シバザクラ(芝桜)の育て方

育てる環境について
シバザクラは育て方が簡単な植物です。地植えや鉢植え、花壇などで育てます。日向を好みますので、日当たりのよい、風通しがいいところで栽培するようにします。乾燥に強い植物ですが多湿には弱いので、地植えで育てる場合は水はけの良い排水性のある場所がお勧めです。
よく傾斜に植えられているのは、傾斜の土地の方が水はけがよく、栽培に向いているからです。鉢植えにする場合は水はけの良い用土を使用するようにします。赤玉土と腐葉土を7:3ほどの割合で混ぜたものを使用するとよいでしょう。水はけがあまりよくないようならば、
川砂かパーライトなどを少し混ぜて調整してください。市販の草花用の用土を使用する際も少量の川砂を混ぜてあげることをお勧めします。生育旺盛ですぐに茂っていきますので、植え付ける際には株と株の間は20〜30センチほど空けるようにしましょう。
また、その時には根をしっかりとほぐしてから植えると早く隙間が埋まります。植えつけた後は水を吸い上げる力が弱いので、乾燥しないようにたっぷりと水を与えて下さい。花が咲き終わると、茶色く枯れてきます。そのままにしておくと梅雨の雨などで蒸れて腐ってしまうことがありますので、
緑の葉の部分を残して半分ほど思い切って刈り込んでおきましょう。そうすることによって、蒸れを防ぐこともできますし、元気の良い新芽がまた伸びてきます。花が終わった後は、緑の葉を芝生のように育てて芝生のようにして楽しみましょう。
種付けや水やり、肥料について
シバザクラは非常に乾燥に強いので、頻繁な水やりは必要としません。多湿に弱く、蒸れると腐ってしまいますので、むしろ乾かし気味にして育てる方が上手く育ちます。地植えで育てている場合、植え付け後には暫く水を与える必要がありますが、それ以降は殆ど水を与える必要がありません。
夏場など、日照りが続いた時に水やりするくらいで大丈夫です。その際、日中に水やりをしてしまうと水分が日差しで高温になり、根を傷める原因になりますので、夏場は朝か夕方の涼しい時間帯に水やりをするようにしましょう。またある程度茂ってくると風通しが悪くなってきて、
蒸れやすくなってしまいますので密集している部分は適度に間引いてあげます。鉢植えで育てている場合、用土が完全に乾いてしまったら水を与えるようにします。寄せ植えなどに使用する場合は、同じ鉢に植える植物は乾燥に強いものを選ぶ方がお勧めです。
シバザクラはあまり肥料も必要としません。地植えの場合、最初に植えつける際にある程度元肥をした土であれば与えなくても大丈夫です。元気がないと感じた時に少量の化成肥料を与える程度にしておきましょう。鉢植えの場合は、真冬の頃に寒肥を与えるか、
3月頃に緩効性のある化成肥料を置き肥するようにします。その際、与える肥料は出来るだけ窒素分の少ないものを選ぶようにします。窒素が多いと花の付きが悪くなります。花が終わった後のシバザクラは疲れていますので、ごく少量の肥料を与えて元気にしてあげましょう。
増やし方や害虫について
シバザクラは挿し芽か株分けによって増やします。いずれにしても適期は6月、もしくは9月下旬〜10月下旬ごろになります。挿し芽で増やす場合は5〜10センチ程度の長さに切り、水分の蒸発を防ぐために上部の葉だけを数枚残して下部分の葉は全部取り除きます。
それから園芸用ポットに肥料分のない土、もしくは挿し木用の土を入れて、挿し芽を挿しておくと2〜3週間ほどで根が出てきます。株分けで増やす場合、根が出ている節を親株から切り離して使用します。枯れている部分は取り除き、園芸用ポットに植え付けて、
乾燥しないように気をつけながら管理してあげましょう。長いこと栽培していると、株が浮いてくる場合があります。その際には茎の半分が隠れるくらいまで土を被せて茎と地面をならしてあげましょう。これを「目土(めつち)」といいます。
目土を行うことによって、また茎の部分から根が出て新しい芽をつけるようになります。また、株が老化してくると茎がゴツゴツして、花の付きが悪くなってくることがあります。グランドカバーとして使用する際は、あらかじめ株分けなどで若くて元気な新株を用意しておくことをお勧めします。
古くなってしまった部分は丁寧に掘り起こして土を足し、そこに新しい株を植え付けてあげるとよいでしょう。シバザクラは病気や害虫に強い植物ですが、夏の乾燥時期などにはハダニが発生することがあります。予防するために、定期的に上から葉水を与えてあげるとよいでしょう。
シバザクラ(芝桜)の歴史
シバザクラは北米を原産とするハナシノブ科の多年草です。春先にサクラによく似た可愛らしい花を咲かせますが、サクラのような大きな木ではありません。横に這うように広がり、背丈も15センチ程度の小ぶりな植物です。日本では本州から北海道が主な生息地となっています。
英名は「モスフロックス」と呼ばれています。苔状のフロックスという意味です。地面を覆うように密生し、まるで芝生のように見えるので日本では「芝桜(シバザクラ)」と名付けられました。常緑性ですので、花を咲かせていない間も緑の葉が芝のように広がります。
その為グランドカバーとしてもお勧めの植物といえるでしょう。庭先などにアクセントを付けたい場合にピッタリですが、踏まれてしまうと弱ってしまいがちですので、人が踏みつけないような場所に植えるのがお勧めです。春先にビッシリと花が密集し、絨毯のように広がる様子は必見です。
日本国内にはシバザクラの名所がたくさんありますので、春先のおでかけスポットとしても人気があります。シバザクラは赤、ピンク、紫、白など様々な色の花を咲かせます。一面を一色で埋め尽くすのも素敵ですが、その色の豊富さを利用し、グランドカバーをする際に、
それぞれの植え付ける位置を工夫してあげるとアーティスティックな模様が出来上がります。交互に植えてメリハリをつけたり、ライン状にしたり、アートを描いたり、色のグラデーションを作ったりすることが出来るのもシバザクラならではの楽しみ方ではないでしょうか。
シバザクラ(芝桜)の特徴
シバザクラは暑さにも寒さにも強いので、育て方が簡単な植物です。ガーデニング初心者の方にも育てやすいのでお勧めです。常緑多年草ですので、一年中緑の葉が茂ります。芝よりも管理がし易いので、芝生代わりに植える方も少なくありません。
シバザクラは以外にもたくさんの品種があり、それぞれの種類によって花の色や形状が異なります。サクラという名が付いてはいますが、サクラというよりはマーガレットに似た花をつけます。多くの品種がハッキリとした鮮やかな色の花を咲かせますが、
中には淡いブルー、ピンクのものや、斑模様のあるものもあります。植えたい場所のイメージに合わせて、色の組み合わせを考えるのも楽しいものです。またシバザクラは土の流出を防ぐ効果もあります。その為花壇の縁取りなどにも利用されます。
また公園などでは雑草が増えるのを防ぐ目的として植えられていることもあります。寄せ植えなどにも人気があります。鉢の高低差を出したい時や、アクセントを加えたい時、色味を足したい時などにピッタリです。また、草花同士を区分けして育てたい場合にも仕切りとして使われることがあります。
基本的に非常に丈夫で、土や肥料にもそれほどこだわる必要がありません。環境がよければ一株でも50センチ径くらいまで成長します。病気や害虫にも強く、殆ど手を掛ける必要がないのも人気の理由の一つでしょう。栽培もしやすいので、どんどん増やして華やかな庭にしたい方にもお勧めです。
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