スギ(杉)の育て方
スギ(杉)の育てる環境について
耐陰性はややありますが、基本的には陽生植物ですから日当たりの良い場所の方が良く生育しいます。できるだけ日の当たる広いところが適しています。また、大きく育つことを考えて見ても、やはり広いところに植えるべきでしょう。土については、肥沃で保水性の高いものを好みます。
乾燥が続くと生育が悪くなる傾向がありますから注意が必要です。完熟腐葉土などを混ぜた土壌が適しています。土壌の酸度については、弱酸性から中性くらいが適しています。このように基本的な育て方としては色々なポイントはありますが、元々日本に自生した植物であると言うことを考えれば、
栽培のための環境をあまり考える必要はありません。日本の土壌は弱酸性から中性くらいのところが多いですが、日本が原産の植物はたいていこの環境に適応して進化してきていますから、土壌については心配する必要はありません。ただ、根が張るまでは少し慎重に考えておいた方が良いです。
スギはヒノキやマツとと違って、肥沃で水分の多い場所を好みます。たとえばスギは沢の近くに植えるというのが一般的で、マツは尾根に植えるのが一般的です。ですから、植え付けるときには肥料をきちんと与えることと、
しばらくの間は株元に肥料をやることと水をたっぷり与えることとを心がけます。こうすることによって、本来の生育しやすい環境に近づけることができます。しばらくして木が大きくなってくれば肥料もみずやりも不要になります。
種付けや水やり、肥料について
植え付けに関しては時期を選ぶ場合と選ばない場合とがあります。根巻きしているものの場合、根がある程度の部分で着られていますから、木全体としては弱っています。この場合、夏の暑い時期には乾燥しやすくなりますからあまり適していません。
逆に冬には生育をしませんから、この時期も避けるべきでしょう。適した時期としては3月から4月、あるいは9月から10月のあたりです。根巻きされたものであっても根づくりされたものもあります。このようなものであれば植え付ける時期を選びません。
また、ポット苗などで育てられているものについても時期を選ばず植え付けることができます。植え付けるときには、完熟腐葉土や樹脂堆肥を多めに混ぜた土壌が適しています。有機質肥料や緩効性化成肥料を入れておくと良いでしょう。
大きく育ってくると肥料をやる必要はほとんどありませんが、生育が悪い場合などには肥料をやると良いです。庭植えの場合、2月頃に有機肥料を下部元の周辺に埋めておきます。鉢植えの場合には3月に追肥すると良いでしょう。鉢植えの場合には土壌が乾燥しやすいですから、
腐葉土や堆肥をすき込むと良いです。水やりについては、鉢植えの場合には定期的にたっぷりと与える必要があります。庭植えの場合でも植え付けてから2年くらいまではたっぷりと水やりをする方が良いでしょう。2年を過ぎれば根も十分に張って吸水する力が増してきますから、水やりは必要なくなります。
増やし方や害虫について
スギは種で増やす方法と挿し木で増やす方法とがあります。一般的に裸子植物の種は発芽させるのに時間がかかります。蒔けばすぐに芽を出すというものでもありません。何年か経ってから芽が出ると言うこともあります。ですから、発芽できるかどうかは運によるところもありますが、
全体的に見れば乾燥との関係が重要だと考えられます。いったん乾燥すると発芽する可能性が低くなります。乾燥することによって休眠状態に入りますから、何とかして休眠から冷めさせなければなりません。暑さと寒さを経験すれば休眠から覚めるといった特徴もありますが、
休眠するタイミングはランダムに決まっていると考えられるために、簡単に覚ますことはできないのです。何年間かは水やりをしながら待つのが良いです。挿し木で増やすこともできます。挿し木の場合、3月から4月が適していて、光があまり強くない梅雨の時期も適しています。
新しく伸びた15センチほどの枝を斜めに切り取ります。水揚げした後に清潔な用土に挿します。その後は乾燥しないようにたっぷりと水を与え、直射日光の当たらない明るい場所において奥利根が貼ってくるでしょう。
害虫としてはスギドクガやハダニがあります。樹冠の内部が被害に遭うために気づきにくいことが多いです。株元にフンが落ちていないかどうか確認しておくと良いです。早めに防虫しておくと被害を抑えられます。遅れると枯れてしまうこともありますから注意が必要です。
スギ(杉)の歴史
スギが日本に登場したのは200万年前頃で、縄文時代や弥生時代には、すでに日本全国に広く分布していました。日本人が日本人になったときからすでに日本にいて、そして日本人は植林をしたり保護したりしながら活用をしてきたのです。
ですから、原産ももとの生息地も日本と言って良いでしょう。日本では北海道以外であればどこでも見ることができます。また、日本固有の植物であるという点にも注意が必要です。花粉症を引き起こしたことが発見されたのが日光のスギです。
それ以外にも屋久島や京都など有名なものが多くありますし、天然記念物となっているものもあります。神木となっているものもあります。花粉症の原因として、現在はかなり悪役になっていますが、日本には古くからあり、日本人と長いつきあいがあります。
日本では杉を植えた人工林がたくさんあります。かつては間伐が行われるなどして手入れが行われていました。建築に用いる最も優れた材料と言うことで手入れが行われていましたし、また需要も高かったのです。しかし、現在は需要が低迷しているために、放置されたものも多くあります。
数十年前に植林して、そのまま放置されたものが多いのです。このようになると、密に広がった樹冠によって光がほとんど届かなくなるため、他の植物が生育することは難しくなります。そのために、生物多様性の乏しい環境がもたらされ、環境としてみた場合には、あまり良い状態ではありません。
スギ(杉)の特徴
スギはヒノキ科の常緑針葉樹です。中生代に期限を持つ植物で、日本では本州の北端から屋久島まで分布しています。他の針葉樹に比べると水分や栄養分を好む傾向があるため、植林されるのは沢沿いなどになる場合が多いです。葉は基部が枝に密着していて、先端はとがっています。
枝全体としては上向きの針を並べた状態になります。樹皮は褐色で剥がれやすく、縦に避けやすい特徴があります。この樹皮は檜皮葺の屋根に利用することがあります。また、葉は乾燥させて選考に用いることもあります。生育条件によって色々な違いはありますが、普通は直立した幹を持ちます。
樹形もまっすぐに直立したものとなるのが一般的です。まっすぐに育つことから「直ぐ」から変化したことから現在のように「スギ」といわれるようになったと考えられています。高さは50メートルに達するものがあります。樹齢1,000年を超えるものも珍しくはなく、
現在のところは推定樹齢が3,200年のものもあります。花には雄花と雌花があり、雄花から花粉ができます。風媒花ですから、基本的には大量の花粉を空気中に放出します。これが花粉症の原因となります。特徴的なこととしては菌類との関係を持つことが上げられます。
アーバスキュラー菌根と呼ばれる菌根を形成しています。菌類と草本との共生関係は良くありますが、樹木との共生関係は珍しいです。品種は地域によって異なっていて、建材として用いるときの性質も異なります。
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