉種」となり、これより葉が細く切れ込みの深いものが「小葉種」となります。

大葉種は、中国地方や九州でよく栽培され、中葉種は、東日本方面で多く栽培されます。小葉種は生産性が悪く現在ではあまり栽培されていません。大葉種はそれほど香りも味も癖がなく中葉種、小葉種になるほど風味や香りが強くなる傾向があります。

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