チャ(茶)の育て方
育てる環境について
この植物は大変寿命が長くて、30年から40年、中には100年以上長生きをするチャノキもあります。中国種の方が長生きで、100年を越すものもありますが、アッサム種の方は、30年から40年が限度のようです。また育て方にも関係してきますが、栽培をする場合には、熱帯性なので、寒さに弱いところがあり、高温多湿な土地柄でよく育つということです。
日本でのチャの産地ではいちばん大きなところは、やはり静岡県でしょう。温暖な気候が、あっていたのだろうということですが、その他では、やはり暖かな鹿児島県が、日本では第2位の生産量を誇っています。三重県や宮崎県も有名ですが、京都も有名な産地です。このように日本でも暖かい地方で生産されているので、
栽培条件も、そのような地域が良いということがわかります。寒いところでは、あまりうまく栽培できないのでしょう。また外国でも、インドネシアやスリランカ、インド、ケニア、中国などで、だいたい温かいところで作られているのがわかります。そうなると個人的にガーデニングなどで栽培するにしても、気候が合っていないとできないということになります。
それらは商業的な栽培ということでしたが、ガーデニングや家庭菜園でも作ることができます。そして自分で作って、それを飲んでみるのも趣味としては面白いですので、チャレンジしてみたくなります。また椿の仲間ですので、冬でも葉を落とさない木ですから、生け垣としても利用できますので、そのように利用してみても良いということです。
種付けや水やり、肥料について
ガーデニングや家庭菜園用としての育て方ですが、植え付けは他の植物と同じで春や秋の頃ですが、寒冷期でなければ植え付けも可能ということになります。春は3月から5月、秋は9月から11月が適しています。水はけの良い土地が良いようで、それで温暖な土地が良いということになります。生息地などを見ても、そのことは理解できるでしょう。
水はけの良い土地でなくても最初は育つかもしれませんが、その後の発育が遅くなるということになりますので、やはり水はけの良い土地で育てるのが良いということになります。また酸性土壌を好むのも特徴です。そして根が長く張り1メートルほどの深さにまでとどきますので、その点でも水はけが良くなるように、山砂などを混ぜる工夫も有効です。
また酸性の土地ということでは、肥料に完熟した牛糞堆肥をあわせた土などを利用すると良いということになります。また植える場所は、他の場所よりも20センチほど高くしておき、穴も根よりも少し深いぐらいに穴を開けて植え付けていきます。苗も曲がらないように手で植えていきます。また藁を敷いて、夏でも乾燥しないようにしておきます。
また植え付けの感覚は30センチ以上にします。最初の年は、水を十分に与えますが、2年目以降は土が乾いた時に与える程度でよくなります。また肥料は最初の植え付けの時に十分与えておけば1年ぐらいは与えなくても良いとのことですが、2年目以降は3月と9月に与えるようにしていきます。そして肝心のチャですが、すぐには飲めす、4年から6年は待たなければなりません。
増やし方や害虫について
この植物に適した気象条件ですが、年平均気温が14~16℃ぐらいで、平均の降水量が年間1,300mm以上の地域ということになります。亜熱帯性の作物なので、やはりそれに近い気象の場所で美味しい飲み物ができるということですが、昔から涼しいところで、河川の上、中流域の朝霧のたつような場所が最適ということが伝わっているということです。
やはり亜熱帯の植物ということですので、湿度や水分、温度が重要ということでもあります。このように、非常に水分を好む植物ですので、ガーデニングや家庭菜園でも、水分を豊富に与えることができる気象の地域でないと、なかなか難しいということがわかります。美味しいものを得るためには、何事でも簡単にはいかないということですが、
栽培をするということでは、特に注意をしながら精魂込めて育てるということが必要ということのようです。収穫まで何年もかかる植物はたくさんあるので、この場合も美味しいお茶を飲むためですから、4年や5年は我慢して大切に育てていくということが重要ということでしょう。また湿害や干害などの水分の環境に敏感な植物なので、
土壌の透水性、通気性、保水性などもよく調べて、常にそのことに注意するということも大切になります。またその他の害としては、凍霜害、寒害、干害、潮風害、雹害などがあり、それぞれの対策も必要になります。そのようにだいぶ高度な栽培になりますが、挑戦するだけの価値はあるということになります。
チャ(茶)の歴史
この植物の歴史は古く、原産地は中国とされていますが、その他の説もあるようです。時代は紀元前2700年頃ということで、非常に古くから飲まれているということで、昔は色々な呼び方がされていたようですが、中国の唐の時代に、国が安定してきたので、チャも広まっていき、今のような飲み物になってきたということでした。
日本に伝わったのも遣唐使ということですから、同じ時代ですが、唐に留学した僧侶たちが持ち帰り、日本に広めたということになります。有名な最澄や空海、栄西などが中国から持ち帰ったようですが、特に栄西が、明恵というこれも有名なお坊さんに、チャの種を渡して、今の宇治に種を蒔いて育てて、宇治の特産品ができ、
そこから日本全国に広がっていったということが、一応の日本の歴史での経過ということになります。また中国には、チャのバイブルがあり、茶経という名前の書物ですが残っています。ヨーロッパに伝わったのは、だいぶ後になり、オランダが1600年頃伝わったということですが、その後イギリスなどにも広まり、今に至るということになります。
また日本で煎茶が生まれたのが徳川時代の初期で1650年頃ということですが、今のようなチャの飲み方になったのは、1700年代の半ば頃ではないかと言われています。それでも300年ぐらい昔から今のように飲まれるようになったということになります。このように長い歴史を経て、今に至るわけですが、中国や日本のチャと、ヨーロッパの紅茶の系統があるようです。
チャ(茶)の特徴
この植物は、ツバキやサザンカのツバキ科で、多年草の植物になります。緑茶も紅茶も烏龍茶も同じチャノキの新芽を摘んで加工したもので、加工の仕方が違うだけで、元は同じです。しかしそれぞれ適した品種があるということです。チャの品種ということでは、大きく分けて中国種とアッサム種があり、中国種は日本茶などに向いていて、
アッサム種は紅茶などに向いている品種です。それで今では、それぞれのチャノキから、それぞれの製品が作られているということです。これも面白いのですが、中国種の木はアッサム種よりも小さくて、高さも2,3メートルですが、アッサム種は大きくて10メートルを越えるものもあるということでした。人種でも黄色人種と白人では体格が違いますが、
似たような感じでチャも大きさが違うということです。当然そうなると葉っぱの大きさも変わり、アッサム種のほうが大きくなります。また葉っぱの厚さもアッサム種のほうが柔らかく厚くなっていて、中国種の方は、薄く硬い繊維質の葉になっています。肝心のタンニンの量もアッサム種のほうが中国種よりも多くなっているそうです。
紅茶などでも濃い感じがしますが、タンニンの量のせいかもしれません。砂糖やミルクを入れて飲むのに向いているということでも、そのような理由もあるのでしょう。このように今世界中で飲まれているチャには、ふたつの系統があるということですが、そのまま緑茶として飲むか、砂糖やミルクなどを入れて飲むかということで、分かれているようです。
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