ルバーブの育て方
育てる環境について
ルバーブは、原産地がシベリアという広い大地であるためか、とにかく大きく成長します。そのため、栽培しようと思ったらなるべく広い場所を用意しましょう。1メートルは伸びることを考えて、場所選びをするのがベストです。また、やはりシベリア原産だからでしょうか。暑さには比較的弱い植物で、冷涼な所を好みます。
そのため、育てるためには夏の暑さ対策が必要です。できればあまり暑くなり過ぎず、日陰が出来る場所の方が良いです。しかしあまり日が当たらない場所も、栽培には向いていません。また、水はけが悪くジメジメとした場所も、不向きです。どちらかというとカラッとしていて水はけが良く、日当たりも良いけれど日陰も出来るという場所が適しています。
シベリアも、冬はかなり寒いですが、カラッとしており決してジメジメしていません。夏も猛暑と呼ばれるような高温にはなりません。原産地の気候を考えて、栽培する環境を選ぶのがベストです。特に問題なのは、夏の暑さです。日本で育てる場合、どうしてもシベリアと同じようにという訳にはいきません。なるべく暑さから守るために、
よしづを置くなど、風通しを良くしておくと違います。土は適度な湿り気があり、弱アルカリ性の土壌が適しています。しかし土の湿り気が多すぎると、根腐れを起こしてしまうので要注意です。集合住宅暮らしなどで、栽培できる広い場所がない場合は、鉢植えでも育てることが可能です。鉢植えの場合も大きく成長することを考えて、しっかりと根が張れる深い鉢を用いるのがおすすめです。
種付けや水やり、肥料について
ルバーブの種付けは、4月から6月ごろが適しています。種からの育て方は、まずビニールポットに種をまく所から始まります。発芽は22℃ぐらいとされているので、早春よりも初夏が一番良いです。葉が出てきたら適度に間引き、葉が3,4枚になったころ、あらかじめ用意した場所に植え付けます。
最初から株を植える場合は、大きくなることを想定して間隔を大きめに空けます。隣の株との間は、1メートルくらい余裕を見た方が良いです。鉢植えにする場合、10号以上の大きなサイズを選ぶことが重要です。1つの鉢に1つの株を植え付けます。鉢ではなく、樽に植えるのもおすすめです。鉢や樽だと、夏や冬など、季節ごとに適した場所への移動がしやすくなります。
植える前に、土には石灰を撒いておきます。植え付ける時は堆肥、チッソ成分が入った有機肥料を土に入れてから行います。初めのうちは、水をしっかり与えた方が良いです。しかし水のやり過ぎで過湿になると、根腐れを起こすリスクがあります。ある程度落ち着いてからは土の表面が乾いてから水をやる、という方法を基本にします。
植えて1年目は、基本的に収穫しません。葉柄が収穫できるのは、2年目以降です。1年目は、月に1回化成肥料を追肥します。2年目は、1年目の半量で追肥を行います。秋には液肥の追肥を行っておくと、翌年春には収穫できる可能性があります。決してすぐに収穫できるタイプではないので、成長後を想像しつつ、長期間楽しみながら作業すると良いでしょう。
増やし方や害虫について
ルバーブを増やしたい場合、春と秋の両方で種をまく、株分けを春に行うという方法があります。より簡単に増やしたいなら、株分けがおすすめです。春になり、新たな株が出てきた時が、株分けのチャンスです。出てきた新株を、なるべくそっと傷つけないように土から掘り出します。掘りだした株は、芽が最低1つは付いた状態で切り分けます。
切り分ける時は、根をできるだけ付けた状態にすることがポイントです。切り分けたら、株を植え付けていきます。株分けは、3年ごとに実行することを勧められる場合もあります。3年ほど経つと株は大きくなり、地中の根はかなりの範囲に伸びています。大きくなると切り分けるのが大変です。
3年ごとの切り分けという考えは、それ以上大きくなると切り分けが難しくなるという理由もあるのでしょう。ルバーブは、あまり病害虫にかかる心配をしなくても良い植物です。そのため、比較的栽培しやすいとされています。しかし、油断すると病気にかかったり、害虫に蝕まれることもあります。手入れをする時、病気にかかっていないか、害虫はついていないか、習慣的にチェックすると良いでしょう。
つきやすい害虫としては、多くの植物が被害に遭うアブラムシなどが考えられます。水のやり過ぎで根腐れを起こした時も、弱って病害虫に襲われやすくなります。風通しや日当たりをよくするために雑草はすぐに処理し、泥が付いた場合もすぐにきれいにします。株の根元をワラなどで覆うことで、泥の付着は防げます。枯れてきた葉も早めに取り除くことで、健康な状態を保てます。日頃の基本的なお手入れだけでも、病害虫は防げます。
ルバーブの歴史
ルバーブはタデ科カラダイオウ属に分類されている、シベリア南部が原産のハーブです。ボルガ河の辺りは、野生種の生息地でもあります。和名はショクヨウダイオウ(食用大黄)と言い、近縁種のダイオウは昔から漢方で使う植物として有名です。ショクヨウダイオウの方も、体に良い効果をもたらす植物として、近年注目されています。
ルバーブの歴史は古く、西洋ではギリシャ、ローマで紀元前から栽培されていました。イギリスにも中世には伝わり、近世には薬用として広く普及しました。ロシアではこの薬用植物の取引を国が乗り出して行うほど、盛んに売買されていました。イギリスでは東インド会社を通じ、ロシアではなく中国産のものをインド経由で輸入しています。
各国が熱心になるほど、需要が高い植物だったのでしょう。今でもヨーロッパでは、比較的よく見かけるハーブです。イギリスでも家庭菜園の他、市場などでも比較的入手しやすい物です。現在でも、一般の人がよく知っているハーブの一つです。日本での導入は、西洋よりもかなり後になります。明治時代初期に西洋から導入されたと言われていますが、
どうやらあまり普及はしなかったようです。その後もヨーロッパほどの馴染みがない植物だったのですが、最近はその薬効性が認められ、近年になってから以前よりは知られるようになりました。ただ、今のところはまだハーブや健康食品などに関心がある人なら知っている、という感じです。しかし今後は普及して、ヨーロッパのように一般的なハーブとして扱われる可能性があります。
ルバーブの特徴
ルバーブの見た目上の特徴は、成長すると放射状に大きくなり、ハーブらしい独特の香りを放つことです。大きなものになると1メートル以上の丈になります。ハーブの中では、大型の部類に入るのではないでしょうか。葉柄の色は大きく分けて、赤みが出るものと緑色になるものがあります。昔から人が利用してきたのは、主に葉柄の部分です。
成長し、葉柄が30センチ以上になると、収穫して加工します。良く知られており、なおかつ簡単に出来る加工はジャムです。収穫した葉柄部分と砂糖を煮込み、レモン汁を加えれば完成します。ヨーロッパの家庭でも、よく用いられている加工方法です。赤みの出ている葉柄には、アントシアニンが含まれています。
アントシアニンには、老化や病気を防ぐ抗酸化作用があります。高血圧を予防するカリウムも、沢山含まれています。葉柄には食物繊維も豊富なので、ジャムにして毎日摂取することで、様々な効果が期待できます。ただ、妊娠中の女性の場合、生理を促す作用があるため、控えた方が良いです。逆に生理不順で悩んでいる女性にはおすすめです。
葉はかなり大きくなりますが、シュウ酸を含んでいることから、食用としては使われていません。銅器を磨く道具にするなど、葉はもっぱら食用以外に使われてきました。しかし最近西洋では、シュウ酸を減らした品種を栽培しており、葉も食用にしているようです。いずれにしても、観賞用よりは、薬用として利用することを目的として栽培することが多い植物です。
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