トキワマンサクの育て方

トキワマンサクの育てる環境について
トキワマンサクは基本的には育てやすい植物です。耐暑性があり、少々日当たりが悪い場所でもきちんと育ちます。ただしあまりに日照不足になると間延びしてしまい、ひょろひょろとした樹形になってしまうので、庭に植える場合はできれば日当たりの良い場所に植えてあげましょう。
特に赤い色の花を咲かせるベニバナトキワマンサクは、日光が不足すると花の色も悪くなってしまうので、植える場所には注意が必要です。また日当たりが悪いとカイガラムシなどの害虫が発生することもあります。トキワマンサクを生垣として利用する場合は、
樹木が成長することを考えて30センチメートルは間隔をあけて植えることが大切です。日当たりが悪くてもそれなりに育ちますが、なるべく日が当たる水はけのよい土地が適しています。また土壌は通気性が良いことが求められます。庭に植える場合はあらかじめ土中の石を取り除き、
根がよく張れるスペースを作っておきましょう。そのうえでパーク堆肥や腐葉土を2、3割ほど土に混ぜて植えてあげると、根腐れをおこしにくくなり、丈夫なトキワマンサクが育ちます。もちろん市販されている葉や野菜専用の土を用いても大丈夫です。
いろいろと育てる環境について記述してきましたが、基本的には丈夫な性質の木なので、寒い地域でなければ育て方にそれほど気を使う必要はありません。寒風のあたらない、日のあたる場所に植えることができるのであれば、まず問題ないでしょう。
種付けや水やり、肥料について
トキワマンサクの植え付けに適しているのは3月、4月と9月、10月頃です。寒さに弱い樹木なので、3月や4月でも気温が低いのであれば、5月まで待って植え付けをおこなってもかまいません。鉢植えの物を植え替える場合も、これらの時期におこなうことが必要です。
植え付けをおこなう場合は土壌の通気性が良くなるようにし、植え付けてから2週間ほどはたっぷりと水をあげましょう。庭植えの場合、一度根付いてしまえばそれほど水やりを頻繁にしなくても問題ありません。乾燥しやすい地域以外では、自然の降雨だけでもトキワマンサクは大丈夫です。
ただし夏場などに高温が続く場合は水やりをおこないます。鉢植えの場合は表面の土が乾いていればしっかりと水を与えます。鉢底から染み出すほどたっぷりと与えてもかまいません。肥料は2月頃に寒肥を施します。用いる肥料は油粕や骨粉などをまぜた有機質のものを使用します。
肥料は株もと周辺に置いて、ゆっくりと効き目が行き渡るようにしておくといいでしょう。鉢植えの場合は3月頃に化成肥料を追肥します。ただし庭植えの場合も鉢植えの場合も、土中の窒素分が多すぎると葉が茂りすぎて花が育ちにくくなります。
もともと成長力の強い植物なので、肥料のやり過ぎには注意しなければいけません。トキワマンサクは栽培環境さえしっかり整っていれば、特に問題なく育つ植物です。極度の乾燥と寒さにさえ気をつけておけば、水やりや肥料も必要最低限ですみます。
増やし方や害虫について
トキワマンサクを増やしたいのであれば、挿し木による方法が適しています。挿し木に適しているのは7月から8月です。新しく伸びた若い枝を10㎝から20センチほど残して摘み、1時間ほど水揚げをします。水揚げ後は新しく清潔な用土に挿して保管します。
なおこの際に穴をあけたビニールで挿し木したポットを包んでおけば、湿度を保つことができるので便利です。この樹木は病害虫にも強い植物ですが、時折うどんこ病を発生することもあります。うどんこ病は葉の表面に白いカビが付着する病気で、放置しておくと光合成が阻害されて生育が悪くなり、
ひどい場合には枯れてしまうこともあります。またまれにさび病にもかかることがありますが、この病気は葉がさびのような粉で覆われ最終的には枯死してしまいます。いずれの病気にしても土中の窒素過多や風通しの悪さが原因となります。
バランス良く肥料を与え、剪定により風通しを良くするようにして予防しましょう。もしこれらの病気を発症した場合は、薬剤を散布して対処します。害虫に関してはカイガラムシにより被害が報告されています。カイガラムシは日当たりが悪いと発生しますので、
日光があまり当たらない場所に植えている場合は注意しなければいけません。もしカイガラムシの発生が確認された場合は、歯ブラシなどでこすり落としてやります。もっともカイガラムシの発生は比較的まれです。病害虫に関しては特に気にすることはないほど丈夫な木ですので、あまり神経質にならなくても大丈夫です。
トキワマンサクの歴史
トキワマンサクは日本をはじめ中国やインド、台湾などにも生息地があります。もともと日本に自生していた植物ではなく、原産地の中国からもたらされた外来種です。現在では日本の一部地域で自生しており、静岡県や三重県、熊本県などで生育しているのが確認されています。
耐寒性に乏しいトキワマンサクですが、細いリボンのような花としなやかに揺れる小さな葉が人気を集めており、現代では庭のシンボルツリーなどに利用されています。また常緑でもあるので、最近は生垣として利用する人も増えてきました。寒い地域以外では、放任していてもある程度は生育するほど丈夫なのも魅力です。
園芸品種としてのトキワマンサクに人気が高まるとともに、品種改良も進んできました。通常のトキワマンサクは春の開花時期に薄い黄色や白い花を咲かせるのですが、近頃は赤い花を咲かせるベニバナトキワマンサクが非常に人気を集めています。
ベニバナトキワマンサクを生垣にすると、赤い花が美しく揺れ、壮観な雰囲気をかもしだします。しかもトキワマンサクは芽を出す力が強いため、生垣にするために頻繁に刈り込みを施したとしても、樹木が弱ったりしないのです。
このことからも生垣にはぴったりの品種だということができます。ただしベニバナトキワマンサクはトキワマンサクと比べてもさらに寒さに弱いので注意が必要です。いずれにせよこの樹木は初心者にも育てやすく、花も葉も楽しめる品種なので、今後も幅広い需要が見込まれます。
トキワマンサクの特徴
トキワマンサクは常緑の葉とリボン状の美しい花が特徴です。春の開花時期には枝先に花が集まるので、株全体が花に覆われるような雰囲気になり、非常に見ごたえがあります。また花の色も薄い黄色や白色、赤色の品種が揃っているので、建物の雰囲気や周囲の植物との調和を考えて植えることもできます。
生垣や目隠しにも使えるのもトキワマンサクの魅力です。樹高は3メートルから6メートルにもなりますので、生垣に利用してもしっかりその役目を果たすことができます。もともと丈夫な気なので剪定や刈り込みを頻繁におこなってもよく、そういった面でも生垣に適している樹木です。
シンボルツリーとして用いる場合は、放置していても柔らかな樹形に育ちますので、あまり剪定は必要ありません。樹形が乱れそうな場合にのみ剪定するだけで十分です。ただし枝先を剪定する際は、枝の分かれ目以外で切ってしまうとそこから小枝がたくさん生えてしまい、
樹形が不自然になってしまうので注意しなければいけません。なおトキワマンサクは耐寒性があまり強い植物ではありません。日本でも関東以北では越冬できないとされているので、そのような地域で育てる場合は鉢植えで育てる必要があります。
栽培の難易度そのものはそれほど高くない品種なので、園芸の素人にも扱いやすい樹木ですが、寒さにだけは気をつけてあげましょう。寒冷地での庭植えは避け、鉢植えにした場合も冬は暖かい室内で育てることが大切です。
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