ネコヤナギの育て方

ネコヤナギの育て方

ネコヤナギの特徴は、なんといってもその見た目にあるでしょう。種類によって多少の違いはあるものの、ネコヤナギと聞けば誰しも綿毛につつまれたような外観を想起させることでしょう。この植物は、ヤナギ科ヤナギ属の落葉低木で、一般的には他のヤナギ類の開花よりも、少し早く花を咲かせることから、春の訪れを告げる植物とみなされています。

育てる環境について

ネコヤナギの生息地は、北海道や本州等、日本全土の産地や山裾、野原、渓流や水辺ですので、日本国内であればまず育てる環境はどこでもカバーできると言って良いでしょう。いわゆる和モノとよばれてる植物で、日本の里山などにも生える植物ですから、日本の四季変化による寒さや暑さに負けるようなことはまずありません。

自生している場所から推測できるように、ネコヤナギは日当たりが良い場所を好みます。また湿潤な土壌を好み、土質としては砂質よりも若干粘質の方が適していると言えます。普通の低木が育つ環境であれば、まず問題はないと考えて良いでしょう。あえて言うのであれば、乾燥を嫌うという点に注意を払うだけで十分です。

樹高は1.5メートルから高くても3メートル程度なので、庭を美しく飾る庭木としても人気があります。絹毛が陽の光を反射して美しく彩ることができるので、風情のあるお庭を演出するのにも最適です。こうしたことから、古くからの日本独自のガーデニング素材としても人気を集めていました。

種類によっては、白以外にも、ピンク色や緑色を中心部分に持つものもあるので、こうした特徴を活かせば華やかなお庭を演出することができるようになります。一般的には、庭で育てる場合であっても、特に剪定などせず、自然樹形のままで大株に育てることで、見事な枝ぶりと見事な花を開花させるようにすることが多いです。他には盆栽等でも人気の素材として利用されることが多いです。

種付けや水やり、肥料について

ネコヤナギの育て方として、種付けから栽培する場合、基本的には土質は選ぶようなことはありません。しかし、水はけがよすぎて乾燥してしまうのは避けるように注意する方が良いでしょう。基本的には赤玉土だけでも十分ですが、赤玉土6腐葉土3ピートモス1を混ぜた土がお勧めです。自生地からもわかるように、湿潤な土壌を好みます。

水が大好きなので、十分な水やりが必要です。庭木の場合は、乾燥にだけ気をつけていれば毎日水を上げなくても大丈夫ですが、盆栽等の場合は、鉢の大きさによって変わってきますが、1日に2回程度水やりが必要になってきます。ネコヤナギの盆栽における失敗で最も多いパターンが、水やりが少なすぎることです。

肥料については、二月のはじめ頃、株元部分に対して化成肥料や有機質肥料を施すと良いでしょう。基本的には丈夫な植物ですので、逆に与えすぎに注意する方が良いかもしれません。様子を観察しながら開花後にも、肥料を与えも構わないのですが、肥料が多いと枝が伸び過ぎて樹形が乱れてしまいますので注意してください。

盆栽の場合には、これも鉢の大きさによって変わってくるのですが、大体目安として10cm径の鉢に対して、大体3mm系程度の化成肥料を、鉢の周囲に3,4個撒くようにする程度で十分です。盆栽の場合、肥料を与える時期は開花後、または植え替えの後一か月程度たった頃が良いでしょう。やはり盆栽においても肥料の与えすぎによって、樹形や枝ぶりに影響が出てくるので注意しましょう。

増やし方や害虫について

ネコヤナギは元来生命力の溢れた頑丈な植物ですので、増やし方は簡単です。種から丁寧に育てなくても挿し木で簡単に増やすことができます。生命力があるので、例えば切り花用として使われている場合でも、花瓶の中で水に浸かっている部分から、どんどん根っこが生えてくる程です。それをそのまま土に挿しておくだけでも増やすことが可能です。

基本的には3月上旬頃に、前年度に伸びていた枝を20cmから30cm程度の長さに切ります。これを上下を逆にしないように土に挿すことで根付かせるようにするのが良いでしょう。また害虫には十分注意してあげることが大切です。ネコヤナギにおいてはアブラムシ、ウドンコ病、さび病などに注意しなければなりません。

春先にはアブラムシが発生し、ネコヤナギの新芽に付いて吸汁してきます。またウドンコ病というのは葉っぱに白い粉のようなカビに覆われて植物を弱らせる病気で、梅雨時期に発生しやすいです。もし落葉期ではないのに葉が落ちはじめるようなことがあればさび病かもしれません。これは過湿や風通しが悪い環境において発生しやすいもので、

この病気に掛かっている場合、葉の裏を見ると褐色の斑点ができ、粉を吹いていることが確認できます。定期的に葉の裏をチェックして発生を見逃さないようにしましょう。こうした病害虫のいずれにも予防や駆除のための薬剤を散布といった早めの対策を立てることが最も大切です。盆栽においては根腐れ等にも注意を払うようにしてください。

ネコヤナギの歴史

猫柳は、まるで猫の尻尾のようなふわふわした毛におおわれた特徴的な花をつける植物です。古くからに日本の小川や水辺において自生している、高さは大体2メートル程度の大木です。春も初めごろになると、猫の毛を思わせるつやつやした銀箔色の花が咲き始めますが、これは正確には「花穂(かすい)」と呼ばれています。

触ってみると、まるで絹のように心地よいも。古くから日本人に愛され続けており、俳句における春を表す季語として、多くの歌にも詠まれています。そうした俳句や短歌においては多くの場合、少年少女時代の郷愁を想起させる象徴として詠まれることが多いようです。やはりその特徴的な外観に、遊び心を刺激されることから、

子供たちとってネコヤナギは恰好のおもちゃとなります。子供の頃に遊んだ記憶が、ネコヤナギを見て俳句や和歌を呼ぶときには、真っ先に想起こされることになるのでしょう。ネコヤナギの原産地は、北海道、本州、四国、九州、朝鮮半島や中国です。そのため日本人とネコヤナギとの関わり合いは、遥か遠い古代にまで遡ることができます。

古くは万葉集の中においても、川楊(かはやぎ)と呼ばれるネコヤナギについて詠われたものがある程です。万葉集では次の3つの歌が詠まれています。「霰降り遠つ淡海の吾跡川楊刈れどもまたも生ふといふ吾跡川楊」「かわづ鳴く六田の川の川柳のねもころ見れど飽かぬ川かも」「山の際に雪は降りつつしかすがにこの川楊は萌えにけるかも」

ネコヤナギの特徴

ネコヤナギの特徴は、なんといってもその見た目にあるでしょう。種類によって多少の違いはあるものの、ネコヤナギと聞けば誰しも綿毛につつまれたような外観を想起させることでしょう。この植物は、ヤナギ科ヤナギ属の落葉低木で、一般的には他のヤナギ類の開花よりも、少し早く花を咲かせることから、春の訪れを告げる植物とみなされています。

平野や山中の水辺に、普通に生えるヤナギの仲間です。その葉は細い楕円形で基本的にはつやがありません。春の終わりから初夏にかけは綿毛につつまれた種子を風に飛ばしていきます。開花時期は3~4月で、春に真っ先に開花します。銀白色に輝く花芽が目立ちます。雌雄異株で、雄株と雌株がそれぞれ雄花と雌花を咲かせます。

ネコヤナギの葉は互生しており、葉身は長楕円形で先が尖っています。縁にはよく見てみると細かい鋸歯があることがわかります。触って見るとわかりますが革質で、その両面に絹毛があります。これは後に表面部分については無毛になっていきます。また葉柄に基部に腎円形の托葉があります。また漢方として、その樹皮や細根を乾燥したものを煎じ、

1日5グラムから10グラム程度を飲用すると、解熱効果があるとされています。ヤナギ科には有効成分として、その樹皮部分に特に多くふくまれるサリシンという配糖体が知られています。このサイシンという物質は、現在世界で最も多く使われている医薬品であるアスピリンの母体となった物質です。

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