アボカドの育て方
アボカドの育てる環境について
アボカドの育て方は比較的簡単で、大きくすることができます。明るい場所や、日本の平均的な気候であれば室内でも成長させることができるため、観葉植物としても楽しむことができます。アボカドの種は食用として果肉を食べた後に残った種をとっておきます。
ある程度成長すれば、長時間でなければ気温が0℃前後になっても生き延びる強さを持っています。したがって、関東地方の気候であれば庭などでの栽培も可能です。またアボカドは木が伸びやすいため、関東地方の気候でも十メートルを超える高さまで育つこともあります。
したがって、室内で観葉植物として育てる場合は、逆に育ちすぎないように気をつけることも必要になってくるほどです。肥料を押さえたり、こまめに芽を摘むなどして抑制してください。観葉植物としてだけでなく、実を付けさせるためには受粉させる必要があるため複数本での栽培が良いとされています。
アボカドは、両性花と呼ばれる、雌ずいと雄ずいの成熟期が異なる雌雄異熟花です。さらに午前受粉の種類と、午後受粉の種類があるミツバチによる受粉をさせるには混植することで成功率が上がります。人工的に受粉させる場合も、こういった種類の特徴をよく捉えておくとよいでしょう。
また花は多く咲きますが、1万の花のうち1つの割合でしか実がつかないので、植えている数が少ないと実をつける可能性が非常に低くなります。また種から育てると、実が成りにくい傾向があります。もし実を付けさせたいなら、実のなりやすい元木を利用して接木したものを使います。
アボカドの種付けや水やり、肥料について
種は一般に販売されているものを購入してきても良いですし、食用として食べた後の種を利用しても良いでしょう。このタネを水に浸けておいたり、土に埋めておいて水分を与えれば簡単に発芽します。このとき極端に気温が低かったり高くなければ問題ありません。
関東であれば真冬を避ければ良いでしょう。最も適している季節は4月頃の発芽になります。そうすれば、夏ごろまでには花が咲きます。種は非常に乾燥に弱いため、保管には向きません。乾燥すると発芽しなくなりますし、低温での保存も発芽しなくなります。
こういう理由から、寒い環境での種植えは避けたほうが良いのです。鉢植えにした場合は、土が乾いてきたころに鉢の底から水が出てくる程度に水槍を行います。これは他の観葉植物と同じで特別な注意点はありません。土が濡れている間に継ぎ足しで水をやらないように気をつけてください。
冬は枯れない程度に水やりを控えてあげてください。土に植えた場合は、植えた辺りの土が乾燥しないように常に水やりとしてください。気温が20程度で発芽しますので、冬が終わって春先の気温が上がる前が良いでしょう。育ちやすいため、通常はこれだけの簡単な手入れで芽を出してくれます。
種類や個体差によっては種が割れて芽が出るまで数ヶ月かかることもあります。しかし発芽すると生育はとても早く、環境が合えばすぐに葉が出ます。肥料は育ち具合によって、等量の三要素を置き肥として与えます。開花しているときは液体肥料も併用して施します。
また植える前に種をよく洗いましょう。これは果肉に脂肪が多いため、軽く水洗いしただけでは残った果肉で水や土が腐るためです。水が少しでも腐ると発芽しません。また種には上下があります。平たくなっている側から根が出るので、こちらを下にして植えてください。植えるときは種子を半分ほど植えるようにします。
アボカドの増やし方や害虫について
アボカドから種子を取って自分で増やすことは非常に難しいと言われています。これは、両性花といって、雌ずいと雄ずいの成熟期が異なる雌雄異熟花であることや、午前受粉の種類と、午後受粉の種類などがあることも原因です。さらに花は多く咲きますが、
1万の花のうち1つ程度しか実がつかないので、家庭菜園の規模では種を取る事が難しいのです。したがって接木などで増やす方法が一般的です。またアボカド自体は最大で高さ20メートルを超えるなどとても大きな木になるので、1本の木であれば環境を整えることで大きく育てることができます。
したがって、一般的には食べた後の種などから観葉植物として育て、増やすことはあまり行われていません。また湿潤すぎる場合に根腐れするため、水はけの良い場所が適しています。上手に増やすためには、水はけのよい土壌と、乾いたら水を与えるといった適切な環境が必要になります。
アボカドの病気としては、炭そ病が知られています。とてもよく育った場合は葉も多く茂るため、枝葉が混んで風通しが悪くなるために、葉に黒褐色の病斑が現れることがあります。これが炭そ病です。この病気にならないよう、風通しが良くなるように適度な剪定が必要になってきます。
害虫としてはカイガラムシやハダニが発生します。こちらの害虫も、枝が混んでいることに起因するため、予防するには炭そ病と同様に、風通しが良くなる程度に剪定してください。またいも虫はアボカドの葉を食べますので、見つけたら取り除いてください。
アボカドの歴史
アボカドは7000年以上前から栽培されているという言い伝えがあります。アボカドは南アメリカ北部からメキシコ高地が原産で、生息地としてこの地域に広く分布していました。当時のインカ王の墓からアボカドの種が出土していることから、アステカ族が13世紀頃から栽培していたという記録も残っています。
その後16世紀にスペイン人がインカとアステカを征服した頃には、さらにメキシコ・ベネズエラ・ペルーまで栽培地域が広がっていきました。アボカドは、種子になってから発芽できるまでの期間が比較的短いため、当時としては種子の状態で他の地域に持ち出すことが難しかったため、
その他の地域にはなかなか広まりませんでした。そのためアメリカへ伝わったのは比較的遅く、フロリダへ1833年に持ち込まれたのが最初となっています。さらにアボカドがアメリカ以外で商用で広まって栽培されたのは、ようやく20世紀になってからで、
イスラエル、南アフリカ、オーストラリアといった地域まで広がりました。またカリフォルニアで栽培されていたフエルテという最も有名な種類のアボカドは、1911年にメキシコの山地で自生したものが発見されたものが広められたものです。
スペイン語でアボカドのことを、AGUACATEと呼びますが、原産のペルーやチリなどPALTAと言われています。その語源は、アステカ人の言語であったナワトル語のahuacatlとされています。これはアボカドの形が睾丸に似ていることに由来しています。
さらにスペイン人にアボカドを発見されたときに、発音をまねてスペイン語でaguacateとしました。しかしスペイン人には発音しにくかったこともあり、発音が似ているavocado(弁護士の意味があります)が広がりました。ちなみに現在はabocadoというスペルに変化しています。
アボカドの特徴
アボカドは森のバターと呼ばれるほど濃厚な食感であり、さらに栄養価が高くヘルシーな果実として知られています。その果肉は甘味がほとんどないため、他の果物のような使い方ではなくサラダやハンバーガー、また最近はさまざまな食べ方が提案されています。
国内で売られているアボカドの多くは、メキシコ、ニュージーランド、チリなどからの輸入品ですが、国内産として和歌山県の栽培が盛んで、11月~2月頃に出回ります。アボカドの中にも種類があり、それぞれ特徴があります。ハス(Hass)という種類が最もよく知られています。
こちらは外形が卵形で、表面がザラザラとしています。またその色は熟す前は緑、熟すと黒っぽくなるのが特徴です。果肉は薄緑色で脂肪分が多く、他の種類の中でも濃厚で粘り気のある食感が特徴となっていて、最も広く流通していると言われています。
もう一種類広く出回っているのが、ベーコン(Bacon)という種類です。国内では和歌山産が代表的で、11月頃に収穫されます。大きさはハス(Hass)という種類よりも一回り大きく、果肉もハスに比べて緑色が濃いことが特徴です。さらに熟すると乳白色に近くなります。
ハス種よりも感肉の色の変化が小さいため見た目での熟し度合いがわかりづらいので、果肉のやわらかさで確認します。味や食感はハス種とほぼ同じですが、どちらかというと粘り気が少なくなめらかです。またおもな栄養成分は、食べられる部分100gあたり、カリウム(720mg)、ビタミンE(3.4mg)、ビタミンB6(0.32mg)などが含まれるためヘルシーな食材として人気があります。
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