スプラウトの育て方
スプラウトの育てる環境について
スプラウトは家庭で簡単に作ることができます。台所のわきやテーブルの上、生活の邪魔にならなければどこでも構いません。水を使いますので、濡れて困るようなところはさけてください。基本的に発芽させるだけですので、季節も問いません。食べたいときにいつでも始めることができます。
ただし、梅雨時や夏季の湿気の多いときは使っている栽培容器にカビが発生する可能性があります。こまめにチェックすることで防げますが、その時期に始める方は注意が必要です。栽培の方法として遮光が必要な時期と日光に当てる時期と分ける必要があります。
よって、最初のうちは暗所、ある程度育ったら日の当たる場所と2つの場所を用意してください。ただし、最初から日光に当たるところに置いて、遮光が必要な時期だけアルミホイルなどで蓋をする方法で対応できます。場所を移動するのが面倒であったり、
場所がそんなに用意できない場合には日の当たるところを定位置としてください。また、ベランダなど外で栽培していると鳥などに食べられる可能性もあります。できる限り室内での栽培をお勧めします。水やりの方法も霧吹きを使うことができるため、水道が近くになくても問題ありません。
水を捨てることもないため、水やりに関しては場所を選びません。暗所と言うことで冷蔵庫と言うことを考える方もいらっしゃると思いますが、種が発芽するにはある程度の温度が必要になりますので、さけてください。収穫後はしおれる前に早めに食べることをお勧めします。
スプラウトの種付けや水やり、肥料について
スプラウトは家庭で簡単に作ることができます。季節も問いませんのでいつでも始めることができます。一般的に有名な育て方はスポンジやコットンシートなどを根付けにする方法です。ある程度の深さ(7から8センチ)の容器を用意します。大きさは種の量によって調節してください。
容器にコットンシートやスポンジ(薄いもの)を敷いて霧吹きで十分に湿らせます。その後、種を重ならないようにまんべんなく敷き詰めます。容器は日が当たらないように暗い場所に置いてください。もし、暗い場所が見つからない場合はアルミホイルなどで蓋をして遮光してください。
種に含まれている栄養だけで発芽しますので何の肥料もいりません。栄養分を与えても吸収する必要がないため無駄になります。水のみで問題ありません。もし何か変えてみたい場合は与える水をミネラル水などにしてみるのもいいかもしれません。
毎日1回霧吹きでまんべんなく水をかけてください。2から3日で発芽します。その後、茎と呼べるぐらいの長さぐらいに伸びるまで日を当てずに成長させます。充分な長さになったら暗所から出して日光を当てます。日に当てるのは2から3日で十分です。
その間も毎日1回は根元に霧吹きで水をかけるのを忘れないでください。葉が緑色になったら(種まきから約2週間)で収穫時期を迎えます。容器から取り出してコットンシート等の上の根元からカットしてください。時期を逃すとしおれてしまうため注意してください。
スプラウトの増やし方や害虫について
栽培後は全て食用となりますので、種の分だけしか栽培できません。まいた種が全て発育するわけではありませんので、発芽率がいい種を購入するようにしてください。最初はわからないと思いますので、いろいろなところを試してみてください。
栽培期間が短いため害虫や病気にかかることはあまりありません。ただ、栽培する場所によっては種のまま鳥に食べられたりすることがあります。蓋などで防ぐことができますが、室内での栽培をお勧めします。その他、栽培中に注意することとしてカビの発生があります。
使っているコットンシートやスポンジまたは根の密集している部分に発生します。これは溜まっている水が原因です。カビが生えやすい時期に栽培する場合には注意して確認してください。霧吹きだけではなく何回かに一回は流水につける必要があります。また、発芽しなかった種もカビの原因になります。
3日して発芽していないようなら取り除いてください。コットンシートやスポンジがカビるのが嫌な人はザルとタッパーが一緒になっている容器を使いましょう。ザルの上にまんべんなく種を撒きます。朝と夜に1回ずつ水をかけてから水を切って置いておきます。
日に当てるタイミングと日に当てる日数は同じです。収穫するときにはそのまま抜けば食べられます。スプラウト専用容器も同じような構造をしているため、そちらを購入されるのもいいと思います。初めの1回買えばあとはきれいに洗って、何度か使うことができます。
スプラウトの歴史
スプラウトの歴史はかなり古いとされています。5000年も前の中国では、すでにモヤシが栽培されていたとの説があります。モヤシはマメ科のスプラウトの代表的なものです。たぶんこれが植物の発芽してすぐ食べる始まりだったのではないでしょうか。
その後はしばらく記録がなく、次にわかっているのは、大航海時代が長く続いた18世紀後半です。船上での生活が長いため、船員たちの栄養不足が問題となっていました。そこで船上でも気軽に作られる大麦のスプラウトをつくって、栄養補給の補助としたと言われています。
19世紀に入るとかなり定着した食材となっていたようです。料理研究家によって発行された料理本の中にマスタードやクレスなどのスプラウトを使った料理が紹介されていました。日本でもかなり古くから食材として使われていたようです。記録によると、平安時代の貴族たちはすでにかいわれ大根を食べていたとされています。
このように古くからその栽培の手軽さ、栄養価の高さから世界各地で食べられていたようです。現在のようにスプラウトとして家庭で食べられるようになったのは、村上農園がマスタード、ブロッコリー、レッドキャベツ、クレスの新芽をパッケージ化して
「スプラウト」として1999年に日本で初めて発売を開始してからです。それ以来、食物の発芽した状態をスプラウトと呼ぶことと栄養価が高く摂取しやすい食材であることは一般的な知識として広まりました。
スプラウトの特徴
スプラウトとは、英語の”発芽する”や”芽を出す”の動詞であるsproutを指します。つまり、そう言う名前の植物が存在しているわけではありません。植物の発芽直後の新芽のことをすべてスプラウトと言うことになります。よって原産や生息地などが固定されてはいません。
一般的には食用の新芽のみをそう呼ぶことが多いのが事実です。全てが食用に向いているわけではありませんので、スーパーなどで入手できるものは食べやすい発芽野菜として選ばれたものです。植物を栽培するときに使う種子は乾燥した状態にあります。その中にも栄養分はつまっているのですが、
発芽するときに植物が自家合成により新たなビタミンや栄養成分を生成します。本来その栄養分は植物がこれから育つのに必要なものであり、パワーの源です。それが小さな新芽の中に凝縮されています。成長してからでは大きくなってしまい摂取するのが大変な野菜でも、
発芽直後であれば小さいので大量に摂取することができて効率がいいわけです。これがスプラウトを摂取することが体に良いとされる所以です。一般的に育てやすいと言われているスプラウトの種類は、豆苗、ブロッコリー、マスタード、カイワレ大根、ルッコラ、そば、レッドキャベツです。
スプラウトは栽培方法により以下の2種類に分けられます。発芽させたあとに緑化させるカイワレ大根のようなもの。最後まで暗室で育てるモヤシのようなもの。現在スプラウトとして一般的にイメージされるのはカイワレ大根のようなタイプであって、モヤシは別のものとしてとらわれているようです。
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