ゴボウの育て方
ゴボウの育てる環境について
ゴボウを調理する時は皮を包丁の背の部分を使ってそそぎ落すような形で行うケースが多いものです。これは皮にも多くの栄養が含まれているからで、包丁などを使って皮を綺麗に剥いてしまうと折角の栄養が逃げてしまうからなのです。
尚、食物繊維と言うのはリグニンと呼ばれる成分であり、このリグニンは繊維質になっているため、細かくしてしまうと壊れてしまいます。それ故に、切り口を大きくするためにもささがきで行うのが良いと言われているのです。所で、家庭菜園では色々な野菜を育てる人が増えていますが、
ゴボウについても上手に栽培をしてあげることで立派な物を収穫する事が可能になります。国内における生息地は栽培が全国的に行われている事からも多くの生息地を持ちますが、原産地と言うのはヨーロッパからアジアなどのユーラシア大陸になります。
生育適温は20度から25度が適しており、茎葉部分は寒さに弱いと言われており、3度程度の気温で枯れてしまうと言います。しかし、本体となる根の部分は寒さに強く、外気が3度程の冷涼な気候でも、土の中ではしっかりと成長を促し、翌春には芽を出すと言いいます。
尚、ゴボウは連作障害を持つ野菜でもあり、同じ場所での作付けは5~6年の間は控えることが大切です。また、日当たりが良く、水はけが良い環境で栽培を行う事で長く太い良質のゴボウを栽培することが出来ますし、大根などと同じく、深く耕す事で成長を促進するなどの効果を持ちます。
ゴボウの種付けや水やり、肥料について
種付けを行う前に、種を水につけておきますが、種は好光性であり、種まきを行う前の水につける作業は、明るい場所で行うのが大切です。明るい場所で水に付けてあげることで発芽を促進する効果を得られると言います。また、種をまいた後は、
種が見えなくなる程度の少ない量で良く、多くの土をかぶせてはいけません。尚、種まきを行う2週間前に、1㎡あたり苦土石灰を120g、堆肥を3kgを混ぜてから土に入れて、深く耕しておきます。ゴボウは深い場所まで根を張るため、深く耕す事が育て方のポイントでもあるのです。
種まきを行う1週間前には、1㎡あたり化成肥料を150gを入れて耕してあげてから、畝を作りますが、畝は高さ20cm以上にしてあげます。こうする事で、水はけを良く出来ますし、収穫する時にも楽に収穫が出来るようになるのです。
種は先ほども説明したように明るい場所で水につけておきますが、水に付ける時間は一昼夜であり、その間2~3度水を取り替えてあげます。水から種を取り出した後は、布の上で水切りをしてあげてから、目が出て来ない内に種まきをしてあげます。高さ20cmの畝にまき溝を浅めにつけてから、
1㎝間隔で種をまいて、種がかくれるくらいの土をかけてあげます。本葉が1~2枚になった時点で、伸び過ぎてしまっているものや、出遅れになっている苗を間引いておきます。このように間引いてあげることで、太く長い良質のゴボウを作る事が出来るのです。
ゴボウの増やし方や害虫について
間引きは種まきをしてから本葉が1~2枚の時と、本葉が5~6枚になるまでの間繰り返すのがコツです。また、この時株と株との間が10cmぐらいになるようにしておきます。こうする事で隣同士にある根が干渉を起こさず真っ直ぐに地中深くに伸びて行くのです。
追肥は2度程に分けて行いますが、1回目の追肥は本葉が2~3枚になった時、2回目の追肥は本葉が5~6枚になった時に行い、1㎡あたり40~50gの化成肥料を施し、追肥を行った後は株の根の部分に土寄せをしておきます。尚、収穫は根の直径が1㎝ほどになった段階で行うのが良いとされますが、
畝の高さを20㎝ほどの高さにしてあるので、横から少しずつスコップを利用して掘り起こして行きます。尚、この時ゴボウの根にスコップの先が当たらないように慎重に掘り起こす事が大切で、力強く掘り起こそうとすると折角綺麗に伸びているものを途中で切ってしまうので注意が必要です。
因みに、葉を見た時に、葉がひらく角度が広がっている場合は、根の先端部分がまた根になってることが在ります。また根というのは先端が2つに分かれてしまっているものであり、ここから根が生えだすものです。尚、害虫についてはキタネグサレセンチュウ(線虫とも言います)
などには注意が必要で、この害虫の被害により根の表面に黒褐色のシミのような小さな斑点が出来てしまいます。これを防止するためには、栽培を行う前の年などに、サツマイモや落花生、マリーゴールドと言った野菜や植物を植えてあげると線虫の防止に役立てる事が出来ます。
ゴボウの歴史
ゴボウは世界の中でも食べるのは日本だけとも言われています。しかし、食物繊維が豊富に含まれている事からも便秘の解消などに最適な野菜であり、腸内を綺麗にしてくれることからも大腸がんなどの予防にも効果的と言われています。尚、ゴボウと言うのはキク科の多年草であり、
原産はヨーロッパからアジアなどユーラシア大陸だと言います。食材として利用することが多い日本人は、ユーラシア大陸が原産のゴボウを食しているわけですが、縄文時代もしくは平安時代などに日本に伝来されたと言われています。但し、日本国内で食べられるようになったのは、
これらの時代よりもかなり先となる江戸時代から明治にかけてと言われており、それまでの間は中国などで漢方として利用されているように、何らかの漢方薬として利用されていたのではないかとも言われています。因みに、国内では自生している事はないのですが、
縄文時代に作られたと言われる遺跡などには植物遺存体として発見されていると言います。植物遺存体は貝などの化石のように、原型をとどめた状態で遺跡の中に埋まっているものが発見されるものであり、縄文時代の遺跡からゴボウが植物遺存体として発見されたと言う事は、
この時代に食されていたか、何らかの形で利用されていたことを物語っていると言います。尚、ゴボウはきんぴら、煮物などで利用される他にも、イノシシの鍋料理の肉の臭み消しなどでも利用されており、肉類の臭いを消してくれる効果も持つと言います。
ゴボウの特徴
ゴボウの旬と言うのは何時だかご存知でしょうか。旬と言うのは毎年10月から12月頃と3月から5月頃だと言います。細長い形をしており、根の部分を食べる野菜であり、地中深く成長していくのが特徴です。1月から2月にかけては地表近くは霜がおりる事からも、
旬の時期は10月から12月と3月から5月になるわけですが、ゴボウを食べる習慣が在るのは日本や韓国などの一部の国々のみであり、中国では食用としてではなく、漢方薬として利用されていると言います。また、ゴボウの特徴は灰汁が強い事であり、ゴボウの皮を剥いたことがある人ならわかりますが、
皮を剥いてしばらく経過すると黒っぽい色に変色をしてしまうのが特徴です。これは空気に触れることで化学変化が起きてしまい、色が変わるのです。そのため、ゴボウを調理する時などは空気になるべく触れないようにするため、笹垣などをした後は直ぐに、
水にさらしてあげることで変色を防止出来ますし、水の中にお酢を入れてあげることで灰汁抜きが出来ると言った特徴も有ります。但し、水などに長時間さらしてしまうと、ゴボウが持つ栄養が水に溶けだしてしまうので注意が必要です。
ゴボウは栄養価が高い野菜で知られており、その中でも食物繊維の量と言うのは100グラム中5.7グラムと大量の食物繊維を含んでおり、この食物繊維を持つゴボウを食べる事で、腸内環境を整えてくれるなどで、便秘の解消や大腸ガンの予防にも役立てられると言う特徴も有ります。
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