イチゴの育て方
イチゴの育てる環境について
元々生息地が他地域にまたがり、その種類も豊富で容易に増える植物ですので、環境を整備することは難しくありません。イチゴを育てる上で適切な環境は気温約17~25度程度です。乾燥や極端に湿度の高い環境などには比較的弱いので水やりをしっかりと怠らず行うことが重要です。
比較的冷涼で穏やかな環境を好み、冬でも枯れてしまうことは基本的にはありませんがその生育が止まります。春先には活動的に生育を再開し温かくなってきたころに花を咲かせます。土質の違いによって生育に著しく差が出るものでもないため、園芸の知識が少ない初心者でも栽培することができる植物と言えます。
土壌の乾燥は天敵ですが、湿気が多すぎる土壌では根ぐされがおきますので、水分コントロールが重要になります。肥料当たりも起こしやすいので土壌のECは0.2~0.5程度で極端な変化が起きないように注意が必要です。鉢で育てる場合は根があまり深くまで伸びないため、
そこまで大型の鉢を用意する必要はありませんが、生育を十分に行うためにはやはり大きな物を用意する必要があります。小株が増えてどんどん苗が増えていくため、横に広いプランターなどを利用して植えるのも効果的です。
条件さえ整えば育て方も比較的簡単ですので、誰でも挑戦できます。土を用意して苗を植えますが、土に水がたまるような窪みがあるとナメクジの発生を助けてしまうことになりますので、出来るだけ平坦に土を入れることがポイントとなります。
イチゴの種付けや水やり、肥料について
イチゴは水分を非常に多く必要とする作物です。イチゴの栽培には水やりは最大のポイントですが、大量すぎる水は根ぐされの原因となるため適度な水分を維持するひつようがあります。逆に乾燥しすぎたり乾燥期間が長く続いてしまうと根が傷んでしまう原因になりますので、
土が乾いたのを確認して水をたっぷり与える程度にします。弱アルカリ性の土壌が適しているため、堆肥や石灰を混ぜた土を利用すればよく育ちます。自身で配合する場合は赤玉土と鹿沼土と腐葉土を5:3:3の割合で配合すれば育成に適した環境を作ることが出来ます。
肥料は必要ですが、あまり多い肥料は逆に悪影響です。窒素が多すぎると葉や茎が大きくなるだけで実の育成が悪くなります。化成肥料を少量、適度に与える程度で大丈夫です。暖効性の遅効性肥料が販売されていますので、じわじわ効果がでるように与えるのが効果的です。
最近ではイチゴを自宅で栽培する人も多くなってきており一般的な植物なので、専用の肥料も販売されています。食用に栽培している場合は実の甘味も重要となるため、専門的な知識がない人や初めて栽培する場合は専用配合肥料を購入して利用すると比較的簡単に育てることが出来ます。
牛糞や鶏糞を利用する肥料も多くありますが、水はけが悪くなってしまうため、あまりお勧めしません。また油粕も効果的な有機肥料の一つですが、ナメクジの発生を引き起こすため、ナメクジ除去が大変になります。有機肥料と化成肥料をブレンドした肥料が一番向いています。
イチゴの増やし方や害虫について
イチゴは比較的害虫や病気にかかりやすい植物ですので育成とともに病気と害虫に注意する必要があります。病気の面ではうどんこ病やネグサレセンチュウなどにかかる可能性があります。うどんこ病はカビの一種で白い粉状の菌が繁殖します。
見た目は名前の通りうどん粉をまぶしたような状態になり、ほうっておくと光合成が出来なくなり、生育に大きな影響を及ぼします。カビの一種ですので日光や風通しをよくしてあげることで予防することが出来ます。ネグサレセンチュウは根が褐色色になり生育が悪くなります。
また黒く変色し、細くなってしまいます。アブラムシも発生しやすい害虫の一つです。アブラムシは繁殖してしまうと小さく一つ一つ除去することが非常に困難なため、出来るだけ発生数の少ない状態で薬剤を散布する必要があります。
家庭などで栽培している際には水を散布して洗い流す方法もありますが、葉の裏などに発生したアブラムシを除去することは非常に難しいため、薬剤に頼る方が早くて効果的です。一度苗を購入すればその親株から小株を増やしてその苗を新たに植えて増やすことが可能です。
比較的増える速度は早く、容易に増えていくため、一度買った苗を延々と使い続けることが可能です。親株は小株を増やしていくと実をつけなくなるため不要になります。苗を植える時には根を浅く植えてあげるようにします。あまり深く植えてしまうと花を咲かすことなく実も出来ず失敗してしまうことがあります。
イチゴの歴史
イチゴは比較的古くから人間に食されていた果物です。その歴史は石器時代にさかのぼります。農耕技術や養殖などを行う前から野生のイチゴを採取して口にしていました。更に本格的に人工的な栽培がおこなわれたのは17世紀ごろで最初はエゾヘビイチゴをフランスやベルギーなどで栽培されたと言われています。
日本では明治の初めごろから栽培がはじめられ、フランスから入ってきたイチゴの一種を栽培し始めたのが始まりとされています。もともと野生に群生しているようなイチゴは比較的果実が小さい種類が多く、現在我々が口にしている大きな粒のイチゴは初めオランダから入ってきました。
それが江戸時代後半頃です。初めは鑑賞用として普及しましたが、後に入ってきたパイナップルイチゴやアナナスイチゴなど甘味の強いものが好まれ、現在食卓にならぶイチゴになりました。現在ではその種類も豊富になり「とよのか」や「とちおとめ」など鮮やかな赤色で非常に甘味の強い品種が開発されています。
現在では「あまおう」などが人気で比較的安価なイチゴから驚くほど高価な品種が販売されています。元々の原産地は北米東部や南米チリなど様々ですがその後色々な人物やルートからヨーロッパに伝来したと言われています。
イチゴは栄養価が高く、古くから薬効成分があるとして薬に使われていた歴史もあります。風邪の予防や、歯槽膿漏にも効果があるとされています。現在では行われていませんが、古くは茎や根までもが薬として利用されていました。
イチゴの特徴
イチゴはバラ科の多年草です。食用として食べられている赤い部分は実際は果実ではなく花托と言われる花の一部が肥大化した部分です。現在食されているものは特に甘味が強く果物コーナーに並んでいるのをよく見ますが、正確には草本性の植物なので、野菜として認識されることもあります。
イチゴ可食部は水分を多く含み糖質が10%と非常に甘く感じます。また、ビタミンCやキシリトールが豊富に含まれています。甘いだけではなく健康食品としても人気の食べ物です。同じバラ科の仲間としてはリンゴやナシ、モモなどがあり、あまり見る機会はありませんが、小さくて白い花を春頃に咲かせます。
非常に生命力が強く自然界放置されてもかれることなく強く育っていくことがあります。モモやリンゴも同じように利用されますが、イチゴも甘味とともに酸味がありますので、比較的酸味の強いものは生のまま食さずジャムやジュースなどに加工されて利用されることもあります。
ケーキなどの甘いものと一緒に食す場合は少し酸味の強いものを使用します。また加熱調理をするとビタミンCが流れ出てしまうため、栄養素を十分に摂取したい場合には生のまま食べる方がお薦めです。しかし、表面に多数のくぼみがあるので、
農薬などを利用しているものは出来るだけ水で洗って食べる方が安全だと言えます。元々春から夏にかけて収穫のピークを迎える代表的な果物でしたが、現在ではハウス栽培の進歩や品種改良などにより、年中栽培が可能になりました。「とよのか」や「女峰」などは寒い冬の時期が一番の収穫時期になります。
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